猫が母になつきません 第482話「まんきつする」
ずっと一緒にいたぐれがある日急にいなくなったら、隊長はどうするだろう? きっとあちこち探し回ったり、鳴いて呼び続けたり…というのはやはり人間の月並みな想像で、実際にはいままでぐれに独占されるか半分こにしていたわたしの膝の上を独り占めにして、思いっきり甘えられる時間を待っていたかのように満喫する隊長。甘えたくて甘えたくてどうしていいかわからないっというくらいの勢いでぐいぐい体をすり寄せてくる。落ち着け落ち着けと両腕の中に抱っこすると脇の下に頭を突っ込んでじーっとしている。隊長はメスなのでとても慎重で用心深く、これまでは抱っこしてもぐれが一緒でないと怖くなるのかすぐに降りてしまうようなところがあったのですが、今はどんどん自分から膝の上に乗ってきて、いつまで経っても降りません。
先住猫のさびは別格として、ぐれがいなくなってさみしいというよりも、のびのびしている隊長をみていると、なんだかわかるなーという気がします。最初のころ隊長はあきらかにぐれを守るという役割を背負っていて、ひとりでベランダに現れ、私がごはんを出すまで待っていました。小さいのでカラスに狙われるのではと心配で、すだれをかけて見えないようにしました。ぐれはいつもどこかに隠れていて、ごはんが出たら隊長が鳴いてその声で姿を現していました。母猫に弟を守るよう言われたのか、自分で守らなくてはと思ったのか…家族というのはやっかいなものです。
今、ぐれに代わって隊長がさびへの鼻チュートライをしています。相変わらず「しゃーーーっ」はされていますが、ぐれのときよりもあたりは優しいような…隊長も避妊手術を終えて旅立ちの準備は万端なのですが、まだその時を決めかねています。
作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母と暮らすため地元に帰る。ゴミ屋敷を片付け、野良の母猫に託された猫二匹(わび♀、さび♀)も一緒に暮らしていたが、帰って12年目に母が亡くなる。猫も今はさびだけ。実家を売却後60年近く前に建てられた海が見える平屋に引越し、草ボーボーの庭を楽園に変えようと奮闘中(←賃貸なので制限あり)。
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