最新コロナ事情、対策|”マイクロ飛沫”は2m離れていても感染する可能性が
新型コロナウイルスが再び猛威を振るっている。感染拡大を広げないために今できることとは…。気になるマイクロ飛沫って? マスクの予防効果はどうなの? 新型コロナウイルス予防に関する最新事情をレポート。
東京医科大学教授が最新コロナ対策を発信
緊急事態宣言が発令し、新型コロナウイルスの感染拡大が収まらない。マスク生活もすっかり定着してはいるが、感染しない・させないために、改めて予防策について確認しておきたい。
そこで、東京医科大学が開催したオンライン講座『いつでもマスク なぜ大事? 新型コロナの予防について考える』の模様をレポートする。新型コロナウイルスの予防に関して、最近わかってきた新事実とは…。
→コロナ時代の正しいマスク選びと使い方7つのルール|フェイスシールドの効果は?
最新コロナ感染対策…7つの大切なこと
この講座に登壇した同大学・公衆衛生学分野の助教・町田征己さんによると、新型コロナの基本的な感染症対策は7つあるという。
【1】手指衛生
【2】咳エチケット
【3】社会的距離(身体的距離)の維持
【4】目口鼻を触るのを避ける
【5】発熱等の風邪の症状がある時は自宅安静
【6】3密を避ける
【7】外出時のマスク着用
これらの基本の対策を「正しい方法」で「いつも」実践することが大切だという。もう一度改めて7つの対策について徹底していきたい。
ちなみに、乾燥する季節には、加湿をするのも効果的で、湿度の目安は50~60%とのこと。加湿の効果は感染症対策のみならず、手の洗い過ぎによる手荒れにも効果的だという。
→加湿器のタイプ別メリット、お手入れ法をおさらい!シニアにおすすめ加湿器5選【家電コンシェルジュ監修】
マイクロ飛沫って?コロナで知っておくべき3つの知識
未知のウイルスとされてきた新型コロナウイルスだが、少しずつ解明されている。予防対策のために知っておくべき新たな情報とは…。
1.潜伏期間は?
町田さんによると、新型コロナウイルスについて新たにわかってきたことの1つは、潜伏期間だ。
潜伏期間は1~14日で、多くは2~7日。発症する2日前から感染力を持つため、今は元気でも明日発症する可能性があるわけだ。
つまり、元気なうちからウイルスを放出してしまうため、感染の自覚がないまま周りの人にうつしてしまう。そこで大切になるのが、“いつも”感染防止対策をすることだ。
→親に家庭内感染させない対策とは?同居、帰省時の注意点|訪問看護師がアドバイス
→寒い季節の健康法…感染予防に”温かい”格好をするのは正解?
2.マスクで予防は可能か?
「最新の実験的な研究から、マスクには予防効果もある可能性がわかってきました。
コロナが流行し始めた当初は、マスクは感染を広げないためのものという認識でしたが、マスクをつけていると、人からウイルスをもらうことも防げるかもしれないということですね」(町田さん)
ただし、実験結果と実社会で起きることに違いが出ることはよくあるため、マスクをつけていれば完全に予防できるかどうかの最終結論はまだ出ていない段階だ。
→マスク生活が招く危険な口呼吸を鼻呼吸に戻す「舌回し体操」&「鼻トレ」
3.マイクロ飛沫感染って?
新型コロナウイルスの感染経路には、接触感染や飛沫感染に加え、“マイクロ飛沫感染”があることがわかってきた。
マイクロ飛沫とは、飛沫核や飛沫によってウイルスが拡散されるもので、飛沫に比べてより遠くまで伝播し、日常会話でも感染し得るというものだ。
「マイクロ飛沫は、2メートル以上離れていても、換気の状況や接触する時間によって感染することを意味します」(町田さん)
それぞれの感染について整理すると、以下のようになる。
マイクロ飛沫への対策は換気が大事
町田さんによると、2020年の夏頃によく使われていた「エアロゾル感染」という言葉には明確な定義がなく、今後あまり使われなくなっていくのではないかとのこと。
厚生労働省の資料※によると、
「マイクロ飛沫は、換気の悪い密閉空間では、5μm未満の粒子がしばらくの間、空気中を漂い、少し離れた距離にまで感染が広がる可能性もある」とされている。
つまり、マイクロ飛沫感染への対策としては、前述の7つの対策に加え、こまめな換気が大事となる。
東京医科大学ではこれまでの市民講座が視聴できる。こういった講座を活用して最新の情報を知り、“正しく恐れる”ことで新型コロナウイルスに備えておきたい。
※参考/厚生労働省「新型コロナウイルス感染症はこうした経路で広がっています」
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000657104.pdf
■東京医科大学オンライン市民公開講座 特設ページ
https://www.tokyo-med.ac.jp/univ/contribution/univ-lecture.html
取材・文/谷村光二
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