大人の”おひとりさま活動”最前線!シニアにもプランが続々「注目はホテル+バカンス『ホカンス』」
あえてひとりの時間を楽しむ活動が「ソロ活」と呼ばれるようになって久しい。近年流行語にもなった「ソロキャンプ」もその1つ。現代の日本は昔と違い女性ひとりにでもやさしいプランが豊富だと専門家は話します。一体どんなプランがあるのか、大人のソロ活最前線を探ってみよう。
ひとりご飯の需要が高まる
カフェでお茶するのは平気でも、「ひとり外食」となると一気にハードルが上がる。だが最近は、ファミリーレストランにひとり席が設けられていたり、大人数で食べるイメージの鍋やしゃぶしゃぶに、ひとり専用店が登場したりと、ひとりでも食事がしやすい環境に。コロナ対策が、図らずもソロ活の追い風になっているようだ。
「コロナ禍とは関係なく、ひとりご飯の需要は高いのだと思います」と、トレンドウオッチャーのくどうみやこさんは言う。
「その証拠に、『オズモール』という女性向けウエブサイトでおひとりさま限定のレストランイベントを実施したところ、予定数以上の予約があったとか。参加者がすべてひとりなら、初心者でも挑戦しやすいですよね」(くどうさん)
誰かを誘いづらくてあきらめていた高級料理も、おひとりさまOKなら遠慮なく堪能できる。ひとりご飯の可能性は広がるばかりのようだ。
流行発信地として知られる伊勢丹新宿店本館の2階にある『シャンパーニュバー ザ スタンド』は、レディースフロアの一角にあるため、女性ひとりでも気兼ねなくシャンパーニュやコーヒーが楽しめると人気を得ている。
■シャンパーニュバー ザ スタンド(伊勢丹新宿店 本館2階)
ショッピングの合間に気軽に立ち寄れるカフェ。シャンパーニュやコーヒーのほか、軽食も食べられる。土日は終日混雑している。
「平均滞在時間は15~30分ほど。ここを目的にいらっしゃるというよりは、ショッピングの合間に、リフレッシュのために立ち寄るお客さまがほとんどです」(店舗マネージャーの笠間さん)
このように、気軽に立ち寄れる店なら、ソロ活初心者でも入りやすそうだ。
「しっぽりとひとり飲みをしてみたい」人の間では、一見敷居が高そうなホテルのバーを利用する人も増えている。
「夜景が見える窓際席があるバーなら、他人から背を向け、ひとりの世界に浸れます」とは、江口のりこ主演で話題となったドラマ『ソロ活女子のススメ』(テレビ東京系)の原作者である朝井麻由美さんだ。
日本は「ひとり」にやさしい国、韓国は?
ちなみに、海外にもおひとりさま文化はあるのだろうか。
「欧米では、バーやレストランは基本的にパートナーや家族、友人同士と食事をしながら会話を楽しむ場。よって、女性がひとりで外食に出かけるというのはポピュラーではないようです。
その点、日本はおひとりさま大国。こんなにひとりにやさしい国はほかにないでしょう。最近は、韓国にもおひとりさまブームが到来しているそうですよ」(くどうさん・以下同)
ソロ活には抵抗がないというくどうさんも、「ハードルの高い冒険」をした経験がある。
「思い切って“ひとりテーマパーク”をしてみたんです。躊躇(ちゅうちょ)はありましたが、やってみたら、ひとりだと空いた席にすべりこめるので待ち時間もなくスイスイ。パレードだって、ひとりぼっちの私を気にする人なんて誰もいませんでした。終わってみればすごく楽しくて、かなり達成感がありました(笑い)」
47%の女性がひとり旅を経験
ソロ活の代表格といえば、ひとり旅ではないだろうか。
JTBのアンケート(2017年)によると、約47%の女性にひとり旅の経験があり、その中心世代は50代。ひとり旅をした理由は「自由で気楽な旅がしたかった」というものだ。また、半数以上が今後ひとり旅をしてみたいと答えており、ひとり旅への関心の高さがうかがえる。
「私もひとり旅が好き。いくら仲のいい友人でも、『親しき仲にも…』で、何を食べようか、買い物はどうするなど、お互いにすり合わせなければいけませんが、ひとりならそういう気遣いを一切しなくていい。自分の好きなように行動できる自由さが醍醐味です。
初めてのひとり旅なら、たとえば趣味の山登りを取り入れるなど、好きなことを目的にすると過ごしやすいでしょう」