尿に泡、トイレの回数が増えたら要注意!“沈黙の臓器”腎臓の機能が低下するリスク、改善に役立つ「5つの食材」を医師が解説
腎臓は、機能が低下しても初期段階ではほとんど自覚症状が現れないことが多い“沈黙の臓器”。しかし、腎機能の低下を放置すると、血圧が高くなり、人工透析治療をする必要が出てくる可能性もある。そこで、腎臓のピンチをチェックできる尿の症状や、腎機能を守る5つの食材を『「老いても元気な人」と「どんどん衰えていく人」ではなにが違うのか』(アスコム)の著者で内科医のドクターハッシーこと橋本将吉さんに教えてもらった。
教えてくれた人
橋本将吉(ドクターハッシー)さん/内科医
東京都出身。高齢者向けの訪問診療『東京むさしのクリニック』院長。2011年に「医学教育という専門領域から、日本と世界の明るい未来を創造する」という理念の元、リーフェホールディングス(旧リーフェ)を設立。医学生向けの個別指導塾『医学生道場 』(https://igakuseidojo.com/)の運営や、YouTuber『ドクターハッシー(内科医 橋本将吉)』として健康情報の発信。2022年9月に健康や医学を医師から学ぶ事のできるサービス『ヘルスケアアカデミー』 (https://healthcare-academy.co.jp/)をリリース。2か月で300人を突破。
腎臓の主な役割
体内の老廃物や水分をろ過する、体内の水分量や血圧をコントロールするなど、臓器の中でも役割の多い腎臓。腎臓に血液を送り込む血管を腎動脈といい、この腎動脈は途中で枝分かれして、細い血管のかたまりとなる。毛糸の球のように丸い、このかたまりは糸球体と呼ばれ、直径0.1〜0.2mm程度の大きさながら、片方につき毛細血管が約100万個あるといわれている。
糸球体につながる尿細管から、必要な栄養分は再吸収されて血管に戻り、老廃物は膀胱に行き、最後は尿道から排泄される仕組みだ。
つまり腎臓の主な役割は、尿を作ることと体内の水分量をコントロールすることで、解毒を行い、健康な毎日を送るために大きな働きをしているといえる。
腎臓が悪くなると血圧が高くなる
腎臓がコントロールしている水分と大きく関わっているのが、血圧。血圧は体内の水分量が増えると上がる仕組みだ。腎臓の機能が低下すると、余分な水分の排泄が十分にできなくなるため、体内の水分量が増えて血圧が上がってしまうという。
「腎臓の機能が低下すると、その低下した機能を人工的に肩代わりする、人工透析という治療をしなければなりません。腎臓は肝臓と同じように“沈黙の臓器”と呼ばれ、血圧が上がるなどの初期症状で異常に気づくことがあります。定期的に測ると安心です」(橋本さん・以下同)
腎機能低下の注意サインは尿の変化
血圧だけでなく、腎機能の低下の最もわかりやすいサインは、尿の症状の変化だという。
「腎機能が低下すると、尿にたんぱく質が混ざることがあります。すると、泡が多かったり、泡がなかなか消えなくなったりするのです。
また、尿量がいつもより少ない、あるいは水分摂取量がいつもと変わらないのに頻繁にトイレに行くようになったなどの症状があれば、腎機能の低下が要因になっているかもしれません」