体温を1℃上げる「ぽかぽかスイッチ」をONにする17の習慣「ビールジョッキ1杯で深部体温は4℃低下、野菜や果物も要注意」
外出先でも、ちょっとした心がけで深部体温の低下を防ぐことができる。
「首筋、お腹、足先の3か所にエアコンの冷気が当たらないようにするだけでも、冷えにくくなります。太い血管があり、体温が奪われやすい場所なので、ここを守るだけでも、冷え予防に大きな効果があります。電車での移動中や映画館など、涼しい環境に長時間いる場合は、お腹にバッグや紙袋など物を置くことで直接冷気が当たるのを防ぐことができます」(山口さん)
この夏はぜひバッグと一緒に「ストール」と「腹巻き」を持ち歩いてほしい。
「冷房対策でストールを持ち歩いている人は多いですが、ぜひ腹巻きも“ハンカチ感覚”で持ち歩きましょう。暑い日にTシャツ一枚で外出しても、屋内は冷房で寒いこともあります。洋服にひびかない薄手の腹巻きを持っておくことをおすすめします。外出先で体を温めたくなったら手の“爪もみ”もおすすめ。親指と人差し指で各爪のつけ根の左右両側を挟んで数回、痛気持ちいいくらいの強さでもむと、指先から血行がよくなり、全身が温まります。また、仕事や家事の合間、入浴の前などに軽いスクワットをしたり、つま先立ちをするだけでも、体は温まりやすくなりますよ」(石原さん)
下半身には全身の筋肉の7割が集まっているため、少し動かすだけでも、筋肉がポンプの役割を果たし、全身の血流改善につながる。
「階段を一段飛ばして上り下りするだけでも、一時的に体温を上げる効果が得られる。下半身と同時に、より内臓に近いインナーマッスルを動かすのもおすすめです。体幹をひねる『ヘリコプターストレッチ』は、腸まわりのインナーマッスルを刺激することで、体の内側から熱を生む効果が期待できる。1日1回行うだけで、早ければ10日~2週間ほどで深部体温が上がります」(山口さん・以下同)
■体の中から熱をつくる「ヘリコプターストレッチ」
【1】両足を肩幅に開いて背筋を伸ばして立ち、両手のこぶしを握って肩の高さまでまっすぐ上げる。
【2】目線を右のこぶしに合わせたまま、上体を右にひねる。限界までひねったら5秒キープし、【1】の姿勢に戻る。
【3】【2】と同様に、目線を左のこぶしに合わせたまま、上体を左にひねる。限界までひねったら5秒キープし、【1】の姿勢に戻る。【1】~【3】を5回繰り返す。
また、山口さんによれば、テープを貼るだけでも、冷えを予防できるという。
「足の甲、内くるぶし、ひざの裏など、皮膚から動脈が透けて見える場所は、体温が逃げやすい箇所でもあります。そのため、この場所に医療用の防水テープを貼っておくことで“人工皮膚”の役割を果たし、熱の放散を和らげられるのです」
ばんそうこうなどでも効果は得られるが、できれば薬局などで購入できる、医療用の幅広のテープを選ぶのがいい。夏太りも夏かぜも、体を温めれば退けられる。いまから対策しておけば怖くない。
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