「厳しい脂質制限の努力は報われるのか?」NO老いるLIFE~母と娘のほんわか口福日誌~第11回
漫画家で栄養士の資格をもつうえだのぶさんの母(81才)は原因不明の慢性膵炎。退院後は膵臓に負担をかけないための脂質制限生活を送ってきた。そして再検査の日を迎え――。「脂質1食5g」のハードな制限は解除されるのだろうか?
再検査の結果発表!
慢性膵炎の退院から2か月、血液検査の日がやってきました。
アミラーゼ値※が正常に戻っていれば「脂質制限解除」です。
※膵臓から分泌される消化酵素。膵臓に異常があると数値が上昇する。
退院1か月後の検査では数値が正常値の3倍近くあって解除にならず、そのまま「脂質1食5g」の食生活を頑張ってきました。努力はきっと実を結ぶはず。そして結果は――。
「正常値です。脂質制限は終了です。」
やった~~~よかった~~~!!!
もちろん好き放題食べていいわけではなく(←ここ大事)
「脂質1食5g(1日15g)」の制限がなくなるだけで、
適量で食べること、膵臓のためにちょっと控えめで「1食10gくらい」、
「多くても1日40gくらい」を目安に食べることになりました。
母世代の1日の脂質摂取の目安は、約37~55gくらいなので(NOオイルMemo参照)そんなに変わりません。
母が期待している「揚げ物食べ放題!」は無理ですが、NOオイルのものと組み合わせて油物を食べることはできそう♪
原因不明の慢性膵炎なので、またいつ発症するかはわからないけど、
今後は脂質控えめの食事で気を付けて食べていこうね。
そんなすぐには再発しないよね。
先生もそんなこと言ってなかったもんね。
頑張ったねー。頑張ったよー。
――ところが!!
母と2人で喜んでいたのもつかの間、検査の1週間後のことです。
明け方、母が「お腹が痛い」と私を起こしてきました。
朝イチで病院に行きました。
アミラーゼ値が正常値の10倍以上ありました。
そのまま入院になりました。
私も母も訳がわかりませんでした。。。
NOオイルMemo「母世代(75才以上)の脂質目安量は?」
このエッセイで「脂質1食5g」を連呼してきましたが、そもそも母世代は1食どのくらいの脂質量が目安なのかというと――。
食べ方の指標になる「日本人の食事摂取基準」というものがありまして、脂質の基準は1日に必要なエネルギー量の20~30%(kcal)が目標量です(ちなみに1才以上はすべて共通です)
母世代(75才以上)の健康な女性(自立で活動できる人)では、1日1650kcalが目安(推定エネルギー必要量)。
そこから計算すると、1食12~18gくらいが目標量になります。あくまでひとつの目安ですが、なんとなく気に留めてもらえたら、“幸せます”(山口弁)。
*医師・管理栄養士の食事指導を受けているかた絶対にそっちを守ってくださいねー!
のぶさん&のぶママのNO老いるライフ、さらなる試練が――。次回は12月20日公開予定です。
絵と文
漫画家・うえだのぶ
イラストレーター・漫画家。57才。山口県で81才の母とふたり暮らし。40代で地元の短大に入学し、栄養士の資格を取得。地元山口県を拠点に、漫画を利用した食育や時短調理などの栄養講座の講師なども務めている。
ホームページ:uenobu.com アメブロ:https://ameblo.jp/abareinupoti/ インスタ: https://www.instagram.com/nobuueda/?hl=ja
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