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暮らし

病院嫌いのじいちゃんの要介護認定はどうなる?孫が感じた「老々介護の現実」

 長年母親のケアを担ってきたヤングケアラーのたろべえさんこと高橋唯さん。近くに暮らす祖父に介護が必要になり、介護保険サービスを使うために要介護認定の調査を受けたいが、「主治医の意見書」がもらえないという困った事態に。役所での手続きなど祖母のサポートも必要になり…。

執筆/たろべえ(高橋唯)さん

「たろべえ」の名で、ケアラーとしての体験をもとにブログやSNSなどで情報を発信。本名は高橋唯(高ははしごだか)。1997年、障害のある両親のもとに生まれ、家族3人暮らし。ヤングケアラーに関する講演や活動も積極的に行うほか、著書『ヤングケアラーってなんだろう』(ちくまプリマー新書)、『ヤングケアラー わたしの語り――子どもや若者が経験した家族のケア・介護』(生活書院)などで執筆。 https://ameblo.jp/tarobee1515/

祖父の要介護認定に「主治医の意見書」が必要だが…

 父方の祖母から「祖父の介護が大変になってきた」と相談を受け、介護保険サービスを利用しようと思ったものの、祖父が病院に行きたがらず、利用申請に必要な「主治医の意見書」を書いてもらえず困っていた。

 祖父は過去に前立腺肥大の手術をしており、その後も3か月に一度の定期検診にだけはなんとか通っていた。しかしながら、祖母の住む自治体の窓口から、「その手術が原因で介護が必要な状態になっているわけではないので、定期検診を受けている病院で意見書をもらうのは難しいだろう」と説明を受けた。

 祖母の介護負担のことを考えると、1日も早く祖父をどこか別の病院に連れて行きたい。そう思って、地域包括支援センターに相談したり、自分でも往診や訪問診療に応じてくれる病院を探したりしていたが、なかなかいい方法が見つからないうちに、結局、定期検診の日になってしまった。

祖父、病院の定期検診へ

 元々は、祖母が祖父を連れて、タクシー、電車、バスを駆使して通院していたが、最近は筆者が送迎することもあった。今回は、祖父母の息子である筆者の父にも現状を知ってもらいたかったので、父に送迎を頼んだ。

 父曰く、祖父は祖母に引っ張られながらではあったものの、強い拒否を示すようなことはなく病院に向かったらしい。祖母は「じいちゃん、あの先生のことは好きみたいでよ、嫌がらないんだわ」と言うが、筆者としては、ただ観念しているというだけのようにも思う。

 朝から病院に行っていた父が帰ってきたのは夕方だった。

「泌尿器科で血液検査をしたら、あまり良くない結果だったので、追加でCT検査をした。明日は内科に行かなくてはならない」とのことだった。

 翌日、今度は筆者が病院に付き添い、内科の医師の話を聞いた。

「エコー検査もして、おそらく大腸がんで間違いないだろうとは思うけれど、入院での確定検査をするには本人の体力が十分ではない。しばらくはこのまま家で様子を見て、お腹が張るようだったらまた受診してください」との話だった。

 当初は「前立腺肥大を診てもらった病院では介護保険サービス利用のための意見書は書いてもらえない」とのことだったが、今回の受診で状況が変わったので、書いてもらえることになった。祖父の体調は心配だが、祖母の負担は減りそうなので、そういう意味では一安心だ。

要介護認定調査に立ち会った

 病院の帰り、市役所に寄って介護保険サービスの利用申請手続きをした。数日中に地域包括支援センターで紹介してもらったケアマネージャーさんが祖父母の家に来てくださり、その翌週には介護保険サービスの暫定利用で手すりをつけることができた。

 その後、要介護認定調査があり、筆者も同席した。正直なところ、筆者は祖母を窓口につなぐところまでやれば、後は勝手に話が進むものと思っていたが、祖母は複雑な手続きのことはよくわからず、資料に線を引いてもらいながら丁寧に説明してもらっても字が小さくて読めなかったり、言われたことを忘れてしまったりするので、まだまだしばらくは付き添いが必要そうだ。

 窓口の職員さんは「お孫さんがいてくれると、知らない人が家に来たときに、おばあちゃんも安心だと思うのよ」と言っていたが、きっとこの職員さんも安心なのだろう。

 認定調査員さんを祖父の部屋に通したが、祖父はベッドから出てこず、話しかけられると頭まですっぽりと布団を被って明確に会話を拒否していた。

 調査員さんは、祖母にも祖父の普段の様子について尋ねた。祖母はいつも、筆者には「じいちゃん、今朝はご飯食べなくて、さっきそこで転んで…」などとよく話しているが、いざ改めて話すというのは難しかったようで、筆者が補足しながら対応し、調査は無事終了した。

認定調査の結果が届いたがこれからが本番?

 先日、認定調査の結果が届き、要介護2とのことだった。これで必要があれば訪問介護などの介護保険サービスが利用できるようになり、とりあえずホッとした。

 しかしながら、ここからが祖父母介護のスタートだ。障害のある母と高齢の祖父母では、同じようにはいかないことも多いだろう。まだまだケアのある日々は続いていく…。

ヤングケアラーに関する基本情報

言葉の意味や相談窓口はこちら!

■ヤングケアラーとは

 ヤングケアラーとは、家族にケアを要する人がいる場合に、大人が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行っている子どものこと。近年は子どもから大人になってもケアが続くこともあるため、18才~おおむね30才までをヤングケアラーと呼んでいる。

■ヤングケアラーの定義

『ヤングケアラープロジェクト』(日本ケアラー連盟)では、以下のような人をヤングケアラーとしている。

・障がいや病気のある家族に代わり、買い物・料理・掃除・洗濯などの家事をしている
・家族に代わり、幼いきょうだいの世話をしている
・障がいや病気のきょうだいの世話や見守りをしている
・目を離せない家族の見守りや声かけなどの気づかいをしている
・日本語が第一言語でない家族や障がいのある家族のために通訳をしている
・家計を支えるために労働をして、障がいや病気のある家族を助けている
・アルコール・薬物・ギャンブル問題を抱える家族に対応している
・がん・難病・精神疾患など慢性的な病気の家族の看病をしている
・障がいや病気のある家族の身の回りの世話をしている
・障がいや病気のある家族の入浴やトイレの介助をしている

■相談窓口

・こども家庭庁「ヤングケアラー相談窓口検索」
https://kodomoshien.cfa.go.jp/young-carer/consultation/

・児童相談所の無料電話:0120-189-783
https://www.mhlw.go.jp/young-carer/

・文部科学省「24時間子供SOSダイヤル」:0120-0-78310
https://www.mext.go.jp/ijime/detail/dial.htm

・法務省「子供の人権110番」:0120-007-110
https://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken112.html

・東京都ヤングアラー相談支援等補助事業 LINEで相談ができる「けあバナ」
運営:一般社団法人ケアラーワークス
https://lin.ee/C5zlydz

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