話題の《おこめ券》誰がもらえる?どこで使える?金額は?米高騰による支援策の疑問をFPが解説
「おこめ券」もらえるならぜひ欲しい――。物価が高騰し、米の値段も依然として高いまま。高齢者や介護中の食卓にもじわじわと影響を及ぼしている。そんな中、物価高騰の支援策の一つである「おこめ券」が世間を賑わせている。注目のおこめ券について、FPで行政書士の河村修一さんに解説してもらった。
この記事を執筆した専門家
河村修一さん/ファイナンシャルプランナー・行政書士
内外資系の生命保険会社を経て、2011年に母の介護経験をもとに介護者専門FPとして独立。その後、2018年にカワムラ行政書士事務所を開業。介護や相続、親の介護をめぐる家族会議支援など、将来に備えるサポートを幅広く行う。
物価高騰支援「おこめ券」配布の真相
「おこめ券」とは、主にお米やお米関連商品と交換できるギフト券のことです。物価高騰支援策として、すでに配布が開始されている自治体もあります。
昨年の農林水産大臣の記者会見によると、物価高騰の支援策(重点支援地方交付金活用事業)として「国民1人当たり約3,000円相当」の財源が確保されていると説明されました。
この財源の使い道や対象、条件などについては、各自治体の判断に委ねられています。ご自身がお住まいの自治体がどうような対策をしているかは、各自治体のホームページで「物価高騰対策」を確認してみましょう。
※農林水産省「農林水産大臣記者会見概要」令和7年11月25日
https://www.maff.go.jp/j/press-conf/251125.html
実例【1】東京・墨田区・東大和市「おこめ券」配布
自治体によって生活支援策の内容は異なりますが、東京都では、おこめ券を活用した支援策が示されている例があります。
その一例として、墨田区や東大和市では、おこめ券や電子ギフトなどを活用した支援策が示されています。
たとえば墨田区では、基準日(令和7年12月10日)時点で住民登録のあるすべての世帯を対象に、おこめ券22枚(9,680円分)を選択肢の一つとする内容が公表されています。
また、東京都東大和市では、世帯主に対して、世帯の構成員1人あたり7,000円相当の電子ギフト、または1人あたりおこめ券14枚のいずれかを、世帯単位で選択できる内容が示されています。
※墨田区「区内の全世帯へ商品券等を配布します(区民生活応援事業)」
https://www.city.sumida.lg.jp/kenko_fukushi/tiikihukusi_sonota/tokubetu-kyuuhukin/syouhinkennado.html
※東京都東大和市 「電子ギフト(一人7,000円相当)又はおこめ券(一人14枚)の給付事務を進めています」
https://www.city.higashiyamato.lg.jp/shisei/torikumi/1011801.html
実例【2】山口・防府市「おこめ券・商品券」配布
全国に目を向けてみると、山口県防府市では今回の重点支援地方交付金を活用し、「おこめ券」と「商品券」を配布するとしています。
対象者は、令和8年1月1日時点で住民基本台帳に登録されている全市民で、世帯ごとに送付されます。配布額は、市民一人当たりおこめ券3,080円分(440円券×7枚)とされており、このほかに市の判断で商品券を組み合わせた支援も行われています。
令和8年1月下旬から2月上旬にかけて受け取り意向確認書を送付し、希望しない場合は返信する仕組みです。発送は令和8年3月から開始され、使用期限は令和8年9月30日までとされています。
※防府市「全市民に『おこめ券』及び『商品券』を配布します」
https://www.city.hofu.yamaguchi.jp/soshiki/3/okomesyouhin.html
「おこめ券」とはどんなもの?
改めて「おこめ券」がどんなものなのか、確認していきましょう。
現在、おこめ券を発行している団体は、【1】全国米穀販売事業共済協同組合(全米販)と、【2】全国農業協同組合連合会(JA全農)の2団体があります。
全米販が発行しているのは「全国共通おこめ券」、JA全農が発行しているのは「おこめギフト券」という名称で、1枚440円でスーパーや百貨店、お米屋さんなどで購入することができます。
おこめ券は2種類
・全米販/全国共通おこめ券(国の重点支援地方交付金活用事業対象)…有効期限あり
既存の全国共通おこめ券…有効期限なし
・JA全農/おこめギフト券(国の重点支援地方交付金活用事業対象)…有効期限あり
既存のおこめギフト券…有効期限なし
※全国米穀販売事業共済協同組合(全米販)https://www.zenbeihan.com
※全国農業協同組合連合会(JA全農)「おこめギフト券に関して」https://www.zennoh.or.jp/information/komegift/
国の重点支援地方交付金活用事業を活用しておこめ券を配布する場合、全米販のものか、JA全農のものか、自治体によって異なります。
自治体から配布される「おこめ券」の注意点
全米販の「全国共通おこめ券」、JA全農の「おこめギフト券」も、どちらも国の重点支援地方交付金活用事業で発行されるものは、「期限付き」となっており、有効期限が設定されています(2026年9月30日まで)。期限を過ぎると、商品との交換(使用)ができなくなるので注意が必要です。
期限付きのおこめ券は1枚あたり440円分として、スーパーやドラッグストア、全国の米販売店などで利用できますが、転売は禁止されており、あくまで生活支援を目的として使用するものとされています。
※全国農業協同組合連合会(JA全農)「全国共通おこめギフト券の臨時発行に係る取扱いについて」
https://www.zennoh.or.jp/press/release/2025/107634.html
お米以外のものも購入できる?
期限付きおこめ券は、お米やお米関連商品の購入を目的とした券ですが、具体的に利用できる商品は、おこめ券を取り扱っている店舗によって異なる場合があります。そのため、実際に利用する際は、事前にお店で確認しておくと安心です。
また、期限付きおこめ券を使って買い物をした際に、お釣りがもらえるかどうかも注意点の一つです。おこめ券は金券なので、利用時にお釣りは出ません。そのため1枚440円以上の買い物に使用したほうがいいでしょう。
期限付きおこめ券を誤って破損してしまった場合、裏面に記載された番号が確認でき、全体の3分の2以上が残っていれば、使用可能とされています。破損したからといってすぐに処分せず、状態を確認しましょう。
※参考/全米販「消費者様 よくあるご質問」
https://www.zenbeihan.com/assets/img/about_ticket/faq03.pdf
注目の「おこめ券」【まとめ】
おこめ券は、お米やお米関連商品の購入に使えるギフト券です。国の重点支援地方交付金を活用した食料品価格高騰対策では、一人当たり約3,000円相当の支援となる規模の財源が確保されています。
ただし、国が一律におこめ券を配ると決めているわけではありません。おこめ券を使うかどうかを含め、支援の具体的な内容は自治体ごとに判断されています。お住まいの自治体で、どのような支援が行われているか確認してみましょう。
