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介護施設訪問レポート|コレが決め手!入居者が語る施設選びのポイント

 希望にピッタリあった介護施設を探すのに欠かせない情報収集。ホームページやパンフレット、見学会など情報を得る方法はたくさんあるが、「入居してほしいのでいいことばかり言っているのではないか」などの不安は尽きない。

 そこで頼りになるのが、実際に入居している知人からの口コミ情報だ。実際、評判のいい介護施設は入居の募集を出す前に紹介で決まることも多いという。

 高齢者施設を取材する中で、入居者から聞いた住心地や入居の決め手など生の声を紹介する。施設選びのポイントが見つかるかもしれない。

* * *

20年探してたどり着いた湘南の住まいは「ライフ&シニアハウス湘南辻堂」

 湘南の海に程近い神奈川・辻堂の街に、2018年3月に誕生したのが「ライフ&シニアハウス湘南辻堂」。近隣には「テラスモール湘南」などの商業施設、公共機関、医療施設も充実しているので住みやすさは折り紙付きだ。

 2018年の6月から、自立型の「ライフハウス」へ入居している高杉蓉子さんは現在80歳。なんと20年前から終の棲家探しを始めたのだそう。高杉さんの入居先選びのポイントは、自立した生活ができることと周囲の人との関わり方とのバランスだったという。

「高齢者向けの施設を探し始めた60歳のころは、まだ気楽な気持ちで…。75歳までには決めようと思っていましたので、70歳を過ぎたくらいからは、本腰を入れるようになりました。気になる施設には実際に足を運んで、中を見学したり、お昼ご飯をいただいたり。自分に近い年齢の入居者方がいらっしゃると、参考になる話を直接伺う機会が持てるんです。遊び半分と言うと語弊がありますが、あまり真剣になってしまってから選ぶと視野が狭くなって、見えるものも見えなくなってしまいます」(高杉さん 以下「」は同)

 高杉さんが入居を決めた理由の1つは、「ライフ&シニアハウス湘南辻堂」が公益社団法人「全国有料老人ホーム協会」に登録しているということだ。会社が倒産した場合に入居者を保護する「入居者生活保証制度」もあり、いい加減な運営はしないだろうという安心感があったという。また、寝たきりや認知症になったときや、看取りにも責任を持って対応をしてくれることへも魅力を感じたのだそう。

 数多くの施設を見てきた高杉さん。施設探しをしていたときに、気になる施設に時間をあけて2回訪れてみたことがあったそうだ。

「1回目の見学では気づかなかったことが見えてきたりします。施設長が交代していて、雰囲気が良くなっていたこともありました。何より、自分の体が動くうちに、自分の目で見て探しておきたいという気持ちが強かったです。自分で選んだところであれば、もし合わなかったとしても、自分の責任として捉えられます。そういう人生でありたいと思っていました」

 そんな高杉さんが、入居直前に気がついたことがあるのだという。

「これまでは、あまり考えたことがありませんでしたが、社会とかけ離れた場所にはいたくないなと思ったんです。でも、『ライフ&シニアハウス湘南辻堂』には、社会とつながる仕組みがあるんです」

 ライフ&シニアハウス湘南辻堂は小規模多機能型居宅介護(※1)「辻堂倶楽部」を1階に併設し、在宅介護サービスにも取り組んでいる。多世代に渡って地域との交流をはかり、みんなが参加しあえるハウス作りを目指しているという。

※1:小規模多機能型居宅介護とは、日帰りの施設への通いを中心に、通所(デイサービス)、「泊まり」(ショートステイ)、「訪問」の3つのサービスを組み合わせて利用すること。地域密着型のサービス。

 行動派の高杉さんは、施設の中に籠もりっきりになるのではなく、社会との接点を持ち続けたいという思いを強く持っている。近隣に今後できるマンションや一軒家の住民、特に若い人や子どもとも自然な形で話ができることを楽しみにしているそうだ。

入居ポイントまとめ

●自立した生活が可能
●周囲の人とのかかわりのバランス
●「全国有料老人ホーム協会」に登録している
●責任をもった看取りの対応

→小規模多機能型介護が併設 自立期に入居し要介護の将来を見据えて暮らせる住まい<前編>
→入居者に施設選びの決め手を直撃!20年探してたどり着いた湘南の住まい<後編>

海と緑に囲まれながら充実した共用部で趣味を楽しめる「油壺エデンの園」

 三浦半島の南、相模湾に連なる諸磯湾に面する油壺。穏やかな海にはヨットハーバーがあり、イルカショーを楽しめる油壺マリンパークも近い。また、散策路が整備されていて、自然を楽しめる小網代の森など緑も豊かな地だ。「油壺エデンの園」は、この海と緑に囲まれる恵まれたロケーションにある。

 油壺エデンの園は、居室棟は全8棟、424室(一般居室・個室379室、介護居室・個室45室)、定員550名の大規模な施設だ。その規模を活かし、多彩な共用部が入居者のために用意されている。食堂と大浴場は2か所にあり、売店、銀行ATM、美容室、リラクゼーションルームなど健やかな暮らしにかかせない共用施設や、喫茶、クラブ室、プレイルーム、菜園などの余暇や趣味を楽しめる場所も充実している。

 なかなか他所では真似のできない多彩で充実した共用施設を持つ油壺エデンの園。園長の笹ヶ瀬慶造さんによると、サークルが30以上あり、活発な活動が行われているという。

 この日は木彫クラブと切り紙クラブに所属している入居者それぞれに話を聞くことができた。二人とも入居後に挑戦し、趣味にしたそうだ。木彫クラブの男性は、「現役時代は趣味に使う時間がなかったが、入居後、近くの高齢者向けの木彫教室に通ったのがきっかけで始めもう20年ほどなります。干支を毎年作り、友人にプレゼントしたりもします」と話す。

 切り紙クラブの女性は、切り紙と編み物が趣味。この日は切り紙をしながら、同じクラブの女性に編み物を教えていた。クリスマスカードなど季節のものや誕生日カードを作り、友人に送っているという。二人とも、本格的に趣味を楽しんでいる様子。笑顔で快く作品を見せてくれた。

 高台に建つ園からの眺望と圧倒的な絶景と規模を活かし充実した共用部分が特長の「油壺エデンの園」は、NHKの番組で紹介されたことも。元気なうちから移り住んで、新たな趣味を楽しむなど人生を謳歌できる環境が整っている。介護が必要になる前に終の棲家を探し移り住む――。シニアのライフスタイルの新しいかたちなのかもしれない。

入居ポイントまとめ

●多彩な共有部分
●活発なサークル活動

→海と太陽と富士山と!自然の中でシニアライフが送れる介護付有料老人ホーム<前編>
→元気な人も入居後介護が必要になった人も安全・安心!海のそばで暮らせる介護付有料老人ホーム<後編>

健康寿命をのばすためのホスピタリティに定評のある「アンリ茅ヶ崎」

 湘南の海にほど近い茅ヶ崎で「健康寿命をのばす」をテーマに掲げて運営している「アンリ茅ヶ崎」。白を基調とする外観のデザインは、南フランスのコート・ダジュールをイメージしたものだという。

1.つねに紳士・淑女の気持ちで、ご入居の方々に敬意をもって接します。
2.家族のように分け隔てなく、心のこもったサービスを行います。
3.ご入居の方の健康を最優先に、きめ細やかにサポートします。
4.おひとりお1人の意志を尊重し、パーソナルな対応を心がけます。
5.ご入居の方の目線で考え、求められていることに迅速に対処します。
6.さらなるサービスの向上を目指し、たゆまぬ努力を続けます。

 これは「『アンリ茅ヶ崎』スタッフの誓いと約束」だ。これを基にした入居者へのホスピタリティが、アクティビティや行事、そして入居者の希望を叶える取り組み「ドリームプラン」に表れている。

「フラダンスやスマートフォンの使い方講習会をご入居者様のリクエストで開催しました。また、ご入居者様の個別の希望を叶える『ドリームプラン』というものがあります。お一人おひとりのご希望に合わせて、付き添いのための料金をいただいて実施しています。例えば、お孫さんの結婚式、ご家族とディズニーランド、東京で開催された演奏会などにご一緒し、とても喜んでいただきました。他に、外食ツアーをしてほしいという要望も多いですね。希望を募って、20~30名ほどで定期的に行っています。お寿司屋さんやフランス料理、ホテルの和食のお店にも行きましたが、気分も変わるようで好評です」(アンリ茅ヶ崎施設長の鈴木昌和さん 以下「」は鈴木さん)

 今回は「アンリ茅ヶ崎」にお住まいの藁品シカさんに話をお聞きすることができた。

「ここの生活はいいですね。スタッフの方も親切で、とてもよくしてくれるので、幸せに過ごしています。ここで行われる行事などには、一緒に行きましょうとみんなを誘って全部出席しています。新しく入居して来た方は不安で寂しいと思うので、最初に話しかけます。簡単なものですが、朝食は自分で作って、お昼と夜はこちらの食事をいただいています。私は持病があるので、料理長さんと管理栄養士さんにみていただいて、食べてもいいものをチェックしてもらっています。午前中に30分、午後に30分廊下を歩くようにして、健康に気を配っています。運動が薬ですね。規則正しく生活できることと、自由なところがいいですね。我慢するようなこともないので長生きできそうです」(藁品さん)

 自分はおしゃべりで、人と関わるのが好きだという藁品さん。色々な人が訪ねてくるので、昼寝をする暇もないと笑う。新たな環境で入居者やスタッフとの交流を楽しんでいる藁品さんは、友人に頼まれてパンフレットを送ったり、実際の住心地について教えているという。

入居ポイントまとめ

●入居者への親身な対応
●スタッフとの活発な交流
●健康管理への配慮

→ウォーキングプールで介護予防!リハビリに力を入れている介護付有料老人ホーム<前編>
→一人ひとりの要望を叶えるホスピタリティを重視する介護付有料老人ホーム<後編>

 利用者側からの視点があふれている入居者の話。もし、介護施設に入居している友人、知人がいたら、実際の住心地や入居の決め手を聞いてみてはいかがだろうか。利用者側からの視点は、施設選びの大きなヒントになりそうだ。

撮影/津野貴生

※施設のご選択の際には、できるだけ事前に施設を見学し、担当者から直接お話を聞くなどなさったうえ、あくまでご自身の判断でお選びください。
※過去の記事を元に再構成しています。サービス内容等が変わっていることもありますので、詳細については各施設にお問合せください。

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