「あぁ、ひとりでよかった」と楽しく生きるために必要な「お金」「住まい」「メンタル」を整える方法
65才以上のひとり暮らしが男女ともに増加傾向にあるという。誰しもが「おひとりさま」になる可能性が高まるいま、「寂しくて死んでしまいそう」と泣き暮らすよりも「あぁ、ひとりでよかった」と楽しく生きたい。自分らしく、心地よくおひとりさまを生き抜く方法を専門家に聞いた。
幸せなおひとりさま生活に必要な3本柱
女性の平均寿命が男性よりも長い現代において、たとえいまパートナーがいたとしても、人生の最期はひとりで過ごすことになる可能性は大いにある。
「にもかかわらずほとんどの女性は『そのときになったら考えよう』と特に準備をせず、その日を迎えることになります。しかし“そのときになれば、何とかなる”という考えは大間違いです。高齢になるほど判断力や体力が落ち、考えて行動することが難しくなる。その状態からひとり暮らしを始めれば、生きていくのが精一杯で、充実や幸せとはほど遠い生活になる。できれば50代から老後にひとりで暮らすシミュレーションを始めるべきです」(OAG司法書士法人代表・太田垣章子さん)
昨今は、熟年離婚も増えている。厚生労働省の発表によれば、2020年に離婚した夫婦のうち20年以上同居した熟年離婚の割合は21.5%。統計のある1947年以降で過去最高を記録した。
離婚カウンセラー・岡野あつこさんが指摘する。
「女性が地位をつけてきたし、がまんして婚姻を継続する時代じゃなくなったのだと思います。実際に相談に来る人も増えていますが、彼女たちにアドバイスしているのは生活するための経済力と住まい、あとはひとりでやっていけるだけの強いメンタルを持つことです。具体的には引っ越し費用も鑑みて200万円くらいは貯金を持ち、メンタルケアのために友達を作ることが挙げられる。『お金』『家』『心』の3本柱が大切です」
幸せなおひとりさまを作る「3つの柱」
幸せなおひとりさまを作る「3つの柱」
お金
離婚する場合も死別してひとり暮らしをする場合も、先立つものはなくてはならない。おひとりさまになったとき、年金はいくらもらえるのか、また仕事はいつまで続けられるのかきちんと試算しておくべし。パートやアルバイトで老後資金を増やすのは必須。介護施設は求人が多いため、介護に関する資格を取って働くのもいい。
住まい
「終の住処」をどこにするかはQOLの高いひとり暮らしをするために重要な問題。施設に入る場合はしっかり吟味を。自宅で暮らす場合、大きすぎる家に住まない、監視カメラをしっかりつけるなど防犯対策をしつつ、快適な場所にすべくリフォームを。
メンタル
友人とたっぷりつきあうもよし、恋人を作るのもよし。自分の性格傾向に合った人づきあいをしてメンタルを安定させたい。重要なのは自分の意思で決め、悩みすぎずポジティブに生きること。