コラムニスト・朝井麻由美さん『ソロ活女子のススメ』作者が明かすおひとりさまの極意
女性の“ソロ活”に注目したドラマと話題になった『ソロ活女子のススメ』。作者である朝井麻由美さんの驚きのソロ活の数々をご紹介。くすっと笑える中にも、学びがありました。
ソロ活のきっかけは友達のひと言から
ひとりカラオケやバーベキュー、ひとり鉄道旅は、まだ序の口。花見、ボウリング、アフタヌーンティー、果物狩り、ビアガーデン、スイカ割りからリムジン貸し切りなど、無数のソロ活を行ってきたのがライターでコラムニストの朝井麻由美さんだ。
「ソロ活に目覚めたのは20年近く前、大学1年生のときです。同級生の女の子の『私、ラーメン食べたいと思ったらひとりで行っちゃうな』というひと言がきっかけです。当時の私はひとりで行動するなんて選択肢になかったので、『へえ~』と目からウロコでした。
初めてひとりでラーメン店に入ったときは、やはり緊張しました。店内に私くらいの年齢の女子はいなかったし、『店員さんに変な目で見られたらどうしよう』とドキドキしたものですが、そんな心配は杞憂(きゆう)に終わり、ただただおいしくいただきました(笑い)」(朝井さん・以下同)
それを機に、「女子がソロ活をしたら恥ずかしいんじゃないか」と足かせをはめていたのは自分自身と気づいて、自意識から解放され、ソロ活道に邁進した。
「毎回尻込みするのですが、やってみると『なんだ、できるじゃないか』と、一つひとつ乗り越えていくうちに楽しくなっていきました」
朝井さんが思うソロ活のメリット
ソロ活のいいところはたくさんあるという。
「特に、焼き肉でも寿司でも、同行者を気にせず、自分の好きなものを好きなだけ食べられる点です。大勢で焼き肉に行くと、本当に食べたいものが少ししか食べられないじゃないですか。それに、無駄なものを食べないので、食べすぎることもありません」
ソロ活スタートはまず何から始めたらいいか
初心者でもやりやすいソロ活はあるのだろうか?
「意外と初心者向きだと思ったのが、猫カフェです。みんなが猫に夢中なので、店内はほぼおひとりさま状態です。疲れている人は、プラネタリウムがおすすめ。私は開始5分で眠りに落ち、1時間快眠しました。疲れを取りたいという女性のひとり客も多いんですよ」
数々のソロ活で、唯一失敗したものがある。
「それはひとりバーベキュー。『火おこしなんて簡単だ』とタカをくくっていたら全然つかなくて、3時間くらい格闘した末、結局となりのグループに火がついた炭を分けてもらいました(笑い)。過去の乏しいバーベキュー体験でできる気になっていましたが、実際は何もできなかった。結果的に、人に頼っていたんだなと身をもって感じた体験でした」
ソロ活で得たものとは…「嫌いなものがはっきりした」
朝井さんは、ソロ活を通して得たものも大きいという。
「自分の好きなもの、嫌いなものがはっきりわかるようになりました。人についていってふんわりと体験したものは、何となく楽しかったという記憶が残っていても、それが本当に好きなのかよくわからない。でも、ひとりで向き合うと、本当に好きなものは輪郭がくっきり浮かび上がり、色彩が鮮やかになる感覚があります」
ソロ活を経験することで“好き嫌いの解像度”が上がるのだという。
「ソロ活って自分を知り、肯定するためのセラピーじゃないかと思うんです。たとえば、急に時間が空いたら、何をしたいですか? したいことが浮かばない人は、好き嫌いの解像度が低いかもしれません。一方で、やりたいことがたくさんあってワクワクできれば、毎日が楽しくなり、そんな自分を好きになれますよね」
おひとりさまの極意は、己と向き合い、己を知ること。知れば知るほどソロ活は深い。
教えてくれた人
朝井麻由美さん/ライター、コラムニスト
執筆テーマはソロ活、人見知り、ひとり旅、食、ゲームなど。『ソロ活女子のススメ』(大和書房)はドラマ化された。『二軒目どうする?~ツマミのハナシ~』(テレビ東京系)などテレビでも活躍中。
取材・文/佐藤有栄
※女性セブン2022年11月3日号
https://josei7.com/
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