閉経期は特に注意「食後高血糖」が招く動脈硬化にご用心!病気のリスクと対策 予防食材「ヨーグルト、菊芋など」を専門家が解説
では、どうしたら食後血糖値の上昇を抑制することができるのか。大原則として食事メニューにおける糖質の割合が高ければ高いほど、食後血糖値は上がることになると、健康検定協会理事長で管理栄養士の望月理恵子さんは話す。
「血糖値は“糖質をどれくらい摂ったか”、そして“どんなものと一緒に食べたか”で上昇度が決まります」
例えば「朝食はパンだけ」「昼はパート先でおにぎり」と、食事を糖質の多い炭水化物だけで簡単にすませていると食後血糖値は高くなる。
「おかずや副菜、汁物を意識した内容にしなければ、食後の血糖値上昇を招きやすいです」(望月さん・以下同)
当然、一つひとつの選び方にも気をつけたい。ツナ缶やさば缶、豆腐製品、サラダチキンなどスーパーに並ぶ低糖質・高たんぱくな食品は積極的に取り入れよう。
「手軽におかずになるうえ、たんぱく質は血糖値の上昇を抑える働きを持つ筋肉の原材料となり、筋肉が増えればブドウ糖が消費されやすくなります。また、ヨーグルトなどに含まれ、インスリンを増やす働きをするホルモン『インクレチン』の分泌を促す機能があるホエイプロテインなど、食後血糖値に直接作用するたんぱく質もあります」
インスリンの分泌を増強させる食材はほかにもある。
「特におすすめは菊芋。『天然のインスリン』といわれ腸内の糖分や塩分、脂肪分を体外に排出する役割も持つ『イヌリン』という水溶性食物繊維を多く含んでいる。ほかのいも類の糖質とは違い、菊芋の糖質は体内に吸収されづらい『フラクトオリゴ糖』が多く、食べても血糖値が上昇することはないこともポイントです」
加えて主食には、血糖値の上昇度が低い「低GL食品」を選ぶことも意識したい。
「食物繊維が豊富な玄米やブランパン、オートミールや低糖質の大豆麺やこんにゃく麺などは血糖値の上昇が抑えられる低GL食品です」
ほかにも、もずくやめかぶ、納豆などに含まれる「水溶性食物繊維」は糖質の吸収を緩やかにして血糖値上昇を抑える効果があるが、食卓に並べる際には注意が必要だ。
「それらの食品に付属しているタレが落とし穴。糖質がたっぷり含まれているケースは少なくありません。また、原材料は低糖質であっても風味をよくするために大量の調味料を加えているものもある。おかずを買う場合は、成分表示を確認して買ってください。タレは使わず、しょうゆや酢に置き換えれば低糖質食材として活用できます」
食後高血糖を予防する主な「食品」16選
・野菜
・玄米
・海藻類
・雑穀米
・きのこ類
・ブランパン
・肉類
・オートミール
・魚類
・オリーブオイル
・豆腐
・菊芋
・牛乳
【14】玉ねぎ
【15】ヨーグルト
【16】こんにゃく
写真/PIXTA、イメージマート
※女性セブン2023年11月23日号
https://josei7.com/
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