害虫、カビが心配…梅雨前に絶対やっておくべき家事10選「冬服は湿気を吸う前に衣替えを」家事アドバイザーが指南
梅雨を迎えた家の中では、「湿気を吸った冬服にカビが発生!」「捨てられないダンボールに虫が湧く…」など困ったことが発生しがち。湿気が多い梅雨どきにすっきり過ごすためには、「梅雨前家事」が肝心だと、家事アドバイザーの矢野きくのさん。梅雨前にやるべき家事10選を教えてもらった。ジメジメした季節が来る前に、今すぐ実践すべき10の家事をチェックしよう。
梅雨前にやっておくべき家事10選
沖縄など早い地域では5月下旬、そして北海道を除くその他の地域も6月に入れば梅雨入りとなります。長く雨の日が続いたり、雨が降っていなくても湿度が高い日が続いたりと、暮らしの中では不便を感じることが多い季節ですね。シニア層のかたはとくに梅雨の時期になると、室内であっても身体を動かすのが億劫になるというケースもあるのではないでしょうか。
今回はそんな梅雨になる前に絶対にやっておくべき家事をご紹介します。
【1】「洗濯槽」「糸くず」掃除でカビ予防
できれば毎月しっかり掃除をしておきたい「洗濯槽」。もしもやっていないのであれば、梅雨時期に入る前に洗濯槽掃除の専用洗剤を使って、洗濯槽裏の黒カビを取っておきましょう。定期的にやっていないご家庭の洗濯槽からは、おそろしい数の黒カビがと汚れが浮いてきます。綺麗に洗っているつもりの衣類が、実はカビだらけの中で洗っていると考えるとゾッとしますよね。
とくに体力が落ちてきているシニア層にとって、カビは天敵です。何年も洗濯槽の掃除をしていない場合は、2~3回分の専用洗剤を買ってきて、連続で洗濯槽掃除をするほうが良いでしょう。
その際に、糸くず取りネットの部分も外し歯ブラシなどで汚れを取り、糸くずはすべて捨てるようにします。糸くずが残っているといつまでも湿ったままで、カビが生える原因にもなるのでしっかりとやっておきましょう。
【2】「浴槽」のつけ置き洗浄でカビ・ぬめり防止
専用洗剤で掃除しておきたいのが「浴槽」(風呂釜)の掃除です。追い焚き機能がある浴槽であれば、専用洗剤を使って掃除をするようにしましょう。その際に、浴槽の蓋や洗面器などの小物も一緒につけ置き洗浄することができます。
【3】湿度が高い「キッチンシンク下の収納」は要注意
普段から湿度が高く、調味料の液垂れや、食材のクズなどが落ちていたら、害虫の温床になりかねないのがキッチンシンクの下の収納スペースです。全てのものを取り出し拭き掃除をしっかりとしましょう。調味料のボトルなどが汚れているようであれば、それらも全て拭いてから戻すようにします。
【4】「掃除機に溜まったゴミ」を一層
忘れがちですが、掃除機に溜まっているゴミも梅雨時期はとくにしっかり捨てておきましょう。ホコリの中にダニや虫の卵などがあると梅雨の時期は繁殖しやすくなってしまいます。パーツによって洗えるものは水洗いをし、しっかり乾燥させてから元に戻し、清潔な状態で梅雨を迎えるようにすれば安心です。
【5】「家具の裏」「ダンボールの置き場所」に害虫よけスプレー
梅雨時期から夏にかけて湧いてくる害虫も梅雨前に処理をしておくと安心できます。部屋全体を燻煙するタイプのものや、最近では簡単にスプレーするだけの製品もあるので手軽に対策できますよ。家具の裏や、害虫の温床となりやすいダンボールが家の中にあるご家庭の場合は、それらの場所に害虫よけ処理をしておきましょう。
【6】カビの温床「靴箱」はしっかり拭き掃除を
靴箱の中も湿度が高くカビが生えやすい場所です。少しでもカビ菌があると梅雨時期に増え、靴についてしまうこともあるので、梅雨前に綺麗な状態にしておく必要があります。
靴は全部取り出し、濡らしてきつく絞った雑巾で拭き掃除をしてください。拭き掃除後はしばらく靴箱の扉を開けておきしっかり乾燥させます。できれば吸湿性のある新聞紙や、カビが生えやすい状態になっているのであれば防カビ効果のあるシートを敷いてから靴を戻すようにしましょう。
【7】冬服が湿気を吸う前に「衣替え」を終えておく
この時期は、衣替えを完全に終えておらず、冬物がまだ出ているという方も意外と多くいます。衣替えも梅雨前に終わらせるようにしましょう。湿度が高いときに冬物をしまいこんでしまうと湿気を含んでおりカビの原因にもなりかねないからです。衣替えは梅雨前の晴れの日を狙ってやる必要があります。
【8】押入れ・クローゼットのホコリ取り
押入れもカビが生えやすく、またダニが発生しやすい場所のひとつです。ホコリがあるとカビやダニの原因にもなりますので、中に入っているものを出し、掃除機でしっかりとホコリを取っておきましょう。またどうしても湿度が高くなりがちなので、除湿剤を梅雨前にセットしておくか、定期的に除湿機をかけるなどの対策も効果的です。
【9】雨樋や排水溝の掃除
長く雨が降る梅雨。雨樋や排水溝に落ち葉などが溜まっていると、雨水が流れず溢れてきてしまうこともあります。落ち葉やゴミが溜まっているようであれば、必ず梅雨前に取り除いておきましょう。
【10】エアコンフィルター掃除と試運転
冬の暖房時期が終わったときに、しっかりエアコンのフィルターを掃除しましたか?
もしもフィルターにホコリが溜まっていると、湿度が高い梅雨時期にカビが発生する原因にもなります。フィルターにホコリが溜まっているようであれば、外して中性洗剤などでしっかりと洗い、乾燥させてから戻すようにしましょう。
また、本格的な夏になる前に、冷房機能が正常に動いているか試運転することをおすすめします。もしも故障している場合など、夏本番になってから気づいてもすぐには修理に来てもらえないこともあるので、今のうちにやっておきましょう。
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梅雨前家事はやることが多いなぁ…と感じるかもしれませんが、これだけやっておけば、スッキリ気持ちよく、また清潔な状態で梅雨を迎えることができますので、是非ひとつひとつチェックしてやってみてください。
執筆
家事・節約アドバイザー・矢野きくのさん
家事の効率化、家庭の省エネを中心にテレビ・講演・連載などで活動。NHK『ごごナマ』準レギュラー他テレビ出演多数。新聞での連載のほか自動車メーカー、家電メーカーなどの企業サイトでコラムの執筆経験も。近年は中高年層の家事アドバイスや家庭でできるSDGsについての講演、SNSでの情報発信でも活動している。著書『シンプルライフの節約リスト』、『「節電女子」の野菜レシピ!』など。https://yanokikuno.jp/
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