人気料理家の「わが家の定番カレー」7レシピ|枝元なほみさん、藤井恵さん…プロのお家カレー

 夏に食べたくなるのはやっぱりカレー! そこで、枝元なほみさん、藤井恵さんほか、7人の人気料理家が自宅でよく作っている「わが家のカレー」を教えてもらった。同じ味はひとつもない、みんなそれぞれ違う家庭の味。毎日食べても飽きないおいしさ。そんなプロのカレーで介護疲れを吹き飛ばそう!

枝元なほみさん|チキンとポークのWカレー

 枝元なほみさんと、枝元さんのもとで7年半アシスタントを務めたみないきぬこさんは、2人共カレーが大好き! そんな2人が一緒に、それぞれのおうちカレーを作るという夢のコラボが実現。

 枝元さんはチキンとポークのWカレーのあいがけ、みないさんは豚ひき肉とえびのWの旨みを生かしたタイ風カレーを調理。「きぬのカレーおいしそ~!」(枝元さん)と、賑やかなカレーパーティーがスタート!

のんびりポークカレー

<材料>(4人分)

豚バラブロック肉…1kg
塩…小さじ1
玉ねぎ…2~3個
トマト…3個 
サラダ油…大さじ3 
カレー粉…大さじ2 1/2 
水…4カップ 
コンソメ(固形)…1個 
ゆで卵…4~6個 
にんにく(すりおろし)…1片 
ガラムマサラ・チリペッパーなど好みのスパイス…各適量 
甘長唐辛子…4~6本 
ご飯…適量
<A>
しょうが(薄切り)…3枚 
黒粒こしょう…7~8粒(または粗びき黒こしょう…適量)
<B>
クミンシード…小さじ1弱 
シナモンスティック…約7cm 
しょうが(千切り)…1/2片 
赤唐辛子…2~3本 
あればマスタードシード…小さじ1/2

<作り方>

【1】豚肉に塩をすり込み、10分ほど置く。鍋に豚肉と豚肉がかぶるくらいの水(分量外)を入れて強火で熱し、沸騰したらアクを取り、<A>を加え、弱めの中火で50~60分ゆでる。
【2】玉ねぎを薄切りにし、600Wの電子レンジで15分加熱する。トマトは乱切りにする。
【3】厚手の鍋にサラダ油と<B>を入れて弱火で熱し、香りが立ったら玉ねぎを入れ、強火から弱めの中火で茶色く色付くまで15分ほど炒める。
【4】カレー粉、塩適量(分量外)、トマトを加えて混ぜる。温まったら水、コンソメを加えて中火で10分ほど煮る
【5】【1】の豚肉を好みの大きさに切って【4】に加え、30~40分煮る。仕上げにゆで卵、にんにく、ガラムマサラなど好みのスパイスを加える。
【6】甘長唐辛子は切り込みを入れ、フライパンで炒める。
【7】器にご飯とカレーを盛り付け、半分に切ったゆで卵と【6】を添える。

せっかちチキンカレー

<材料>(4人分)

鶏もも肉…大1枚(250g) 
玉ねぎ…1/2個 
じゃがいも・トマト…各3個 
エリンギ…2~3本 
サラダ油…大さじ2 
湯…2カップ 
ご飯…適量
<A>
ヨーグルト(プレーン)…2/3カップ 
トマトケチャップ…大さじ2 
カレー粉…大さじ1 1/2 
にんにく・しょうが(共にすりおろし)…各小さじ2
塩…小さじ1 
こしょう…少量
<B>
好みでクミンシード・マスタードシード・赤唐辛子…各適量

<作り方>

【1】鶏肉は大きめのひと口大に切り、ポリ袋に入れ、<A>を加えてもみ込む。
【2】玉ねぎはみじん切りに、じゃがいもとエリンギは食べやすい大きさのひと口大に、トマトは乱切りにする。
【3】フライパンにサラダ油と好みで<B>を入れて熱し、玉ねぎを炒める。【1】を漬け汁ごと入れて2分ほど炒め、じゃがいもとエリンギを加えて2~3分炒める。
【4】トマトを半量入れ、湯を加えてふたをし、15分ほど煮る。残りのトマトを加えて温める。
【5】器にご飯とカレーを盛り付ける。

★POINT

鶏肉に調味液をポリ袋でよくもみ込むのがポイント。

 鶏肉に調味液をポリ袋でよくもみ込むのがポイント。

電子レンジで15分加熱してから炒めると、飴色玉ねぎが早くできる。

 電子レンジで15分加熱してから炒めると、飴色玉ねぎが早くできる。

■おすすめRice:レンチン! ターメリックライス

 ターメリック小さじ2/3、にんにく(すりおろし)小さじ1/3、バター20g、塩少量を600Wの電子レンジで1分ほど加熱して溶かし、温かいご飯5~6杯に加えて混ぜる。好みでレーズンを添えて。

●カレーと一緒に:コマゴマ・ピクルス

 好みの野菜をなんでも漬ける。枝元家の常備菜

<作り方>(作りやすい分量)

【1】米酢3/4カップ、砂糖大さじ4、塩小さじ1 1/2、昆布茶小さじ1/2、好みで粒こしょう・ローリエ各適量を加えてよく混ぜ、砂糖と塩が溶けたら水3/4カップを加える。
【2】きゅうり、パプリカ、玉ねぎ、ズッキーニ、にんじんなど、1cm角に刻んだ好みの野菜1 1/2カップを【1】に加えて混ぜ、冷蔵室で2時間以上置く。冷蔵で約2週間保存可能。

教えてくれた人

枝元なほみさん/ 料理研究家。アイデア溢れる料理が人気で、雑誌やテレビで活躍。近著に『枝元なほみのリアル朝ごはん』(海竜社)など。

撮影/深澤慎平

みないきぬこさん|豚ひき肉とえびのタイ風カレー

<材料>(3~4人分)

豚ひき肉(粗びき)・むきえび…各200g 
玉ねぎ…1/2個 
トマト…1個 
バジル…6~7枚 
赤唐辛子…少量 
卵…2個 
にんにく・しょうが(共にみじん切り)・サラダ油…各小さじ1 
カレー粉…大さじ1 
ご飯・ライム…各適量
<A>
ナムプラー…大さじ1 
オイスターソース…大さじ1/2 
砂糖…小さじ1
パクチー(茎部分のみ。葉はトッピングに使う)…20g
<B>
ココナッツミルク…1/4カップ
ナムプラー・片栗粉…各大さじ1/2
ターメリック…小さじ1/2

<作り方>

【1】えびと玉ねぎは粗みじん切りにする。トマトは1cm角に切り、バジルはトッピング分を残して手でちぎる。赤唐辛子は種を除き、輪切りにする。<A>のパクチーは葉を摘み、茎はみじん切りにする。
【2】ボウルに<B>を入れて混ぜ合わせ、卵を割り入れてよく混ぜる。
【3】フライパンにサラダ油、にんにく、しょうが、赤唐辛子を入れて中火で熱し、香りが立ったら玉ねぎを加えて炒める。しんなりしたら豚ひき肉、カレー粉、トマトを順に加えて炒める。
【4】えびと<A>を入れて炒め、バジルを加える。【2】を回しかけ、半熟になったら軽く混ぜて火を止める。
【5】器にご飯とカレーを盛り付け、パクチーの葉、バジルを添え、くし形切りにしたライムを搾って食べる。

★POINT

豚ひき肉にえびのミンチを加えて、2つの旨みの相乗効果を味わって!

 豚ひき肉にえびのミンチを加えて、2つの旨みの相乗効果を味わって!

■おすすめRice:白米×タイ米のブレンド

 白米とタイ米を半量ずつ混ぜて炊く。タイ米が華やかな香りを添え、白米が入っているので食べやすい!

●カレーと一緒に:紫玉ねぎとピーマンのタイ風マリネ

 ほろ苦い生ピーマンがシャキシャキ

<作り方>(3~4人分)

【1】紫玉ねぎ1個は繊維に沿って薄切りにし、冷水でもみ洗いして水気をしっかり切る。ピーマン2個は千切りにする。ミント少量は手でちぎる。
【2】ボウルで【1】、ナムプラー小さじ2~3、サラダ油小さじ1、ライム汁(またはレモン汁)大さじ1/2、こしょう少量を混ぜ合わせ、10分ほど置いてなじませる。

教えてくれた人

みないきぬこさん/料理研究家。2児の母として家庭的な料理と丁寧な暮らしぶりにファンが多数。著書に『冷たい麺の本』(エイ出版社)など。

撮影/深澤慎平

藤井恵さん|本格バターチキンカレー

 困った時に大助かりの万能カレー

「このカレーはご飯作りを手軽に済ませたいときに作る最近のお気に入りなんです」と藤井恵さん。

 藤井さんのカレーは、鶏肉を調味液に漬けておき、あとは玉ねぎを炒めて一緒に煮込むだけと、とっても簡単。

「鶏肉を漬けた状態で冷凍しておけば、食べたいときにそのままお鍋に入れて煮込んでもOK。肉の旨みもしっかり出て、いつでもすぐに作れますよ」。 

<材料>(2人分)

鶏胸肉(皮なし)…1枚(200g)
玉ねぎ…1/2個 
パクチー・バター…各20g 
生クリーム…大さじ4 
ガラムマサラ…小さじ1
ご飯…適量
<A>
トマトピューレ…200g 
ヨーグルト(プレーン)…大さじ2 
練り白ごま…大さじ1 
しょうが(すりおろし)…小さじ2 
にんにく(すりおろし)・塩・コリアンダーパウダー…各小さじ1 
粗びき黒こしょう…小さじ1/2

<作り方>

【1】鶏胸肉は3~4cmのそぎ切りにする。玉ねぎは薄切りに、パクチーは1cm幅に切る。
【2】ボウルに<A>を入れて混ぜ合わせ、鶏胸肉を加えて漬け込み、冷蔵室で1時間以上置く。
【3】鍋にバターを熱し、玉ねぎを入れて薄く色付くまで炒める。【2】を調味液ごと加え、煮立ったらふたをして弱火で10分ほど煮る。
【4】生クリーム、ガラムマサラ、パクチーはトッピング分を残して加え、全体を混ぜる。
【5】器にご飯とカレーを盛り付け、パクチーを散らす。

★POINT

鶏胸肉は調味液に漬けて最低でも1時間以上置くこと。練り白ごまの濃厚なコクが隠し味に。

 鶏胸肉は調味液に漬けて最低でも1時間以上置くこと。練り白ごまの濃厚なコクが隠し味に。

■おすすめRice:ターメリックライス

 米を同量の水で30分浸し、米2合に対し、ターメリック小さじ1/2、塩小さじ1/4を混ぜ、普通に炊飯器で炊けばできあがり!

●カレーと一緒に:モロッカンサラダ

 藤井家の夏サラダの定番。スプーンでザクザクいただきます

<作り方>(2人分)

【1】紫玉ねぎ1/4個はみじん切りにする。パクチー30gは葉を摘み、茎は小口切りにする。
【2】ボウルに紫玉ねぎ、パクチーの茎、白ワインビネガー大さじ1、クミンパウダー小さじ1/2、塩小さじ1/3、粗びき黒こしょう少量を入れて混ぜ、10分ほど置く。
【3】きゅうり1本、トマト2個、ピーマン・パプリカ各1個は、1cmほどの角切りにする。
【4】【2】に【3】とパクチーの葉をトッピング分を残して加えて混ぜ合わせ、器に盛り、残りのパクチーの葉をのせる。

教えてくれた人

藤井恵さん/料理研究家、管理栄養士。忙しい人でも簡単で作りやすいレシピに定評がある。著書に『藤井恵の腹凹ごはん』(日経BP)など。

撮影/鈴木泰介

上田淳子さん|夏のさらさらスープカレー

 双子の男の子の母親でもある上田淳子さんは、「カレーがあれば百人力!」と笑う。

「男チームはやっぱりルーのカレーが大好き。全量入れずに少し減らして、スパイスやカレー粉、ナムプラーなどで味に深みを出すと、女性でも重たすぎず、さらさらっと食べられるカレーになりますよ」。

<材料>(4人分)

玉ねぎ…1個
トマト…中1個
ズッキーニ…小1本
パプリカ…小1個
ミニトマト…8~10個
オクラ…4本
えび…大8尾(180g)
あさり…250g
クミンシード・塩…各小さじ1/2
サラダ油…大さじ2 
にんにく(すりおろし)・カレー粉・ナムプラー…各小さじ1
しょうが(すりおろし)…大さじ1
水…4カップ
カレールー…50g
ご飯・レモン…各適量

<作り方>

【1】玉ねぎは薄切りに、トマトは粗く刻む。ズッキーニは輪切り、パプリカは食べやすく切る。ミニトマトはヘタを取り、オクラは塩(分量外)で産毛を落とし、ガクを薄くむく。
【2】えびは足を取り、背側の殻にハサミで切り込みを入れ、背わたを取る。あさりは砂抜きをし、殻をこすり合わせて洗う。
【3】鍋にクミンシードとサラダ油大さじ1を中火で熱し、香りが立ったら玉ねぎ、にんにく、半量のしょうがを入れ、弱めの中火で少し色付くまで5~10分炒める。トマトを入れて軽く炒め、カレー粉を加えて混ぜたら、水を加えて煮立てる。煮立ったら弱火で10分ほど煮る。
【4】フライパンにサラダ油大さじ1を強めの中火で熱し、えびを入れて両面をこんがり焼き付け、【3】に入れる。同じフライパンでズッキーニ、パプリカ、ミニトマト、オクラを焼き付け、塩少量(分量外)で味付けし、【3】に入れる。
【5】【3】にあさりと残りのしょうがを入れ、強めの中火にかける。あさりの口が開いたら一度火を止め、カレールーを加える。溶けたら全体を混ぜ、再度火にかけて煮立て、ナムプラー、塩で味を調える。
【6】器にご飯とカレーを盛り付け、くし形切りにしたレモンを搾って食べる。

★POINT

 えびは殻ごと焼き付けて鍋に加える。フライパンにえびの旨みが残っているので、野菜もそのまま焼く。

■翌朝はそうめんで

肉を使わず油が固まらないため、冷蔵庫で保存して、冷たいまま食べられる。翌日は冷やして、そうめんのつけ汁にすると最高!

 肉を使わず油が固まらないため、冷蔵庫で保存して、冷たいまま食べられる。翌日は冷やして、そうめんのつけ汁にすると最高!

■おすすめRice:白米

 市販のルーを使ったカレーは親しみやすい味。やっぱり白米が相性抜群で間違いなし!

●カレーと一緒に:キャベツのマヨなしコールスロー

マヨネーズやオイルは使わずにクミンと甘酢でさっぱりと

<作り方>(2人分)

【1】キャベツ300gは5mm幅の細切りにし、塩小さじ1を振ってもみ、10分ほど置く。
【2】【1】をサッと水洗いし、きつく絞ってボウルに入れる。クミンシード小さじ1弱、酢大さじ1、砂糖大さじ1/2を加え、全体を混ぜて10分以上置く。

教えてくれた人

上田淳子さん/料理研究家。スイスやフランスで料理修業を積む。著書に『おかずチャートで迷わない!即決!晩ごはん』(学研プラス)など。

撮影/菅井淳子

渡辺玲さん|手羽元のスパイストマトカレー

 25才のときインドに渡り、本場カレーの虜になった渡辺玲さん。スパイスを使うカレーは難しそうに感じるが、使い方を覚えてしまえば簡単と話す。

「インドは日本のようにだしをとらない代わりに、スパイスと素材を組み合わせて旨みを引き出します。スパイスは大きく分けてシード(粒)とパウダー(粉)の2つ。シードは最初に油で炒めて香りを出して、パウダーはカレーのベースができてから最後に加える。あとは左の表を参考に、好みでブレンドすればOK!」。

<材料>(4人分)

手羽元…8本(500g) 
玉ねぎ・ピーマン…各1個 
トマト…2個 
サラダ油…大さじ3
クミンシード・ガラムマサラ…各小さじ1 
にんにく・しょうが(共にすりおろし)…各1片 
塩…小さじ2 
水…2カップ 
パクチー・ご飯…各適量
<A>
コリアンダーパウダー…小さじ2 
カイエンペッパー・クミンパウダー…各小さじ1 
ターメリック…小さじ1/4

<作り方>

【1】玉ねぎは薄切りに、ピーマンは乱切りに、トマトはくし形切りにする。
【2】厚手の鍋にサラダ油を中火で熱し、クミンシードを入れる。香りが立ったら玉ねぎを入れ、強めの中火で黄金色になるまで炒める。
【3】弱火にして、にんにく、しょうが、ピーマン、トマトを加え、強めの中火にして混ぜる。沸騰したら中火にして1分ほど煮てから弱火にし、<A>と塩を加える。水1カップを注いで強めの中火にし、沸騰したら中火にして1分ほど煮込む。
【4】手羽元を加え、強めの中火で混ぜながら沸騰したら1分ほど煮込み、手羽元の表面が白くなったら水1カップを加える。ふたをして、時々混ぜながら弱めの中火で20分ほど煮込む。手羽元が軟らかくなったら、ガラムマサラを加える。
【5】器にご飯とカレーを盛り付け、刻んだパクチーを散らす。

■おすすめRice:ターメリックバターライス

 米2合に対して、塩小さじ1、ターメリック小さじ1/2 、バター10gを加え、通常の水加減で炊く。

●カレーと一緒に:なすとパプリカのスパイス炒め

 スパイシーな夏野菜はおかわり必至のおいしさ

<作り方>(4人分)

【1】なす4本はひと口大に、トマト1/2個は粗みじん切りに、パプリカ(赤と黄)各1/4個は乱切りにする。
【2】フライパンにサラダ油大さじ2を中火で熱し、クミンシード小さじ1を入れ、香りが立ったらなすとトマトを入れて炒める。
【3】なすがしんなりしたら弱火にし、コリアンダーパウダー・塩各小さじ1、カイエンペッパー・クミンパウダー・ガラムマサラ各小さじ1/2、ターメリック小さじ1/4を加えて混ぜる。
【4】中火で軽く炒め、パプリカを加える。水大さじ2を加えて全体を混ぜ、ふたをして2分ほど蒸す。

■スパイスデビューはこの5つから!

【1】クミンシード

 強い芳香でカレーに必須。汎用性の高いシードがおすすめ。サラダにも◎。

【2】カイエンペッパー(チリペッパー)

 いわゆる赤唐辛子の粉末。唐辛子特有の辛味と香りを加える。

【3】ターメリック(ウコン)

 香りと色付けに加え、防腐・殺菌効果も。入れすぎると粉っぽくなるので注意。

【4】コリアンダーパウダー

 パクチーの種の粉末。味に深みが増し、重厚感が出る。裏方的なスパイス。

【5】ガラムマサラ

 様々なスパイスを混ぜたミックススパイス。仕上げに加えると深みが出て味がまとまり、一気に本格的になる。

★スパイスを使う時のPOINT

シードを加熱している写真

 シードは加熱しないと香りが立たないので、最初に油で焦げないようサッと炒める。

パウダーは仕上げに投入する

 パウダーは仕上げに投入。しっかり火を通さないと粉っぽくなるので注意して。

教えてくれた人

渡辺玲さん/『サザンスパイス』主宰。インドで本場の味を追究したスパイスの第一人者。著書に『カレー&スパイス伝道師がおしえる 四季の食材でつくるスパイスカレー入門』(standards)。

撮影/菅井淳子

堤人美さん|豆とオクラのサンバル

 素材の味をシンプルに生かした料理が得意な堤人美さんのカレーは、豆と野菜を使った体が疲れない優しい一皿。

「夏に野菜をたっぷり食べたいなと思ったときによく作ります。“サンバル”とは南インドの豆と野菜の煮込み料理のこと。豆とトマトの旨みがしっかり利いているので、野菜だけでも満足感があり、重くないのでサラッと食べられます」。

<材料>(3~4人分)

オクラ…16本
紫玉ねぎ…1個
トマト…大2個 
緑豆(皮をむいたもの。またはレンズ豆)…80g 
ローリエ…3枚 
菜種油(またはサラダ油)…大さじ2 
梅干し(塩分16%程度)…1個 
塩…小さじ1/2
ご飯・ミント・ライム…各適量
<A>
赤唐辛子…2本 
クミンシード・マスタードシード…各小さじ2
<B>
ターメリック…大さじ1 
ガラムマサラ…小さじ2

<作り方>

【1】オクラは塩(分量外)で産毛を落とし、ガクを薄くむき斜め半分に切る。紫玉ねぎは繊維を断つ薄切りに、トマトはざく切りにする。
【2】緑豆はさっと洗って鍋に入れ、ひたひたの水(分量外)とローリエを加えてゆでる。沸騰したら弱めの中火にし、水を足しながら豆が軟らかくなるまで20分ほど煮て、豆とゆで汁に分ける。
【3】鍋に菜種油を強めの中火で熱し、<A>を炒める。香りが立ったら紫玉ねぎを加え、水分を飛ばしながら5分ほど炒める。
【4】【3】に<B>を加え、粉っぽさがなくなるまで炒めたら、トマトを加えて3分ほど炒める。
【5】【2】の豆とゆで汁2カップを加え、10分ほど煮たらオクラを加えてさっと煮る。潰した梅干しを加え、塩で味を調える。
【6】器にご飯とカレーを盛り付け、ミントを添え、ライムを搾る。

★POINT

豆はドロッとするまで煮る。皮なしの豆なら20分ほどでトロトロに。

 豆はドロッとするまで煮る。皮なしの豆なら20分ほどでトロトロに。

インドで酸味付けに使う「タマリンド」の代わりに梅干しで酸味を。

 インドで酸味付けに使う「タマリンド」の代わりに梅干しで酸味を。

■おすすめRice:ジャスミンライス

 香りの華やかなジャスミンライスを鍋で炊いて、ライムやミントを添える。

●カレーと一緒に:ゴーヤーと紫玉ねぎのライタ

 シャキシャキしたゴーヤーを カレーに混ぜながら食べると最高

<作り方>(2人分)

【1】ゴーヤー1/2本(80g)は種とわたを除いて薄切りに、紫玉ねぎ1/4個は粗みじん切りにする。
【2】ボウルに水1 1/2カップ、塩小さじ1/2を入れてよく溶かし、【1】を入れて10分ほどさらしたら、水気を切ってきつく絞る。
【3】ボウルにヨーグルト(プレーン)1カップ、クミンシード小さじ1/2、塩小さじ1/4、しょうが(すりおろし)1/2片を入れて混ぜ、【2】を加えて混ぜ合わせる。

教えてくれた人

堤人美さん/料理家。素材の組み合わせや味付けにセンスが光るレシピに定評がある。近著に『いつも卵があるといい 朝も昼も、夜も。』(グラフィック社)など。

撮影/玉井幹郎

なかしましほさん|しょうがたっぷりキーマカレー

 身近な材料を使って作る“ごはんのようなおやつ”が人気のなかしましほさん。ごはんのレシピも評判で、特にキーマカレーは大人気。

「大好きなにんじんジュースを入れたら野菜の甘みが加わってよりおいしくなり、10年以上前からわが家の定番になりました。しょうがも大好きで3片たっぷり入れています。もっと入れてもいいくらい!」。

<材料>(3人分)

豚ひき肉…200g 
しょうが…3片 
玉ねぎ …1/2個 
サラダ油・トマトケチャップ…各大さじ2 
赤唐辛子…1/2本 
カレー粉…大さじ1 1/2 
にんじんジュース…1カップ(なければにんじんのすりおろし・水…各1/2カップでもOK) 
塩…小さじ1/3
ゆで卵・ご飯…各適量

<作り方>

【1】しょうがは2片をみじん切りに、1片はすりおろす。玉ねぎはみじん切りにする。
【2】フライパンにサラダ油を熱し、しょうがのみじん切り、玉ねぎ、種を除いた赤唐辛子を入れ、強めの中火で薄茶色に色付くまで10分ほど炒める。
【3】豚ひき肉を加えポロポロになるまで炒め、カレー粉を加えて全体になじませる。
【4】トマトケチャップ、しょうがのすりおろし、にんじんジュース、塩を加え、時々混ぜながら5分ほど煮詰める。必要なら塩(分量外)を足して味を調える。
【5】器にご飯とカレーを盛り付け、ゆで卵を添える。

★POINT

他の野菜や果物がブレンドされていないピュアなにんじんジュースで作るのがポイント。なければ、にんじんのすりおろしと水を1:1で代用できる。

 他の野菜や果物がブレンドされていないピュアなにんじんジュースで作るのがポイント。なければ、にんじんのすりおろしと水を1:1で代用できる。

■おすすめRice:白米

 正統派キーマカレーには、ホカホカの白米がベストパートナー!

●カレーと一緒に:切り干し大根のアラビアータ

 ポリポリとした食感で福神漬け代わりに。作りおきすればご飯のお供にも

<作り方>(3人分)

【1】切り干し大根(または割り干し)1袋(約30g)は、水に10~15分浸けて硬めに戻し、長ければ食べや
【2】鍋にトマト水煮缶1缶を潰し入れ、【1】、潰したにんにく1片、種を除いた赤唐辛子1本、オリーブオイル・しょうゆ各大さじ1を入れ、中火にかける。水分がしっかり飛ぶまで煮詰め、塩・粗びき黒こしょう各少量で味を調える。
【3】器に盛り、オリーブオイル適量を回しかけ、好みでチャービル適量を添え、粗びき黒こしょう少量を振る。

教えてくれた人

なかしましほさん/料理家。東京・国立にあるおやつの店『foodmood』店主。著書に『みんなのおやつ』(東京糸井重里事務所)など。お菓子の販売はHPを参照。https://foodmood.jp/

撮影/豊田朋子

※女性セブン2020年8月20日・27日号
https://josei7.com/

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