母の膵臓ピンチ!「絶食の日々、なんでの嵐」NO老いるLIFE~母と娘のほんわか口福日誌~第12回
原因不明の「慢性膵炎」を抱える80代の母と暮らす漫画家で栄養士の資格をもつうえだのぶさん。母娘二人三脚で膵臓を労る食生活を送ってきた。2か月にわたるハードな脂質制限生活がいったん解除されたものの、まさかの再入院!いったい何が起こったのだろうか。
「なんで?なんで?」
念願の「脂質制限解除」に大喜びしたのも束の間、1週間で再発、しかも即入院となり、
訳が分からず困惑する私と母に更なる「なんで?」が…。
今までだったら入院してすぐ正常に戻っていたアミラーゼ値が一向に下がらないのです。
膵炎の治療は基本「絶食」。アミラーゼ値が正常値に戻ったら、やっと「おもゆ」から食事が再開されます。
つまり、正常値に戻らなければ――ずっと「絶食」。
これまでのように入院の翌日には「今日から食事が出るって♪」と嬉しそうに母から電話がかかるもの、と思っていたのに今回は3日経っても4日経っても「今日もダメって言われた。。。」と沈んだ声の電話しかかかりません。
もちろん絶食と言っても栄養点滴は入るでしょうから、ゲッソリ痩せて骨と皮に…なんてことはないと思いますが、お腹は空くだろうし、筋肉や骨が衰えないかと心配は尽きません。
とうとう入院5日目。母からの電話。
母「今日もまたダメって。。。。」
のぶ「なぜ!?なんで!?なんで今回は数値が下がらないの!?!?!?」
時は2021年5月下旬。コロナ禍の真っ最中。面会どころかナースセンターに様子を聞きにいくこともできず、母からかかってくる電話しか情報がないというもどかしい状況に、不安と恐怖で頭はパンパンでした。
そして入院6日目。
母とは違う番号からの着信!担当医の先生でした。
「お母さんの膵炎の原因は、もしかしたら“石”かもしれません。うちでは対処ができませんが大学病院の先生と話がついているので、ご希望でしたら明日転院しましょう」
「石?転院?明日??」
訳が分からないまま「よろしくお願いします!」と電話に向かって叫び、その後は訳が分からないまま看護師さんと転院の手続き。真っ白になっている頭の片隅で「早く、早くごはんを食べさせないと!」と叫び続ける自分の声が聞こえていました。
NO老いるMemo「膵臓に石」の謎
「膵臓に石」ってどういうこと?とお思いの皆様へ。
謎のまま年を越すのは不完全燃焼になっちゃうかもしれないので解説しておきますね。
医師の説明によると、膵臓の中で作られた膵液は「膵管」という細い管を通って十二指腸の辺りに出るのだそうです。母はその膵管に小さな石が詰まってしまい、炎症を起こしているとのこと。
なぜそんなことに?食べ物は関係あるの? そのあたりの謎は、また年が明けてからお伝えしますね。
「なんでだろう~」の連続ですったもんだの母娘。ほんわか口福な日々はやってくるのか――。次回は2024年1月3日公開予定です。
絵と文
漫画家・うえだのぶ
イラストレーター・漫画家。57才。山口県で81才の母とふたり暮らし。40代で地元の短大に入学し、栄養士の資格を取得。地元山口県を拠点に、漫画を利用した食育や時短調理などの栄養講座の講師なども務めている。
ホームページ:uenobu.com アメブロ:https://ameblo.jp/abareinupoti/ インスタ: https://www.instagram.com/nobuueda/?hl=ja
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