《80歳を超えても元気な秘訣は散歩》保健学博士が教える散歩を習慣にするコツは「散歩だけを目的にしない」こと
健康のために散歩をはじめようと思っても、どうにも退屈で続かないという人もいるだろう。しかし、『ボケない散歩』(アスコム)の著者で保健学博士の石田良恵さんは、散歩を続けているおかげで83歳となった今でも元気なのだという。そこで石田さんに、散歩を楽しく続けるための秘訣について教えてもらった。
教えてくれた人
石田良恵さん/保健学博士
いしだ・よしえ。1942年埼玉県出身、女子美術大学名誉教授。フロリダ大学スポーツ科学研究所客員教授(1989~1990)。専門は身体組成で、主に減量、加齢、トレーニング効果。定年退職後、登山に目覚め、国内外問わず山に登る。生涯登山を目指した筋トレの必要性から「山筋体操」を指導。全国規模で普及活動や講演を行う。著書に『ボケない散歩』(アスコム)など。
散歩だけを目的にしない
散歩を退屈と感じる人に石田さんが伝えているのは、「散歩だけを目的にしない」、つまり歩くためだけに散歩をするのではなく、別の目的を持って、そのついでに歩くということだ。石田さんも毎回、何らかの目的を決めているという。
「季節の移ろいを感じることが目的の1つです。『今日の桜は何分咲きか見に行こう』『木々の葉が色づき始めているか見に行こう』など。それでも『やっぱり歩くのは退屈……』という方は、『ついで』と『情報収集』、『決まり事』をキーワードに散歩の目的を作ってみてください」(石田さん・以下同)
「ついで」の散歩
何かのついでに散歩をするのもよい。石田さんの一番のおすすめは、買い物のついでに少し遠回りをして散歩をすることだ。ただし、買い物袋を持って遠回りをするのは大変なため、遠回りの散歩は行きの道でやるのがおすすめ。
「荷物は手に持たずバックパック(リュック)を使うと楽に歩けます。ついでの遠回りが、いつの間にか楽しみになったという方もいますよ」
「情報収集」の散歩
散歩に行った先で見つけた情報を覚えたりメモしたりしておき、帰ってから調べる「情報収集」は、散歩中にネタ探しをするイメージだ。
例えば、買い物に行ったなら、売っている物の値段をしっかりと確認し、いつもより高い商品について帰宅後にインターネットで値上がりの原因を調べたり、歩いているときに行列ができている飲食店を見かけたら、なぜ行列ができているのかを調べたりする。天気のせいで値上がりしていたり、テレビ番組で特集されたことで注目され行列ができていたりなど、調べて原因がわかると気持ちがいいため、散歩が楽しくなっていく。
「散歩は情報収集のチャンス。興味を持ったら新聞やインターネットですぐに調べる。散歩のついでのボケ防止。一石二鳥だと思いませんか?」
「決まり事」の散歩
「これだけはやる」という決まり事を作るのが、「決まり事」の散歩。
例えば、「道端で見かけた植物の写真を1枚撮る」「すれ違った子どもの数を数える」「神社や仏閣があったら必ずお参りする」「散歩の途中で俳句を一句詠む」「目標の歩数を決める」「毎回、歩く場所を変える」などだ。
「私は、道端に咲く花や雑草を少し摘むことを決まり事にして、それをお風呂場に持ち込み楽しんでいます。ただ、勝手に摘むことが禁止されている場所もあるので、注意しましょう。毎日の生活の中で、部屋に草や花を飾らない日はないので、散歩の途中で摘んだ草花を浴室に飾ったり、押し花にしたりするのは、私にとって楽しみです」
散歩道や散歩する場所の選び方も大切
楽しく散歩をするのであれば、散歩道や散歩の場所を選ぶことも大切だ。景色が変わらない壁に囲まれた道を延々と歩いていても、すぐに飽きてしまう。
「私のお気に入りは、川沿いの緑道。春には満開の桜が咲き誇り、夏にはセミの鳴き声に耳を澄まし、秋には紅葉が楽しめる。季節ごとに表情を変えるこの道は、歩くたびに楽しい発見があります」
季節ごとの散歩のポイント
散歩道は季節によって変えるのもおすすめだ。季節の移り変わりを感じやすく、過ごしやすい春は、自然が多い散歩コースを春の陽気に誘われるまま少し長めに歩いてみよう。
一方、夏であれば、早朝の涼しい時間に、日陰や休憩できる場所がどこにあるかをよく知っている慣れた道を歩くのがおすすめ。秋は春と同じように日中でも安心して歩けるため、自然の美しさを楽しめる散歩コースを選んでみよう。ただし、景色もきれいで気候的にも歩きやすいため、歩き過ぎて体調を崩したりしないよう注意したい。
冬に散歩をする場合は、手袋、帽子、マフラーでしっかりと防寒したうえで、雪が積もっていたり、路面が凍っていたりしない安全な道を歩くようにしよう。また、朝は筋肉がこわばりやすく、転倒や体の痛みにつながりやすいため、日中に歩くのがおすすめだ。
「冷たい風に頬をなでられながら歩いていると、気持ちがスッと整っていくのを感じます。これは、他の季節では味わえない、冬ならではのクリアな感覚です。その特別な感覚を安心して楽しむためにも、防寒対策や歩く時間の工夫は欠かせません」
ショッピングモールや百貨店も散歩におすすめ
ショッピングモールや百貨店を散歩コースにしてもいいと石田さんはいう。ショッピングモールや百貨店は空調が整っているため、暑い日や寒い日でも快適に歩けるうえ、天候にも左右されることがない。さらに、床が平らで段差もなく、転倒の心配も屋外より少ない。転倒した場合も人目があるため、いざというときには助けを求められるうえ、屋外と違ってひと休みがしやすいというメリットもある。
「買い物のついでにモール内を歩き始めたら、気が付けばぐるっと一周していた、なんていうこともよくあります。散歩は、必ずしも屋外を歩かなくてはならないわけではありません。自分の生活の中にある場所をうまく活用することが、続けるコツです」
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