加湿器のタイプ別メリット、お手入れ法をおさらい!シニアにおすすめ加湿器5選【家電コンシェルジュ監修】
コロナ禍で部屋の換気や加湿が大切だ。とくに乾燥する冬場は、風邪やウイルス対策のためにも、とくに加湿器がマスト。そこで、シニアが使いやすい加湿器やおすすめの最新機種を家電の達人が指南!
【目次】
コロナ禍でさらに注目の”加湿器”
今年は新型コロナウイルスの感染対策で、加湿や部屋の換気が重要視されている。菌やウイルスは乾燥する空気中で拡散する一方、カビは高湿度で繁殖するため、湿度は40~60%にするのが最適だという。とくに乾燥が気になる冬に頼れるのが加湿器だ。さまざまなタイプがある加湿器の中から、シニア世代は何を基準に選ぶと安全に、そして快適に過ごせるのか、家電コンシェルジュの神原サリーさんにアドバイスいただいた。
まずは、加湿器のタイプ別のメリットデメリットを確認していこう。
加湿器のタイプ別・メリットとデメリット
「それぞれタイプによってメリット・デメリットがありますが、寒がりの人や、素早く加湿したい人には、スチーム式が最適です。
一方で、認知症の高齢者や小さなお子さんと同居している場合は、火傷の危険性を避けるためには、スチーム式はおすすめできません。
自分のライフスタイルを振り返り、何を重視したいかで選ぶといいでしょう。また、最近は、超音波式でも菌の繁殖を抑える工夫がされた加湿器も増えてきています」(神原さん、以下同)
→老親へのお年玉に!プレゼントしたい「親孝行家電」10選~安心編
●スチーム式
やかんでお湯を沸かす仕組みと同じ。加湿器内の水が煮沸されるので、空気中に放出される時に菌は死滅して安心。室温も上がりやすく、加湿スピードも速い。
ただし、電気代がかかることと、カルキ汚れが付着しやすいこと。置く場所に注意しないと、熱い蒸気でヤケドをしたり、周りのものが濡れたりする可能性も。
●気化式
・電化製品タイプ
フィルターに水を浸透させ、ファンで風を当てることで微細な水の粒子を空気中に放出。粒子は菌やウイルスより小さいので、加湿器内の雑菌類を室内に放出しにくい。省エネタイプが多い。
ただし、他のタイプより加湿に時間がかかったり、フィルターに水垢がたまりやすいものもある。
・電化製品ではないタイプ
コップなどの容器に水を入れ、紙などの素材を浸して自然に気化させる。電気代はかからず、加湿器自体も安い。ただ、加湿力は弱く、かなり狭い範囲でしか使えない。
●超音波式
水を超音波で振動させ、ミスト化して室内に放出する。雑貨店で販売されているものの多くはこのタイプで、おしゃれで比較的安いものが多い。大きさも部屋全体を加湿できるものから、卓上に置いたり携帯したりできるコンパクトなタイプまでさまざま。
ただし、他のタイプよりこまめな手入れが必要なこと。手入れを怠ると、加湿器内にカビや雑菌が繁殖し、ミストと一緒に室内に拡散されてしまうことも…。
●ハイブリット式
・気化式+ヒータータイプ
水を加熱しながら風で気化して加湿する。基本的には気化式の特徴と同じだが、水を温める分、加湿スピードは速く、温かめの風が出る。電気代は純粋な気化式よりかかる。
・超音波式+ヒータータイプ
水を加熱しながら超音波で振動させ、ミストを放出。基本的には超音波式の特徴と同じだが、水を温める分、火傷しない程度の温かいミストが出る。電気代は純粋な超音波式よりかかる。
→コロナを家族で乗り切る【調理家電】3選…夫が料理上手に!?
加湿器のお手入れ3つの注意ポイント
2018年に大分県の老人ホームでレジオネラ菌の集団感染が起き、男性1人が死亡したと報じられた。加湿器のお手入れが充分でなかったため、加湿器内に入り込んだレジオネラ菌が繁殖し、ミストと一緒に部屋中に拡散されてしまったことが原因だと考えられている。
そこで、加湿器のお手入れ方法を確認してきたい。
1.水を毎日取り替える
「どの加湿器にも言えますが、水は毎日取り替えるようにしてください。何日も入れっぱなしにしないよう気を付けてください。雑菌が繁殖したり、水垢の原因に。水を取り替えるついでに、タンクの中を軽くすすぐことも大切です」
2.カルキ汚れにはクエン酸水で対処
「スチーム式や超音波式など、蒸気やミストが目に見えるタイプは、水道水などによる白っぽい“カルキ汚れ”がつきやすいです。月に1~2回、タンクやフィルターをクエン酸水※に1~2時間浸けましょう。
ただし、特殊な素材を使っている場合はクエン酸が使えないこともあるので、事前に確認を」
※水100mlに市販のクエン酸を小さじ1/2の割合で溶かしたもの。
3.フィルターの掃除は習慣化
「フィルターは機種によっては水洗いだけでよいものもあるので、買ったらまずお手入れ方法を確認し、例えば毎週土曜の朝にお手入れするなどルールを作っておくとうっかり忘れてしまうのを防げます。ただ、フィルターは劣化するので、ある程度経ったものは交換しましょう」
→コロナ防衛は玄関から! ウイルスや花粉を家に持ち込まない掃除法
シニアにおすすめ! 最新加湿器5選
今年の冬にシニア層におすすめの加湿器は? サリーさんおすすめの加湿器をピックアップ。
スチーム式:象印マホービン スチーム式加湿器 EE-DB50
★おすすめポイント
→とにかくパワフルに加湿したい!でもお手入れは面倒な人におすすめ。
4リットルの大容量なので、強モードでも連続で8時間稼働できる。室温と湿度のセンサーを内蔵して湿度を自動で調整できるので、スチーム式にありがちな加湿しすぎも防止。湯漏れ防止、転倒防止など安全面にも配慮。
「電気ポットの形状なので、操作が覚えやすくシニアにはおすすめですね。フタを開けて水を直接入れてスイッチを入れるだけで熱い蒸気が出てきます。フィルターがない珍しいタイプなので、お手入れは本体にクエン酸水を入れるだけ。口が大きいので手も入れやすく、拭き掃除もスムーズです」
【データ】
商品名:スチーム式加湿器 EE-DB50
メーカー:象印マホービン
価格:2万円(編集部調べ)
ULR:https://www.zojirushi.co.jp/syohin/humidifier/eedb/
気化式:ダイソン ダイソン ピュア ヒューミディファイ アンド クール 加湿空気清浄機
★おすすめポイント
→ウイルスや花粉など空気の汚れが気になる人におすすめ。
加湿器と空気清浄機、扇風機の機能が1台で。360°カバーするフィルターが、PM0.1レベルの微細な粒子や有害なガスを除去し、きれいな空気を部屋の隅々まで循環させる。本体内部の除菌対策にも工夫されている。
「湿度や空気汚染が数値で表示されるので、目に見えない汚れも変化が実感しやすいです。タンクの水も紫外線を照射して除菌できるので、加湿も衛生的。お手入れの方法やフィルターの寿命もデジタル表示されるので、取扱い説明書を取り出す手間もありません」
【データ】
商品名:ダイソン ピュア ヒューミディファイ アンド クール 加湿空気清浄機
メーカー:ダイソン
価格:8万8000円(編集部調べ)
ULR:https://www.dyson.co.jp/air-treatment/purifier-humidifier/dyson-pure-humidify-cool/ph01-dyson-pure-humidify-cool-white-silver.aspx
気化式:パナソニック 加湿空気清浄機F-VXT70-TM
★こんな人におすすめ
→加湿もしたいけれど、花粉の季節は空気清浄機も使いたい…スペースに悩む人におすすめ。
加湿機と空気清浄機の一体型。床上に溜まりがちな花粉などをしっかり吸引し、独自のイオンである高濃度の“ナノイーX”を含んだきれいな空気を3方向の気流で放出。壁際に設置しても、部屋の隅々まで届く。加湿フィルターはたっぷりの水を素早く気化し、部屋中をしっかり加湿。
「春先の花粉の季節も、空調を1台で完結できて便利。気化式加湿器は本体が大きいですが、木目調の高級感あるデザインなのでお部屋に馴染みます。加湿フィルターは月1回の水かぬるま湯の押し洗いで済むなど、お手入れのしやすさも高ポイントです」
【データ】
商品名:加湿空気清浄機F-VXT70-TM
メーカー:パナソニック
価格:6万7000円(編集部調べ)
ULR:https://panasonic.jp/airrich/products/f_vxt70.html
ハイブリット式:シャープ プラズマクラスター加湿機 HV-L75
★こんな人におすすめ
→タンクを出し入れして給水するのは足腰に負担がかかる、という人におすすめ。
温かい風でスピーディーに加湿。プラズマクラスターを放出し、空気中に漂うカビやウイルスの作用を抑制。加湿フィルターの温風乾燥や、銀イオンカートリッジで水中の菌を抑制でき、衛生面も安心。
「水を入れるタンクにハンドルがついていて、持ち運びがラクチン。また、直接水を注ぎ足すこともできるので、やかんなどに水を入れてそのまま流し入れられるのも力のない方にやさしい設計。チャイルドロックもあるので、認知症の家族がいても安心して使えます」
【データ】
商品名:プラズマクラスター加湿機 HV-L75
メーカー:シャープ
価格:2万7000円(編集部調べ)
ULR:https://jp.sharp/kashitsu/products/hvl75/
超音波式:カドー STEM 300
★こんな人におすすめ
→リビングや寝室、車内など、いろいろな場所で気軽に使いたい人におすすめ。
床置きはもちろん、サイドテーブルにも置ける大きさで、気軽に持ち運べる。カビや細菌を99.9%まで除去する抗菌プレートを搭載し、除菌・消臭力を持つ専用の高機能電解酸性イオン水『Purio』(別売り)を使えば、衛生面も安心。
※抗菌プレート保護のため、お手入れはクエン酸水ではなく、中性洗剤を使用すること。
「水を入れるタンクが青く光るLEDライトに照らされ、ベッドサイドなどの間接照明にもピッタリ。ライトの照度は3段階で調整できるので、シーンに合わせて使えます。雑菌対策も考えられているので、従来の超音波式加湿器よりお手入れの面でも安心です」
【データ】
商品名:STEM 300
メーカー:カドー
価格:2万5273円
ULR:https://cado.com/pages/stem-300#info
今年の冬は進化した加湿器で乾燥対策をしっかり行い、元気に冬を乗り切りたい。
※価格は全て税抜き価格。
教えてくれた人
家電コンシェルジュ 神原サリーさん
新聞社勤務を経て、家電+ライフスタイルプロデューサーとして独立。コラムの執筆や商品開発など、家電の世界で多岐に活躍している。オフィシャルブログ『Sallyの家電アトリエ』http://kaden.k-sally.jp/
取材・文/西谷友里加
●コロナにかかりにくい血液型は? がんになりやすいのは…血液型別・注意すべき病気リスト【医師監修】