全身のゆがみは足から始まる 名医が教える1日3分の「足指ほぐし」で一生歩ける足へ
「2本の足は2人の医者」といわれるほど、「歩く習慣」は健康長寿に欠かせない。だが、年を取るほど、足腰の痛みやトラブルが増え、歩くことを妨げるのも事実だ。その原因のほとんどが「足先」にあることをご存じだろうか。足の専門家が考案した整え術をぜひ実践してほしい。
教えてくれた人
本田洋三さん/鍼灸師・鍼灸整体院リーフ院長
足指1本がひざや腰、背中の痛みにつながる
年を重ねれば、誰でもひざや腰の不調が出てくるもの。人によっては立ち上がったり、少し歩いたりするだけでも痛くてままならないこともある。こうした全身の不調の原因が「足先」にあると話すのは、鍼灸師で鍼灸整体院リーフ院長の本田洋三さんだ。
「足に現れる不調はどれも、いずれ全身の不調を招く予兆かもしれません。例えば、かかとがガサガサしているなら、重心が後ろにかかりすぎていて、足裏をうまく使えていないせいで足の血行不良になっている可能性があります。
親指が上に90度以上曲がるなら、外反母趾(がいはんぼし)や内反小趾(ないはんしょうし)、扁平足(へんぺいそく)になりやすくなっている。足の指を『パー』の形に開けないなら、足裏や足指の筋力不足の証拠。放っておくと、足のアーチのバランスが崩れ、うまく重心を取れなくなって、体のさまざまな部分に負担がかかってしまう」
足裏、足指など、足の先に現れる不調は、ひいては全身の痛みにつながる重大サインなのだ。
足には左右それぞれ骨が28個、関節が33個あり、それらが互いに支え合って、立ったり、歩いたりすることができている。そのどれか1つでも悪くすれば、そこからつながっている体全体がゆがんでバランスが取れなくなり、正しく動かせなくなる。
「若い頃は多少のゆがみは筋肉でカバーできますが、50代以降は筋力が衰え、足だけではうまく体を支えられなくなり、ひざや腰、背中の痛みが現れやすくなるのです」(本田さん・以下同)
50代以上の女性に多い「寝指」
もっとも顕著なのが、足の小指が外側に寝てしまう「寝指(ねゆび)」で、50代以上の女性にもっとも多いという。
「寝指の原因は、遺伝的要因に加え、先の細い靴でつま先を締めつけたり、ヒールの高い靴でつま先重心になったりすることで骨格が崩れ、小指が横に寝てしまうことにあります。
本来なら、足の重心はつま先側に3割、かかと側に7割が理想的。つま先に重心がかかると、重さを支えるために足のアーチが崩れ、いちばん小さく弱い小指が浮くのです」
妊娠中に体の重みを支えるために足の外側に体重がかかりやすいことなども、女性が寝指になりやすい要因の1つだ。重心が偏り、10本の足指のバランスが崩れたまま歩き続けていると、足裏の筋肉もうまく使えなくなり、筋力が衰える。
するとさらに外側重心になり、足の1か所に極端に負担がかかればタコやうおのめができ、足で支えきれない体重を支えるために踏ん張ると、ふくらはぎやすねがむくんだり、ひざや腰、背中が痛くなったり、股関節を痛めたりするのだ。
1日約3分、5種類の「足指ほぐし」で重心を整える
「足の指を開いて、10本すべてで体を支えられるようになれば、これらの症状は改善します。ひざや腰への余計な負担がなくなり、10本の指がしっかり地面につくようになることで歩くときに蹴り出す力がつき、長距離を歩いても疲れにくくなり、筋力もつきます。
足裏の筋力がつけば、余計な踏ん張りが必要なくなるので、すねやふくらはぎが痛くなることもない。そして、自分の手を使って足指をほぐすことで骨と重心を正しい位置に戻し、足底の筋肉を取り戻すことが可能なのです」
そのためには、5種類の「足指ほぐし」を実践してみよう。それぞれ10回を1セットとし、1日2セット、すべて合わせて計約3分を目安に行うことで、足の指を正しく使えるようになり、足裏の筋肉を鍛えられ、重心を正しい位置に戻すことができると、本田さんは言う。
「早く効果を得たいからといって、1日に何度も行ったり、わざと負荷をかけたり、力を入れすぎたりするのはおすすめしません。目安は朝晩1セットずつで、大切なのは回数よりも、毎日続けること。
おすすめは朝、起き抜けに行うこと。まず足を整え、万全な状態で一日を過ごすことができます。2週間も続ければ、効果を実感し始めるでしょう。むくみにくくなったり、足が疲れにくくなったりするところから、効果を感じ始める人が多いです。中には、どんなにもんでも取れなかったふくらはぎの張りが解消したり、長年悩んでいたひざの痛みが消えたという人もいます」
人生100年時代、できれば最期まで、自分の足で歩んでいきたいもの。足指をケアして「一生歩ける足」で歩けば歩くほど、健康寿命はどんどん延ばせるかもしれない。
