「早食い」「トイレの我慢」「起床後すぐのランニング」は大病を招く習慣だった!?【3大疾病 生活習慣病を防ぐ29の知恵】を名医が徹底解説
分野のプロだからこそ分かる「寿命を延ばす」日常の知恵を紹介する。
「がん」を防ぐ習慣・招く習慣(中川さん監修)
<防ぐ習慣>
【1】コーヒーをブラックで1日5杯以上飲む
1日5杯以上で肝臓がんのリスクが4分の1に低下。コーヒーを飲むと、口腔がん、咽頭がん、食道がんのリスクも5割程度低くなる
【2】野菜や果物を毎日食べる
飲酒は食道がんなどのリスクを高める。野菜や果物はがん予防に有効で、特に食道がんのリスクをほぼ確実に下げるとされている
【3】1日30分は日光を浴びる
紫外線を浴びることで体内でも合成できるビタミンD。その血中濃度が高い人は、低い人に比べ、肝臓がんなどのリスクが低くなる
<招く習慣>
【4】フルーツジュースを飲む
2型糖尿病のリスクを高める。男性が糖尿病になると、膵臓がんと肝臓がんのリスクが約2倍、大腸がんのリスクが約1.4倍になる
【5】熱い飲食物を飲み食いする
飲食物を熱いまま飲み食いすることは、食道がんのリスクをほぼ確実に高めるとされている。少し冷ましてからの飲食が予防になる
【6】長時間座り続ける
8時間以上座っている男性は前立腺がんのリスクが2割高まる。長時間座ったままの仕事は、大腸がん、肺がんなどのリスクも上がる
「脳卒中、心筋梗塞」を防ぐ習慣・招く習慣(秋津さん監修)
<防ぐ習慣>
【7】ひきわり納豆を週2回ほど夕飯で食べる
納豆のナットウキナーゼは、心筋梗塞や脳梗塞の原因となる血栓を溶かす。睡眠中は血流が悪く、血栓ができやすいので夕飯で食べる
【8】旬の青魚を週2〜3回食べる
サバやイワシなどの青魚に含まれているEPAやDHAは、血液をサラサラにして、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす動脈硬化を防ぐ
【9】夜トイレで起きたときは水を1〜2口飲む
高齢者は冬の睡眠中も心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まる脱水症状になりやすく、夜トイレなどで起きたときは少量の水分補給をする
<招く習慣>
【10】サウナと水風呂に入る
高温のサウナに入ると、血液がドロドロになり、心筋梗塞や脳梗塞を起こすリスクが高まる。その後の水風呂は心臓に負担をかける
【11】起床後すぐにランニングをする
起床後すぐは血圧が上昇し、夜の脱水も加わって血液が凝固しやすく、運動をすると血圧がさらに上昇し、心筋梗塞のリスクが高まる
【12】朝の大便で強くいきむ
朝に息を止めて強くいきむと、頭に血が上って血管が破れて脳出血を起こす可能性がある。自然に便が出るまで待つのが予防になる
「高血圧」を防ぐ習慣・招く習慣(渡辺さん監修)
<防ぐ習慣>
【13】起床時はゆっくり起き上がる
起床時に体を急に起こすと交感神経が一気に緊張して、血圧急上昇の原因に。伸びなどで体を慣らしてからゆっくりと起き上がる
【14】毎朝1杯、豆乳を飲む
カリウム、マグネシウム、カルシウム、植物性タンパク質(大豆ペプチド)などが豊富で、血圧上昇を防ぐ役割が期待できる
【15】貧乏ゆすりをする
いわゆる貧乏ゆすりで足の血行をよくすることで、血管拡張作用があるNO(一酸化窒素)の血管内皮細胞からの産生を促進する
<招く習慣>
【16】醤油をたくさんかける
塩分の感受性が高い人ほど塩分摂取は血圧上昇に反映されやすいので極力醤油をかけず、ワサビや生姜など薬味を工夫する
【17】トイレを長時間我慢する
排尿・排便を無理に我慢し続けると大きく血圧が上がり危険。日頃よく行くエリアのトイレの場所は常に確認しておく
【18】飲酒後に入浴する
高血圧の人ほど入浴時の事故や体調不良のリスクが高い。飲酒後や疲労困憊の時は入浴せず、シャワーで済ませる
「糖尿病」を防ぐ習慣・招く習慣(矢野さん監修)
<防ぐ習慣>
【19】食後15分以内に軽い運動をする
食後15分以内の運動には血糖値上昇を抑える効果がある。ウォーキングや軽いスクワットなどで溜まった血糖を代謝させる
【20】食前に桑の葉茶を飲む
桑の葉には糖の消化酵素、1-デオキシノジリマイシン(DNJ)が含まれている。患者にも勧めており、健康意識の増進も期待できる
【21】週に1度は体重計に乗る
肥満は糖尿病の大敵なので、週に1度は体重計に乗って肥満度をチェックする
<招く習慣>
【22】人工甘味料を摂る
人工甘味料は「甘い」のに血糖値が上がらないので脳が混乱し、インスリンを出すことが分かっている
【23】早食いする
食事に最低15分はかける。早食いは満腹中枢が満足する前に食べ終わるので、大食になりがちで、肥満・糖尿病を招く
【24】食後にすぐ眠る
食後に急激に血糖値が上がり、その後急激に血糖値が下がることで眠くなる。ここで眠ると、糖の代謝が遅れる
「脂質異常症」を防ぐ習慣・招く習慣(石原さん監修)
<防ぐ習慣>
【25】睡眠時間を7時間以上取る
睡眠時間が少なく日内リズムが崩れると、身体の代謝のバランスが乱れてコレステロール値に悪影響が出る。7時間は確保する
【26】お酒は量を意識して愉しむ
酒の種類は気にしすぎず、1週間で割ると1日あたりの適量内に収まるようにトータルのアルコール摂取量を調整する
【27】乳製品は生乳よりチーズを摂る
生乳(牛乳)よりヨーグルトやチーズなどの発酵食品のほうが健康効果が高く、コレステロールや中性脂肪にも悪影響を与えない
<招く習慣>
【28】加工肉を頻繁に食べる
ウインナーやハンバーグなどの加工肉は脂質異常症、心血管疾患などのリスクがある
【29】コレステロール値に一喜一憂する
コレステロール値は急な摂生や暴飲暴食で激変する数値というよりも、長い目で向き合っていく数値として捉える
※週刊ポスト2025年2月14・21日号
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●薬に頼らず血圧を下げる<8秒ジャンプ>で患者の血圧が150→120に改善!理由とやり方を医師が解説
●「定食より丼物を選ぶ」「朝食前にランニング」が血糖ブースターの引き金に… 薬に頼らず血糖値を下げる“生活習慣”と“体操”を専門医が指南