複合施設の中にある注目カテゴリー・都市型軽費老人ホーム<後編>
介護付有料老人ホームや特別養護老人ホームの場合は、決まった時間にレクリエーションがある場合が多いが、そういったものは基本的にはない。あくまでも住居であり、いつ何をするのかは自由だ。こういった基本的な情報を押さえたうえで、入居先を選びたい。
高齢者向け施設の正しい選び方とは?
初めて介護に直面すると、心に余裕がなく、どうやって施設を選べばよいのか分からずに困ってしまうことがある。介護の専門家である皆さんにその辺りのことを聞いてみた。
介護長の佐藤さんは「いろいろな形態の施設があるので、電話をして聞いてしまうのもいいと思います。電話をしてもらえると、こちらからも『どういう状態ですか?』と聞くことができます。そうすると、どういう施設があっているのかが具体的に見えてきます。また、自分で調べるよりも、ケアマネジャーさんや地域包括ケアセンターなどに聞いてしまった方が早いかもしれません」とアドバイスをくれた。
事務長の大河原慶さんは、「入居前に確認するといいのは、何ができるかだけではなく、何ができないか。これを確認しないとトラブルの元になりやすいです。病院と老人ホームの違い、ましてや老人ホームの違いは分かりにくい。入居したら何でもかんでもやってもらえると思うと齟齬が出るかもしれない。治療、お風呂の介助…など施設の種類によって、制度上できることとできないことがあります」と経験に基づいて教えてくれた。
実際、どのようなタイミングで介護施設を探し始め、入居するのか、そのタイミングに迷っている人も多い。
大河原さんは「一つでも心配なことがあったら、相談した方がいいです。それが入り口になります。都市型軽費老人ホームなのか、介護付有料老人ホームなのか、在宅でも大丈夫なのか。心配だったら、すぐに専門家に聞くことをオススメします」と語る。また、事務長代行の古澤友恵さんも「一人で抱え込まないことが重要」だとのこと。
入居後に「えっ、それはできないの?」とならないように、「できること」だけではなく「できないこと」は必ず確認しておきたい。入居時点ではまだ自分でできることが多く、あまり気にしないことも、介護度が進んでいくにつれ、最初の認識とのずれが出てくる。高齢者施設での“いざという時”は、命にもかかわる場合もある。朔望会グループは、東京・板橋で医療・介護のニーズをほぼカバーしている。職員も親切にアドバイスをしてくれるので、ぜひ気軽に相談してほしい。
【データ】
施設名:ブルーポピー
公式WEBサイト:http://www.tshnet.or.jp/bluepoppy/bluepoppy-urbantype/
所在地:東京都板橋区大門8-1
最寄駅:都営三田線「新高島平駅」より徒歩10分
類型:都市型軽費老人ホーム
運営主体:社会福祉法人「四葉晃耀会」
敷地面積:2296.96平方メートル
延床面積:629.78平方メートル
室数:20室
入居要件:自立または要支援および要介護認定者
構造:鉄筋造、地上4階建
開設年月日:2016年6月1日
料金:月額利用料:約11万8510~25万1610円
月額利用料内訳は、サービス提供費1万~14万3100円、生活費4万4810円、居住費(家賃相当分)5万3700円、光熱水費(入居者専用部分)1万円
※東京都からの補助額は、前年の収入、必要経費(税金、医療、保険料等)で決まる。
撮影/津野貴生
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