専門家が考案!血圧を下げる1週間レシピ【月曜日】「太りやすい更年期は高血圧に注意」
更年期になると女性ホルモンの減少に伴い女性の高血圧のリスクが急激に高まる。血圧を下げるためには減塩すればいいと思いがちだが、塩分の排出を促すには、カルシウム、カリウム、マグネシウムの3つの栄養素を含む食品を積極的に摂りたい。管理栄養士・吉川圭美さんオススメのお手軽レシピを紹介する。
太りやすい更年期こそ高血圧に要注意!
「女性はエストロゲンというホルモンの影響で動脈硬化や血管の老化から守られ、高血圧になりにくい体質です。ところが、更年期にさしかかると女性ホルモンが減少し、高血圧のリスクが一気に高まります」
とは、高血圧の専門医・原田和昌さん。若い頃は低血圧でも50代以降高血圧に転じる人は少なくない。
「高血圧にとって、肥満こそあなどれません。やせた人は塩分を排出しやすく、太っていると排出しづらいからです。つまり、塩分をしっかり排出できるようになれば自然と血圧も下がります」(原田さん・以下同)
原田さんも体重を8kg落として平均血圧が15mmHg下がった経験が。さらに、塩分の排出を促すには、カルシウム、カリウム、マグネシウムの3つの栄養素を含む食品を積極的に摂るのも手。
「カルシウムは牛乳や乳製品、カリウムは野菜や果物、マグネシウムはナッツ類や豆腐に多く含まれています。一度に多く摂っても余分な量は排出されてしまうので、3回の食事でこまめに摂るのがコツです。また、適度な運動、6時間30分~7時間の睡眠、ストレスをためない生活を意識すれば、高血圧が引き金になる脳梗塞、心筋梗塞、がんや認知症などのリスクも回避できます」
賢く食べて脱高血圧!月曜から1週間のレシピを毎日お届けします。
<月曜日の献立>
●塩分 6.3g
●カルシウム/Ca 575mg
●カリウム/K 3022mg
●マグネシウム/Mg 322mg
血圧を下げる!成人女性(50~64才)の1日あたりの摂取量
●塩分量 6.5g未満
●カルシウム/Ca 550mg
●カリウム/K 2000mg
●マグネシウム/Mg 240mg
(厚生労働省『日本人の食事摂取基準』2020年版による)
→血管おそうじスープのレシピ「減塩でも旨みたっぷり」おいしく高血圧対策【管理栄養士監修】
<朝>カリウム豊富なかぼちゃには抗酸化作用も
胚芽米飯
1杯(120g、以下同)。胚芽米120gは軽くとぎ、水3/4カップ弱に1時間浸けて炊く。炊き上がったら10~15分蒸らす(以下同)。
かぼちゃとまいたけのみそ汁
鍋に煮干し20g、水2カップを入れて中火にかけ、煮立ったら食べよく切ったかぼちゃ約1/8個分(120g)、さいたまいたけ1/3パック分・小口切りした長ねぎ約1/3本分(各30g)を入れ、火が通ったらみそ小さじ2を溶く。
そぼろ納豆
納豆2パック(80g)、戻して軽くしぼり食べよく切った切り干し大根20g、しょうゆ小さじ1を和え、青のり少量をかける。
<昼>ひき肉はしっかり炒めて旨みを引き出す
焼きビーフン
フライパンを中火で熱して豚ひき肉80gを入れ炒める。豚肉に焼き色がついたら、幅1cmの短冊切りにしたキャベツ2枚分(140g)とにんじん1/3本分・玉ねぎの薄切り1/4個分(各50g)を入れてさらに炒める。火が通ったらゆでて水気を切ったビーフン120gを入れて炒め混ぜ、自然塩(または塩、以下同)小さじ1/2、しょうゆ少量で味を調える。
【Point】
精製された食塩より、マグネシウムやカルシウムなどのミネラルが豊富な自然塩(天然塩)が望ましい。使用頻度の高い調味料ですから、“摂るなら栄養価の高い塩を”という意識で選んで(吉川さん・以下同)。
いちご
4個(70g)
<夜>油を吸いにくい米粉で食感軽く!
胚芽米飯
1杯分
たらの米粉カレーフリット
【1】生たら2切れ(200g)は皮と骨をとって食べよく切り、ペーパータオルで水気を拭く。
【2】米粉大さじ3に水大さじ2を少しずつ混ぜ、どろりとしたら(しなければ水を足す)、自然塩小さじ1/2、カレー粉小さじ1/2弱を入れて混ぜる。
【3】フライパンに高さ約1cmまでオリーブオイルを入れて中火で熱し、【1】に【2】をまとわせて揚げ焼きにする。器に盛り小房に分けたゆでブロッコリー2/5個分(80g)を添える。
わかめサラダ
水で戻し水気を切った乾燥わかめ大さじ1強(3g)、食べよく切ったトマト1/2個分(80g)、きゅうりの薄切り2/5本(40g)をごま油小さじ1で和え、ぽん酢小さじ1を入れてさらに和える。
※材料は特記以外2人分。
※電子レンジやオーブントースターの加熱時間は目安です。お使いの機種により加熱時間は調整してください。
※乾物は戻す前の分量です。
教えてくれた人
原田和昌/高血圧・専門医
吉川圭美さん/管理栄養士、分子栄養学栄養カウンセラー。『ひめのともみクリニック』で年間1000件以上栄養指導を行う。
調理/柳瀬真澄 撮影/市瀬真以 スタイリング/木村柚加利 取材・文/佐々木めぐみ
※女性セブン2023年6月1日号
https://josei7.com/
●高血圧対策に!新減塩法|月に1週間、1日5gの塩分量で過ごすだけで血圧を下げる方法
●”更年期”をラクに過ごす6つのメソッド「朝起きる時間を一定に」ほか婦人科医が指南●管理栄養士が推奨する「更年期の不調に”豆乳と小松菜のスープ”」の作り方と効果的な摂り方