贅沢で多様な共用空間を備えた介護付有料老人ホーム<前編>
クラーチ・フィエラ鷺ノ宮
「クラーチ・フィエラ鷺ノ宮」は2017年7月に開設された介護付有料老人ホームだ。運営する「株式会社クラーチ」は2001年に設立され、シニア向け住宅の運営で実績を積み重ねてきた。
同社のコンセプトは「終の住まいとして上質で居心地のよい空間演出」「できるだけ介護を必要とせず、元気であり続けられる健康サービスの提供」「お客様の期待を上回るホスピタリティの追求」の3つだ。
当サイトでは2016年11月に同社が手がける「クラーチ・エレガンタ本郷」を紹介したが、「クラーチシリーズ」の施設は前回の取材時からさらに進化を遂げていた。前回に続き、株式会社クラーチ代表取締役の鮫島智啓さんにこだわりや思いを聞いた。
共用スペースを見れば施設のコンセプトがわかる
それぞれの介護付有料老人ホームのコンセプトが、如実に表れるのが共用部分だ。リハビリ重視、余暇の充実、地域との交流…など、限られたスペースに何を作るかという部分に運営側の入居者への正直な思いが出る。クラーチ・フィエラ鷺ノ宮の共用スペースを見ていくと、その質の高さに驚かされる。
訪れた際にまず驚かされたのが茶室だ。本格的な茶室が独立して、まるで離れのように作られている。これは「贅を尽くす空間であること」という思いから作られたものだという。
「茶室を作ったのは本物を提供したいからです。実際入居される方も、お茶の嗜みがある方が多いですね。お茶の先生にも来てもらっていますし、弊社の社員にもお茶の嗜みがある者がいるのでご一緒しています」(鮫島さん)
リハビリスペース、カフェコーナー、アトリエなど充実した共用スペース
茶室のほかにも、入居者への思いが表れている箇所がいくつもある。ガラス張りで開放感のあるロビーに用意された、リハビリスペースもその一つだ。リハビリ機器は入居者のニーズに合わせて運営開始後に導入したもので、常駐の理学療法士も今後入る予定だという。
「最初から完成形として提供するのではなく、入居者様の様子を見ながらニーズを捉えて、それに合わせていくようにしています。新しいホームはそうやって歴史を作っているんですね。現場の声を実際に活かしていくことは、スタッフのやる気にもつながっていきます」(鮫島さん)
ロビーにはカフェコーナーも設置されており、入居者はもちろん、入居者の家族や友人が共に時を過ごす場所として活用されている。「ホスピタリティの追求」を目指して運営する中で、大きな役割を果たしているコンシェルジュがここでも活躍している。
タクシーの手配や郵便物を預かるなど、日常的な生活の手伝いもしてくれるコンシェルジュだが、ただ受付に座っているだけではない。ロビーにあるカフェコーナーで入居者と堅苦しくない、温かみのあるコミュニケーションをとるのも大切な業務の一つだ。
「コンシェルジュにはご入居者のお話を傾聴する役割もあり、カフェでコーヒーをお出ししながらお話をします。リラックスした雰囲気なので、ケアスタッフには普段しないような趣味や昔の話をされる方もいらっしゃいますね。そうした雑談の中から隠れたニーズを拾えることも多いですよ」(立島さん)
ルーフテラスとつながったアトリエも、特徴的な共用部の一つだだ。このアトリエは趣味を楽しめる空間で、キッチン設備もある。入居者自身がここで料理を作り、ルーフテラスで味わいながら語らいを楽しんでいるのだという。茶室やカフェ、キッチンのあるアトリエ、そしてルーフテラス。クラーチ・フィエラ鷺ノ宮には、リゾート施設のような洗練された時間を過ごすための贅を尽くしたスペースが用意されているのだ。
ほかの高齢者向けの施設では、共用部にニーズに合っていない娯楽を用意してしまい、ほとんど使われていないような例も見受けられるが、ここでは実際に活用され、入居者の生活に馴染んでいる。また、どの空間も、用意されている調度品や機器に例外なく上質なものが使われていたことも印象的だ。一切の手抜きが感じられないので、こういった付加価値に魅力を感じる方はきっと気に入るだろう。
開設から間もなく1年を迎え、徐々に雰囲気も定まってきている。気になる方は、早めの見学をお勧めする。
撮影/津野貴生
【データ】
施設名:クラーチ・フィエラ鷺ノ宮
公式WEBサイト:http://www.kuraci.co.jp/house/fiera/saginomiya/
所在地:東京都練馬区中村南3-23-18
最寄駅:西武池袋線「中村橋」駅徒歩10分、西武新宿線「鷺ノ宮」駅徒歩11分
類型:介護付有料老人ホーム
運営主体:株式会社クラーチ
敷地面積:1845.83平方メートル
延床面積:3567.50平方メートル
室数:70室(個室64室・2人居室6室)
入居要件:入居時に要介護(原則満60歳以上の方)
構造:鉄筋コンクリート造地上4階建
開設年月日:2017年7月1日
料金:
【1】1Rタイプ(23.01平方メートルの部屋の場合)
●前払金方式/前払金880万円(非課税)+月額利用料24万2880円(税込)。月額利用料内訳は家賃相当額4万2000円、管理費16万8480円、食材費3万2400円
●月払い方式/敷金35万4000円(非課税)+月額利用料37万7880円(税込)。月額利用料内訳は家賃相当額17万7000円、管理費16万8480円、食材費3万2400円
【2】1LDKタイプを1人利用(42.09平方メートルの部屋の場合)
●前払金方式/前払金2980万円(非課税)+月額利用料28万3500円(税込)。月額利用料内訳は家賃相当額6万円、管理費19万1160円、食材費3万2400円
●月払い方式/敷金103万2000円(非課税)+月額利用料73万9560円(税込)。月額利用料内訳は家賃相当額51万6000円、管理費19万1160円、食材費3万2400円
【3】1LDKタイプを2人利用(42.09平方メートルの部屋の場合)
●前払金方式/前払金2980万円(非課税)+月額利用料40万3440円(税込)。月額利用料内訳は家賃相当額6万円、管理費27万8640円、食材費6万4800円
●月払い方式/敷金103万2000円(非課税)+月額利用料83万4000円(税込)。月額利用料内訳は家賃相当額51万6000円、管理費27万8640円、食材費6万4800円
※施設のご選択の際には、できるだけ事前に施設を見学し、担当者から直接お話を聞くなどなさったうえ、あくまでご自身の判断でお選びください。
【このシリーズのバックナンバー】
●小田急沿線で「住まい」にこだわるサービス付き高齢者向け住宅<前編>
●小田急沿線で「住まい」にこだわるサービス付き高齢者向け住宅<後編>
●充実した介護体制を備えるサービス付き高齢者向け住宅<前編>
●充実した介護体制を備えるサービス付き高齢者向け住宅<後編>
●有料老人ホームとサ高住の両方のメリットを兼ね備えた終の棲家<前編>