「健康」「食事」「運動」サービスに注力 複合開発の街に生まれた介護付有料老人ホーム<後編>
センチュリーシティ王子
「住」「商」「育」の複合開発の街に今年の4月に誕生した「センチュリーシティ王子」。前編では老後の住まいを探す際に街の環境に注目する意味や、サービスコンセプトである“ジェントルブリーズ~やさしい風~”についてお伝えした。後編では、「老化遅延の食事」を提供している地域にも開かれたレストランなど、生きがいを感じながら過ごせる住まいについて紹介していく。
看護職員による健康管理と2種類の運動プログラム
”やさしい風”をイメージした「センチュリーシティ王子」は、”健康管理””運動プログラム”、そして”老化遅延の食事”などのサービスを行っている。
自立の入居者が対象となる健康管理サービスとして、年に1回の健康診断の機会が設けられており、診断の結果を元に看護職員が健康面談をしているという。
「お元気だと看護職員と触れ合う機会があまりないので、定期的な健康診断を機に、しっかりお話しするようにしています。そうすることによって、何かあった時に役立つ、直近の健康情報をこちらで把握できるのです。介護が必要な方に関しては、看護職員が365日フロアにいるので、疾病の早期発見が可能です。何かあったときは、迅速にかかりつけの医師に連絡を取っています」(センチュリーシティ王子の支配人・佐野浩一さん 以下「」は同)
運動プログラムでは、国立長寿医療センターのコグニサイズ(R)を導入している。コグニサイズ(R)とは運動と認知トレーニングを組み合わせたものだ。国立長寿医療研究センターの研究で、MCI(軽度認知障害:認知症ではないがその一歩手前の状態)の段階でコグニサイズ(R)を行うと、認知機能の低下を抑制することが明らかになっているという。また、オリジナルの介護予防「ゆうゆう体操」も行っているそうだ。
“老化を遅らせる食事”を提供する地域開放のレストラン
1階にはレストラン「フォーシーズンズ王子」があり、“老化を遅らせる食事”を提供している。食事のメニューには「老化を遅らせる食生活指針」を確立・提唱した熊谷修氏(東京都健康長寿医療センター研究所)が監修する「老化遅延の食事」を取り入れている。健康の維持と食の楽しみの両方に配慮がされていて、入居者にも好評だという。
地域にも開放されており、子どもの夏休み期間中には満席になるなど大人気のようだ。併設している学童施設の児童も契約をすることでレストランで食事ができるそうだ。
「レストランは地域にも開放しています。朝はご入居者、お昼は地域の方と併設する学童施設の児童と入居者、夜は学童施設の児童と入居者が利用しています。子どももいるのでにぎやかですね。健康長寿の食事を地域に広めたいと考え、地域の方に『センチュリーシティ王子が近くにきてくれて良かった』と思ってもらえるよう努めております。
健康長寿の食事はタンパク質を強化し、栄養バランスにも配慮し、3食で10品目摂れるように工夫しています」
ノーリフティングポリシーでスタッフの腰痛予防
これらのサービスを行うスタッフへの配慮も、会社の方針として徹底されている。
働きやすい環境を作ることで、優秀でやる気のあるスタッフが長く勤務するようになるという。そしてそれは入居者にとっても快適な生活を送るために良い影響を与えているそうだ。
「『ノーリフティングポリシー』(※1)というものがありますが、私たちも会社全体で“抱えあげない介護”に取り組んでいます。そうすることで、スタッフの腰痛予防をして、長く介護の仕事を頑張ってもらいたいと。トイレやお風呂など立ち上がりが必要な時には、リフトを使っています。トイレでは介助する時に2人必要ですが、リフトがあれば1人で介助することもできます」
※1:1998年にオーストラリア看護連盟ビクトリア支部から出されて方針。「押す」「引く」「持ち上げる」「ねじる」「運ぶ」を(過度な負担を伴う状態で)絶対に人力で行わないこと
「センチュリーシティ王子」では、レストランだけではなく”地域交流スペース”が共用部として用意され、入居者と地域の人との交流の場になっていて、スタッフが趣味やサークル活動の支援も積極的に行っている。
「ご入居者にとって家族のような私たちでありたい」という理念の通り、入居者が生きがいを持って過ごせるようにソフト面もハード面もさまざまな配慮が施されている。
撮影/津野貴生
【データ】
施設名:センチュリーシティ王子
公式WEBサイト:http://www.centurylife.co.jp/home/ouji/
所在地:東京都北区王子5-1-49
最寄駅: 東京メトロ南北線「王子神谷」駅徒歩約6分、JR京浜東北線「東十条」駅徒歩約7分
類型:介護付有料老人ホーム
運営主体:株式会社センチュリーライフ
敷地面積:5901.94平方メートル
延床面積:12818.18平方メートルのうち6080.95平方メートル
室数:リビング居室(自立型)60室、ケア居室(介護型)30室
入居要件:混合型(自立含む)
構造:鉄筋コンクリート造、地上10階建
開設年月日: 2018年4月1日
料金:
【1】リビング居室(自立型)前払い金方式:入居一時金3120~5480万円(70~85歳)+月額費用(1人入居)17万2800円(管理費10万8000円+食費6万4800円)+光熱水費は実費
【2】リビング居室(自立型)一部月払い方式:入居一時金2560~4930万円(70~85歳)+家賃3万円(月額)+月額費用(1人入居)17万2800円(管理費10万8000円+食費6万4800円)+光熱水費は実費
【3】ケア居室(介護型)前払い金方式:入居一時金1050万円(65歳以上)+月額費用(1人入居)18万3600円(管理費10万8000円+食費6万4800円+光熱水費1万800円)+介護費
【4】ケア居室(介護型)月払い金方式:入居一時金0円(敷金として家賃3ヶ月分が必要)+月額利用料41万1850円(家賃17万5000円+管理費10万8000円+介護費用53250円+食費6万4800円+光熱水費1万800円)
※施設のご選択の際には、できるだけ事前に施設を見学し、担当者から直接お話を聞くなどなさったうえ、あくまでご自身の判断でお選びください。
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