贅沢で多様な共用空間を備えた介護付有料老人ホーム<後編>
クラーチ・フィエラ鷺ノ宮
介護付有料老人ホームが数を増やす中、入居者が求める水準も高くなってきている。費用と見合ったサービスを受けられるのか、個別の介護ケアはどこまでしてくれるのか…など、施設側も厳しい目で見られている。そのような状況で、上質な建物や設備、そして独自の介護予防プログラムで注目を集めているのが「株式会社クラーチ」の運営する高齢者向けの住まいだ。
<前編>では「クラーチ・フィエラ鷺ノ宮」の、茶室など充実した共用部分を紹介した。今回の<後編>ではもう1つの大きな特徴である認知症予防への独自の取り組みなど、最先端の技術活用などについて紹介していく。
独自のプログラムによりMCIの改善が33.3%
クラーチ・フィエラ鷺ノ宮では、高精度な軽度認知障害(MCI)の早期発見テストと、学術論文に裏付けされた認知症の発症リスク低減運動プログラムを複合した「アタマカラダ!ジム」を導入している。
この取り組みは、東京大学大学院薬学系研究科臨床薬学教室の富田泰輔教授が全体監修を行い、グループ企業の「株式会社キャピタルメディカ」と「ジェイアール東日本スポーツ」が共同開発したものだ。そして株式会社クラーチが運営する施設で行っているこの取り組みの成果は、実際に数字でも表れ始めている。
「入居の際に軽度認知障害を早期に発見するための『MOCAテスト』を行います。『アタマカラダ!ジム』を週2回以上継続してやっている方の中で、軽度認知障害から健常な状態に戻った方が42名のうち14名、33.3%いらっしゃいます」(株式会社クラーチ代表取締役の鮫島智啓さん)
軽度認知障害とは、「記憶など認知機能に問題を生じているが、日常生活に支障がない」状態だ。MOCA(Montreal Cognitive Assessment)テストは注意機能、集中力、実行機能、記憶、言語、視空間認知、概念的思考、計算など多領域の認知機能をチェックできる。つまり、ほとんど表に出てきていない認知症をチェックし、予防することが可能になってきているということだ。
ホームでの様子を家族がチェックできるシステムも
「アタマカラダ!ジム」以外にも先進的な取り組みがある。それが「LOOKぱっと」システムだ。このシステムを利用すると、家族がパソコンやスマートフォンなどで入居者の生活の様子や介護の記録、行事などの写真をいつでも見ることができる。これもオリジナルで開発したものだ。
「離れて住んでいるご家族も『LOOKぱっと』を見ているので、ご入居者の様子をよく把握されています。そのため、私たちスタッフとご家族のコミュニケーションも取りやすくなりました」(クラーチ・フィエラ鷺ノ宮支配人の五十嵐淳さん)
「当社では若手社員を集めて合宿をしており、そこでは会社の課題を議論し、自分たちで様々なアイデアを出しています。『LOOKぱっと』はそういった仕組みの中で発案され、プロジェクトチームを立ち上げて作りました」(鮫島さん)
最先端の技術と両輪をなすホスピタリティ
クラーチ・フィエラ鷺ノ宮の魅力は、こうした最先端の技術を活用した取り組みだけではない。その根底にはホスピタリティを重視する姿勢があり、ハード面にもそれが表れている。居室は1人用と2人用が用意されており、夫婦での入居も可能だ。広さや部屋のタイプが違うので、実際に見学をして、それぞれのライフスタイルに合ったものを選びたい。
クラーチ・フィエラ鷺ノ宮を訪れて印象に残ったのは、その圧倒的な上質さだ。建物や設備はもちろん、最先端の技術を使った取り組みもオリジナルで開発しており高齢者施設としてトータルでの完成度が高い。そして、この運用を日々支えているのが現場のスタッフだ。
「社員の意識をもっと高め、現場の裁量でご入居者の喜びにつながることをどんどん実行していきたいですね」(鮫島さん)
「76名入居できるホームですが、76通りの生活リズムに合わせられるようにしていきたいと思っています」(五十嵐さん)
五十嵐さんは支配人ではあるがフットワークが軽く、現場によく出ているという。それは、入居者やスタッフと直接話をして正確な状況を把握するためだ。上質なハード面だけではなく、自ら積極的に仕事に取り組んでいるスタッフ、そして入居者のニーズに合わせて進化し続ける住まいを、ぜひご自身の目で確かめてみてほしい。
撮影/津野貴生
【データ】
施設名:クラーチ・フィエラ鷺ノ宮
公式WEBサイト:http://www.kuraci.co.jp/house/fiera/saginomiya/
所在地:東京都練馬区中村南3-23-18
最寄駅:西武池袋線「中村橋」駅徒歩10分、西武新宿線「鷺ノ宮」駅徒歩11分
類型:介護付有料老人ホーム
運営主体:株式会社クラーチ
敷地面積:1845.83平方メートル
延床面積:3567.50平方メートル
室数:70室(個室64室・2人居室6室)
入居要件:入居時に要介護(原則満60歳以上の方)
構造:鉄筋コンクリート造地上4階建
開設年月日:2017年7月1日
料金:
【1】1Rタイプ(23.01平方メートルの部屋の場合)
●前払金方式/前払金880万円(非課税)+月額利用料24万2880円(税込)。月額利用料内訳は家賃相当額4万2000円、管理費16万8480円、食材費3万2400円
●月払い方式/敷金35万4000円(非課税)+月額利用料37万7880円(税込)。月額利用料内訳は家賃相当額17万7000円、管理費16万8480円、食材費3万2400円
【2】1LDKタイプを1人利用(42.09平方メートルの部屋の場合)
●前払金方式/前払金2980万円(非課税)+月額利用料28万3500円(税込)。月額利用料内訳は家賃相当額6万円、管理費19万1160円、食材費3万2400円
●月払い方式/敷金103万2000円(非課税)+月額利用料73万9560円(税込)。月額利用料内訳は家賃相当額51万6000円、管理費19万1160円、食材費3万2400円
【3】1LDKタイプを2人利用(42.09平方メートルの部屋の場合)
●前払金方式/前払金2980万円(非課税)+月額利用料40万3440円(税込)。月額利用料内訳は家賃相当額6万円、管理費27万8640円、食材費6万4800円
●月払い方式/敷金103万2000円(非課税)+月額利用料83万4000円(税込)。月額利用料内訳は家賃相当額51万6000円、管理費27万8640円、食材費6万4800円
※施設のご選択の際には、できるだけ事前に施設を見学し、担当者から直接お話を聞くなどなさったうえ、あくまでご自身の判断でお選びください。
【このシリーズのバックナンバー】
●小田急沿線で「住まい」にこだわるサービス付き高齢者向け住宅<前編>
●小田急沿線で「住まい」にこだわるサービス付き高齢者向け住宅<後編>
●充実した介護体制を備えるサービス付き高齢者向け住宅<前編>
●充実した介護体制を備えるサービス付き高齢者向け住宅<後編>
●有料老人ホームとサ高住の両方のメリットを兼ね備えた終の棲家<前編>