《1時間の運動で寿命が3時間延びる!?》『ゼロトレ』著者・石村友見さん伝授 「わかっているけど、続かない」を乗り越えて運動を習慣化する3ステップ
「ウェルネス(Wellness)」という概念をご存じだろうか。ヘルス(Health)が主に体の健康を意味するのに対して、体の健康だけではなく精神的にも健康で人生に前向きな状態がウェルネス。このウェルネスのために欠かせない要素の一つが運動。それも小さな一歩を積み重ねることが大きな効果をもたらす。
シリーズ120万部『ゼロトレ』著者の石村友見さんが、「体」と「心」と「つながり」という3つの観点からどうすれば健康で、幸せに生きていけるのかを世界最先端の科学的データと豊富なエピソード、実例を絡めて解説した『Life is Wellness 「健康な生き方」の科学』(サンマーク出版)より一部抜粋、再構成してお届けする。
教えてくれた人
石村友見さん
株式会社Life is Wellness代表、『ゼロトレ』著者、ヨガ講師
劇団四季で『ライオンキング』に出演後、単身ニューヨークに渡り、ブロードウェイ・ミュージカル『ミス・サイゴン』に出演。その後ヨガスタジオを設立し、レッスンからヨガ講師の育成まで尽力。2018年に発表した著書『ゼロトレ』はシリーズ120万部の記録的ヒットとなり、『金スマ』『世界一受けたい授業』など多くのテレビ番組に出演。その後、ハーバード大学医学部「Health and Wellness」講義にて、ウェルネスの観点から世界最先端の栄養学をはじめ運動、コミュニケーションについて学ぶ。人々が「いきいきとした人生」をおくれるように、体と心の両面からサポートすることをミッションとし、レッスン、書籍、講演、インスタグラム、Voicyなどでウェルネスの普及を行っている。また、自身が運営する女性専用オンラインジム「チームゼロ」では、体と心を変えたい女性たちに向けて個人レッスンや勉強会を開催している。そのほか、企業研修や企業とのコラボ、商品開発プロデュースなど多数。現在は、ニューヨークと東京を行き来する生活。11歳男児の母。
1時間の運動で寿命が3時間延びる!?
運動というと苦手意識を持つ人もいるかもしれないが、紹介する内容は「体の動かし方」であり、運動嫌いな人でも十分に行えるものばかりだ。
逆に言うと、健康な体を作るために激しい運動は不要なのだ。
・昼休みに歩く
・駅の階段をのぼる
・子供と遊ぶ
こういった小さな一歩を積み重ねれば、やがて健康に大きな効果をもたらす。
体を動かすことは生活の動作を向上させ、思考を明晰にし、気分を良くし、肥満を避け、病気のリスクを減らしてくれる。
ハーバード大学公衆衛生大学院卒で100歳のアメリカ人医師、ジョン・シャーフェンバーグは、特定の健康状態に苦しんだり不健康な習慣を持っていたりしても定期的に運動している人は、 運動をしない健康な人よりも長生きするだろうと述べている。彼は最終的に1時間の運動ごとに「最大3時間」寿命が延びると指摘している。
これは、1986年にニューイングランド医学ジャーナルに掲載された、ハーバード大学の卒業生1万7000人を対象に実施された画期的な疫学研究のデータ解釈から得られたもので、この情報は長年医療界でよく知られていたことを示している。
運動の身体的な効果にはざっと次のようなものがある。
ところが、あなたはこう思ったかもしれない。
「わかっているけど、続かないんだよ」
その気持ちは痛いほどわかる。運動が体にいいとわかっていても、運動好きの人以外にはなかなか響かないものだ。なぜなら、人間にはあるバイアスが働いているからだ。