71才で動画投稿を始めた“ファッション系YouTuber”ロコリさん 活動の理由は「おひとりさまの年金生活が不安だった」
YouTubeやインスタグラムなどのSNSは若者向けのイメージが強いが、総務省の「2022年度通信利用動向調査」によると60才代のSNS利用率は73.4%、70才以上のSNS利用率も上昇傾向にあることが判明した。SNSを楽しむシニア世代に向けて情報を発信するインフルエンサーも増え続け、中にはスターの座にのし上がる人もいる。71才でYouTuberになった人気シニアインフルエンサーの素顔に迫った。
ロコリさん(73才)/YouTube「70代 ロコリ」。総フォロワー数約4万人。
1951年生まれ。西日本新聞で毎月第3月曜にエッセイ『空を見上げて』を連載中。著書に『72歳、好きな服で心が弾む、ひとり暮らし』(KADOKAWA)がある。
収益と自己表現向上のために動画投稿を開始
「YouTubeを始めたのは、収益と自己表現を向上させるためです」
そうきっぱりと言うのは、福岡在住のファッション系YouTuberのロコリさん。
「69才のとき、それまでパートで働いていた百貨店が閉店してしまって、年金は支給されていましたが、手取り5万円では生活できない。そこで、たまたま見つけたマクドナルドの新店舗でアルバイトを始めたのと同時に、それ以外で副収入を得たいと思って、以前から興味のあったYouTubeを始めようと思ったんです」(ロコリさん・以下同)
投稿するにあたり、まず考えたのが“テーマ”だ。
「最初はDIYにしようと思い、ふと“ばあさんのDIYなんて、誰が興味を持つんだろう?”と思い直し、デザイナーやスタイリストなどの自己表現ができる仕事につきたかったことを思い出したんです」
試しにいくつかのYouTuberのチャンネルを見てみたが、当時はファッション系のものはあっても、シニア向けのものはほとんど見当たらなかったという。
「特に60代以上は、有名人のインフルエンサーはいても、私のようなごく一般的なシニアをターゲットにした人は少なくて、“これはチャンス!”と思ったんです。昔から洋服は好きでしたし、以前、私はアパレルショップを運営していた経験もあったので、“これならできる!”と思って、手持ちの服で着回しコーディネートを紹介するYouTubeチャンネルを開設しました」
プチプラコーデで人生大バズり!文才も開花しライフスタイル本を出版
紹介するコーディネートはユニクロ、GU、しまむらなどの“プチプラコーデ”が中心だ。
「狙っているというより、私自身、お金がなかったから、安い服しか買えなかったというのが理由です。でも、結果的に見ている人が買いやすく、真似しやすいファストファッションのコーディネートはウケがよく、すぐにチャンネル登録者数も増えました」
そこに本の出版の話が舞い込んだ。
「それまでブログは書いていましたが、まさか自分にそんな話が来るなんて思ってもいませんでした」
2023年3月に初めての著書を上梓。そこからさらに人生が変わっていく。
「エッセイを読んでくださった西日本新聞のかたから、『月1回コラムを書きませんか?』と依頼されたんです。YouTubeを開設してからまだ1年くらいの話ですよ!周りもびっくりしていますが、いちばん驚いているのは私本人。こんなことがあるんだなあと、いまでも思っています」
YouTubeの収益は多いときで1か月に約7万円、少ない月でも4万円程度にはなるという。
「私はそれまで何をしてもうまくいかなくて、“人生迷い子状態”だったんです。だから周りの人をうらやましく思ったり、妬(ねた)んだこともありました。でも、思い切って71才で始めたYouTubeで人生が大きく前進しました。年を取ってからでも、人生って何があるかわかりませんね」
「ロコリさん」に聞いた一問一答!
【Q1】家族構成は?
3年前、認知症の母の介護を終え、現在はひとり暮らしです。
【Q2】健康に気をつけていることは?
最近、ジムの会員になりました。でも、いちばん長続きしているのはウオーキングでしょうか。歩かないと太る傾向にあります。
【Q3】好きな食べ物は?
和食はなんでも好きです。
【Q4】推しはいますか?
クリエーターの矢吹恭子さんが描く、ニューヨーク生まれのイラストキャラクター「ファッショニスタキャッツ」。
【Q5】気になるインフルエンサーは?
ポップクリエーターのあさぎーにょさん(@asagiinyo)。若い女性デザイナーさんで、清潔感があり、色のセンスが抜群です!
取材・文/廉屋友美乃
※女性セブン2024年2月15日号
https://josei7.com/
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