揚げなす、蒸しなす、焼きなす…人気料理家4人が教える絶品”なす”のおかず8選
夏から秋にかけておいしさが増す”なす”。なすは淡白な野菜だけに、どんな味にも変身できるのがいいところ。飽きずにおいしく食べるため、素材の味を引き出す料理が得意な4人の料理家、飛田和緒さん、小林まさみさん、上田淳子さん、堤人美さんに、とっておきのなす料理を教えてもらいました。
ご飯もビールもススム『なすのメインおかず』は、油をたっぷり吸ったなすがジューシーで夏のごちそうに。味付けを濃いめにするとさらにモリモリ食べられます。
コク旨がたまらない『なすのご飯&麺』は、カレー、パスタ、そうめんなど、なすが主役の一皿に。どれも、肉やオイルなどの旨味をなすにたっぷり吸わせるのが、おいしく仕上げるポイントです。
※材料は特記以外、すべて2人分です。電子レンジは600Wを使用しています。
なすの肉巻き蒸し薬味だれ【飛田和緒さん レシピ】
豚肉に包まれ、なすの旨味がジュワッ!薬味だれはにらたっぷりでスタミナ満点。
<作り方>
【1】豚バラ薄切り肉8枚(200g)は広げて塩小さじ1/4をまぶす。
【2】なす4本は縞目にむき、なす1本に【1】を2枚ずつ巻く。
【3】蒸気の上がった蒸し器にクッキングシートを敷き、その上に【2】を並べ10~15分蒸す。
【4】にら1/3束は小口切りに、長ねぎ1/3本は粗みじん切りにし、しょうゆ大さじ2、黒酢(または酢)大さじ1、砂糖小さじ2と合わせる。
【5】【3】をひと口大に切って器に盛り、【4】をたっぷりかける。
揚げなすと鶏もも肉のコチュマヨ和え【堤人美さん レシピ】
揚げなすに絡む、甘辛マヨソースがヤミツキ必至!
<作り方>
【1】鶏もも肉1枚(250g)はひと口大に切り、塩・こしょう各少量、しょうがのすりおろし1/2片、酒大さじ2を加え、よくもみこむ。
【2】なす3本は乱切りに、万能ねぎ4本は3cm長さに切る。
【3】フライパンにサラダ油を約3cm入れ、なすを180℃で1分半ほど揚げ、ペーパーで油を拭く。【1】に片栗粉適量をまぶし、170℃の中温で4分ほど揚げる。
【4】大きめのボウルでコチュジャン大さじ2、マヨネーズ大さじ3、はちみつ小さじ1を混ぜ、【3】と万能ねぎを加えて混ぜる。
焼きなすのエスニックソース【小林まさみさん レシピ】
ベトナム風に甘酸っぱく、こんがり焼いたなすの香ばしさが贅沢なごちそう。
<作り方>
【1】なす4本はヘタの周りをぐるりとむき、網に並べ、真っ黒になるまで強火で焼き、粗熱が取れたら皮をむく。ヘタを切り落とし、食べやすく裂いて器に盛り、薄切りにした紫玉ねぎ1/6個をのせる。
【2】ナムプラー・レモン汁・砂糖・水各小さじ2、すりおろしたにんにく少量、種を除きみじん切りにした赤唐辛子1/2本を混ぜる。
【3】フライパンにサラダ油小さじ1を熱し、豚ひき肉80gを入れて炒め、ポロポロになったら、塩・こしょう各少量、【2】を大さじ1/2加えて炒める。
【4】【1】に【3】をかけ、2cm幅に切ったパクチー1~2株をのせ、残りの【2】をかける。
なすと豚肉のしょうが焼き【飛田和緒さん レシピ】
なすとしょうが焼きの最強コンビ。ごはん必須のガッツリおかず!
<作り方>
【1】豚しょうが焼き用肉6枚(300g)は広げて塩適量を軽く振る。
【2】なす2本は縦に5~6mm幅に切る。
【3】しょうゆ・酒・砂糖各大さじ1、すりおろしたしょうが大1片を混ぜ合わせる。
【4】フライパンにサラダ油大さじ2を熱し、片栗粉適量を両面にまぶした【1】を並べ入れて焼く。焼けたら取り出す。
【5】【2】に片栗粉適量をまぶし、同じフライパンで焼く。油が足りなくなったら足しながら焼く。
【6】【4】をフライパンに戻し、【3】を加えてよく絡める。
蒸しなすのベーコントマト煮【上田淳子さん レシピ】
なすの水分を生かしたエチュベ(蒸し煮)に、トマトとベーコンの旨味も凝縮!
<作り方>
【1】なす3~4本は1.5cm幅の輪切りに、にんにく1片はみじん切りにする。ベーコン(ブロック)100gは厚めに切る。
【2】フライパンになす、水1/2カップ、オリーブオイル大さじ1を入れ、ふたをして中火にかける。沸騰したらそのまま3~4分蒸し煮にする。なすがやわらかくなったら、ふたを取りそのまま水分がなくなるまで加熱する。
【3】【2】にオリーブオイル大さじ1、にんにく、ベーコンを入れて炒め、香りが立ったらトマト缶(ダイスカット)1/2缶(200g)を加えて5分ほど煮る。仕上げに塩小さじ1/2、こしょう少量で味を調える。
なすと豚ひき肉のバジル炒めご飯【堤人美さん レシピ】
バジルは青じそに変えてもさわやか。ご飯と混ぜながら召し上がれ!
<作り方>
【1】なす2本は1.5cm角に、にんにく1片は粗みじん切りにする。
【2】フライパンにサラダ油小さじ2を中火で熱し、なすを3分ほど炒める。しんなりしたら豚ひき肉150gを加えてさっと炒める。にんにくを加えて炒め、酒大さじ1を振る。ナムプラー・オイスターソース・レモン汁各小さじ1を加え、塩、こしょうで味を調え、バジル3~4枚をちぎって加える。
【3】器にご飯2膳分を盛り、【2】をかける。
<アレンジ>
同じ具材をゆでたそうめんにのせれば、ひと味違ったおいしさに!
なすのアーリオオーリオ【上田淳子さん レシピ】
にんにくの旨味を吸った、なすオンリーでシンプルに。
<作り方>
【1】なす2~3本は縦半分に切り5mm幅に斜めに切る。にんにく1片は横に薄切りにして芯を取る。赤唐辛子1/2本は種を除き小口切りにする。
【2】鍋に湯2Lを沸かし、塩20gを入れ、スパゲッティー200gを表示通りゆでる。
【3】フライパンにオリーブオイル大さじ3、にんにく、赤唐辛子を入れて中火にかけ、香りが立ったらなすと【2】のゆで汁1/2カップを加え、ふたをして2分ほど蒸し煮にする。塩少量で味を調え、蒸し汁がフライパンの底に少し残るまで煮詰める。
【4】【2】の水気をしっかり切り、【3】に入れる。中火にかけ全体を混ぜ、水分がほぼなくなったら器に盛る。好みでパセリのみじん切り適量を散らす。
なすと豚肉のあったかそうめん【小林まさみさん レシピ】
豚バラ肉の脂とコクがなすと絶妙にマッチ。
<作り方>
【1】なす2本、ピーマン2個は縦半分に切り1cm幅に斜めに切る。
【2】フライパンにサラダ油大さじ1強を強火で熱し、【1】を加えて炒める。だし(煮干し昆布)1 3/4カップ、みりん・しょうゆ各大さじ2、砂糖小さじ2、塩小さじ1/4を加え、煮立ったら豚バラしゃぶしゃぶ肉100gを加え、アクが出たら取る。弱火でふたをし、なすがやわらかくなるまで7分ほど煮る。
【3】鍋にたっぷりの湯を沸かし、そうめん2~3束を表示通りゆで、湯を切って流水で洗い、氷水で冷やす。水気を押し絞って器に盛り、【2】につけて食べる。
なすのスパイスカレー【飛田和緒さん レシピ】
トロトロでスパイシー、クミンとカレー粉だけでもOK!
<作り方>(2~3人分)
【1】鶏もも肉1枚(300g)はひと口大に切る。塩小さじ1/2をなじませ、小麦粉大さじ2をまぶす。
【2】なす3本はひと口大に切る。玉ねぎ1個、しょうが・にんにく各1片はみじん切りにする。
【3】厚手の鍋に玉ねぎ、しょうが、にんにく、オリーブオイル大さじ2を入れ、中火で炒める。時々ふたをして蒸し焼きにしながら炒め、全体が色づくまで15~20分炒める。
【4】【1】を加えて炒め、ターメリックパウダー・コリアンダーパウダー・クミンパウダー・パプリカパウダー・花椒各小さじ1/2を入れ、香りが立つまで炒める。
【5】なすを加えて軽く炒め、水2カップを入れ、ふたをして弱めの中火で15分ほど煮込む。
【6】なすがやわらかくなったら、しょうゆ・バター各大さじ1を加え、塩少量で味を調える。
【7】器にご飯適量を盛り、【6】をかける。
教えてくれた人
料理家 飛田和緒さん
シンプルで素材の味を生かした家庭的な料理が人気。海辺の街に夫と娘の3人で暮らすライフスタイルも魅力的。近著に『季節を味わう 保存食手帖』(扶桑社)。
料理研究家 小林まさみさん
アイディア満点な家族が喜ぶ家庭料理が好評。アシスタントの義父・まさるさんとのコンビも素敵。『ホットクックのからだが喜ぶレシピ』(世界文化社)など。
料理研究家 上田淳子さん
フランスの星付きレストランやスイスで修業後、料理研究家に。ヨーロッパ料理に定評がある。『上田淳子のチキンスープ』(グラフィック社)など。
料理家 堤人美さん
出版社勤務の後、料理研究家のアシスタントを経て独立。素材の味を引き出し、野菜をおいしく味わう料理が得意。『野菜は温めて食べる!』(新星出版社)など。
撮影/豊田朋子、寺澤太郎、キッチンミノル
※女性セブン2021年7月29・8月5日号
https://josei7.com/
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