猫が母になつきません 第450話「カバーする」
最強の雑草といわれるチガヤをほぼ撲滅したエリア、玄関前なので土だと殺風景で、雑草対策もかねてグランドカバーを育てることにしました。グランドカバーというのは地面を覆う植物の総称で種類がたくさんあり、ネットで調べたりガーデニングのお店に行って実際に見たりして、メンテナンスがあまりいらず、丸い葉っぱが愛らしい「ダイカンドラ」を育てることに決めました。種から育てられるというし、肥料もあまりいらないらしい。
実家に住んでいたときは何かを植えようなんて考えたこともありませんでした。私は草抜きとすでに生えている木の剪定で手一杯、育ちすぎる植物たちと格闘していました。母は野菜を育てていましたが育てるというより、生えてきてるっていう感じ。雑に植えるのでどこから何がでてくるのかわからなかったし、本人も植えた記憶のないハーブがいつの間にか群生したりしていました。それはそれで料理によく使っていましたが。
種まきなんて小学生以来だし、ダイカンドラの種はまんまるでとても小さくて植えるというよりばらまく感じ。発芽を心待ちにしていましたが、これがなかなか生えてこない。そのうちダイカンドラ以外の雑草がどんどん生えてきて、こちらもダイカンドラとは「はじめまして」なのでどれがダイカンドラなのかよくわからなくなりました。発芽当初は丸い葉っぱじゃないらしいし。見分けるためにスマホで植物の写真を撮ると、その画像からAIがなんという植物か調べてくれる機能を使います。ありがとう、ぶんめいのりき。でも「これがダイカンドラなんじゃないか?」と思っていた芽もちがう植物という結果がでたりして、ますますわからなくなりました。きっと成長途中なのでわからないだけ。確実にダイカンドラじゃないというものは抜きつつ、様子を見ることにしました。
ダイカンドラの種を蒔いたことで、草を全部抜くということができなくなってしまった。綺麗にするつもりが本末転倒というか…植物の迷宮にまよいこんでいます。
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作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母と暮らすため地元に帰る。ゴミ屋敷を片付け、野良の母猫に託された猫二匹(わび♀、さび♀)も一緒に暮らしていたが、帰って12年目に母が亡くなる。猫も今はさびだけ。実家を売却後60年近く前に建てられた海が見える平屋に引越し、草ボーボーの庭を楽園に変えようと奮闘中(←賃貸なので制限あり)。
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