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介護に対する不安は圧倒的1位が「金銭面」2位が「心理的な負担」介護に関する知識不足を実感する声も<実態調査>

 ニュースなどで「介護」という言葉を聞かない日はないぐらい、今では身近な問題として多くの人にとらえられている。しかし、実際に介護に関する制度の内容、介護にかかる費用など、深く理解するのは難しい印象がある。「『介護』に関する意識調査」から判明した実態をレポートする。

介護経験はなくても、介護に対する意識はある

 終活に関する悩みに寄り添う情報発信をし、終活に関する認定資格やセミナーを行う一般社団法人 終活協議会/想いコーポレーショングループが、「介護」に関する意識調査を実施した。介護経験の有無、介護に関して不安に思うことなど、リアルな声が集まった。

「介護」という言葉は身近だが、実際に介護経験があるのは4割にとどまる

「介護」という言葉の認知度を問う質問に対して「よく知っている」「ある程度知っている」と答えた人は合わせて82.3%で、言葉に関して認知度はかなり浸透している印象だ。一方で「聞いたことはある」「知らない」と答えた人は約18%で、介護への関心が薄い層もある程度いることがわかる。

 家族に対する介護経験の有無について、「現在している」12.1%「過去にある」26.9%と40%近い人が介護経験がある。全く経験がない人は54%と半数を超え、将来的に介護当事者となる層の方が多い結果となった。ただ、介護未経験者もいずれ介護にかかわることがあることを認識しており、将来的に介護する可能性について「あると思う」と答えた人は71.3%にものぼった。「わからない」と回答した人は19.7%とそこそこ多く、家族の介護についての未来が明確に思い描けていない人も少なくないことがわかる。

 多くの人が自分ごととしてとらえ始めている「介護」だが、家族の介護方針について「話し合ったことがある」人は29.9%にとどまった。「話し合おうとしている」15.5%、「話したいが、話し合えていない」35.5%と、話し合う気持ちがあるものの、まだ行動に移せていない人は半数にのぼり、スタートラインである家族間の話し合いをすることへのハードルの高さがうかがえる結果となった。

介護に関する制度・費用に関して知識不足を実感

 介護には国からの補助があるものの、経済的な負担もある。民間が運営する介護付き有料老人ホーム、介護保険を使って低価格で介護サービスを受けられる公的施設である特別養護老人ホームなど、ひと言で老人ホームといっても利用価格に大きな差がある。

 介護にかかる費用についての認識に関して、「よく把握している」人は8.6%のみ。「ある程度知っている」人は35.5%だったものの、「ほとんど知らない」43.4%、「全く知らない」12.9%を合わせると55%を超える人が費用に関して知らないのが実態だ。

 費用に関して十分な理解ができていないことのひとつに、公的な介護保険サービスの利用経験も関係している可能性がある。調査の結果、「制度は知っているが利用していない」人が49.4%、制度自体「知らない」人が27.9%にもなった。公的な介護保険サービスを利用したことがない人は合わせて72.3%とかなり高かった。一方で、介護保険サービスを「現在利用中」の人が8.8%、「過去に利用した」人が13.9%と、実際に利用したことで費用についてある程度理解したと思われる層は2割ほどにとどまった。

「介護施設」での介護を希望する最多。一方で、選択肢を理解できていない、準備不足を感じる声も

 介護が必要になった時、どこで介護を受けたいか希望を聞く質問に対しては、「介護施設」が42.4%で1位、2位が「自宅」で26.7%、次いで「病院」が5.6%となった。慣れている自宅より、設備が整って人員もある程度確保できている施設での介護の方が安心感がある人が多いのだろうか。「わからない」と答えた人は25.3%と4人に1人の割合でおり、介護の選択肢を検討できていない層も一定数いることが考えられる結果となった。

 これまで介護経験の有無や、介護に関する希望などの質問を経てきたが、介護に関する情報収集や制度の理解などは、どの程度できているのだろうか。「ほとんどしていない」が40.2%にものぼり、「していない」17.1%と合わせると6割近くの人が介護への備えが不十分という実態が判明した。「積極的にしている」人は1割未満にとどまり、準備に対する意識の格差がありそうだ。

 家族の介護に関して不安に感じていることについては、圧倒的1位が「経済的なこと」の51.6%と半数を超えた。次いで「心身への負担」29.3%となり、介護による金銭面や心理的ストレスが主な懸念となっている。「時間的なこと」は8.8%にとどまった。

 介護について早めに準備してよかった、もしくは準備しておけばよかったと後悔していることをたずねたところ、1位が「家族との話し合い」で38.6%、2位が「情報収集・制度の理解」で27.1%、3位が「介護費用の準備」で17.5%だった。

 先の質問で、家族の介護方針について話し合いをしているかという項目があり、話し合いができていない人が多かったが、話し合いの重要性が見てとれる。また、経済面を心配する声も多かったが、資金の準備はすぐできるわけではない。どのぐらいの資金が必要なのか情報収集し、早めに工面しておきたい。

【データ】

「『介護』に関する意識調査」
https://shukatsu-kyougikai.com/news/4564/

<調査概要>
調査対象:終活ガイド資格2級・3級取得者
有効回答数:498名
調査期間:2025年10月1日~10月31日
調査方法:インターネットを利用したアンケート調査

※一般社団法人 終活協議会/想いコーポレーショングループの発表したプレスリリース(2025年11月12日)を元に記事を作成

図表/終活協議会 提供 構成・文/西谷友里加

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