《見守りサービスの実態調査》利用したことがある人は約5%、うち2割が「定期訪問や新聞・食事の配達時に安否確認」を活用
離れて暮らす親が高齢だったり一人暮らしだったりすると、何かあってもすぐに気が付けないのでは…と不安に思うことも多いだろう。そんな時に頼りになるのが「見守りサービス」だが、実際の認知率や利用状況はどのようなものなのか。「見守りサービス」に関するインターネット調査からその実態をレポートする。
利用経験者は約5%「見守りサービス」に関する調査
離れて暮らす家族などの状態を確認・サポートする「見守りサービス」。高齢の両親や一人暮らしの親を持つ人の中には、導入を考えたことのある人もいるのではないだろうか。
そんな中、インターネット調査を中心に提供してる伊藤忠グループのリサーチ会社であるマイボイスコムは、3回目となる「見守りサービス」に関するインターネット調査を実施。本調査結果のうち、「見守る側」としての利用状況についてレポートしていく。
見守りサービスの利用状況
まず「離れて暮らす家族・親族などの状態を確認・サポートをする、見守りサービスを利用していますか」という質問を行った。その結果、見守りサービスの利用経験者は約5%となり、現在利用している人は約3%、別居している65才以上の高齢者がいる層では5%となった。また、サービスの認知率は6割弱となった。
利用したことがある見守りサービス
続いて見守りサービスの利用経験者に、利用したことがある見守りサービスについて尋ねたところ(複数回答)、「担当者が定期的に訪問して安否確認し、報告」が23.4%、「食事宅配サービス、新聞などの配達時に安否確認し、報告」が21.6%、「センサーを設置、異常時に家族などへ自動通知」が17.4%という結果となった。
また、別居している65才以上の高齢者がいる層では、「センサーを設置、異常時に家族などへ自動通知」「担当者が定期的に訪問して安否確認し、報告」「見守り対象者本人や家族から要請があった際に、サービス事業者が駆けつける」が上位にあがっているようだ。
見守りサービスを利用したきっかけと理由
次に、見守りサービスの利用経験者に、サービスを利用したきっかけ・理由について尋ねたところ(複数回答)、「家族・親族などが高齢になり、体の衰えや物忘れなどが気になるようになった」が40.7%で最も多く、「家族・親族などが要介護、認知症などの診断・疑いがあった」「家族・親族などが一人暮らしになった、夫婦だけの生活になった」が25~26%で続く形となった。
見守りサービスの利用意向
また、「離れて暮らす家族・親族などの状態を確認・サポートが必要になった場合、見守りサービスを利用したいと思いますか」という質問に対して、「利用したい」「まあ利用したい」と回答した人は合わせて約25%となった。女性では3割弱となり、特に40代の女性で高くなっているようだ。また、サービスを現在利用している人では8割弱、以前利用したことがある人では4割強という結果に。
利用したい見守りサービスの重視点
続いて見守りサービス利用意向者に対してその重視点について尋ねたところ(複数回答)、「料金」が72.2%で圧倒的に多く、続く「サービスの種類やプランの充実度」「料金体系のわかりやすさ」「緊急時対応のスムーズ・迅速さ」が4割前後という結果となった。
また、「申し込み手続きの簡単さ」「緊急時対応のスムーズ・迅速さ」「スタッフの対応・技術力」「プライバシーへの配慮、セキュリティ対策」「見守り対象者本人の意向、本人に適したもの」は、女性で比率が高くなっており、特に「緊急時対応のスムーズ・迅速さ」は女性高年代層で高い傾向となった。
見守りサービスを利用したい・したくない理由は?回答者のコメントを紹介
<利用したい>
・離れて暮らしている分、急には帰れないので何かあったときの対処が得られるのはありがたいと思う。(女性40才)
・一応、自分以外にのサポートがあるのは、ありがたい。(女性57才)
・実際先日所在不明になり、どっきりした。原因は電話の故障で無事だったが、確実に生存を確認できる手段が必要と痛感した。(男性55才)
<利用したくない>
・見守りサービスの仕事に乗じて盗難、背乗りなどの犯罪に利用されないか心配。また、見守りサービスが正しく機能しているのか疑心暗鬼になってしまう。(女性38才)
・離れていて、何もできないのに見えてしまうと心配が募るため。(女性41才)
・自分が受ける側になった場合を想像してみて、センサーやWebカメラなど、監視されているような感じがして嫌だなと思ったから。(女性41才)
<どちらとも言えない>
・今は子供たちに見守りされる側なので何とも言えないが、見守りされるのはうれしくない。(女性69才)
・必要に迫られないとどのように扱うべきか分からない。(男性59才)
・認知症の伯母達の為に使用していましたが、常にボタンを押してしまう為関係各所に迷惑でしかなかった。(女性53才)
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離れて暮らす家族の状態を確認・サポートする見守りサービス。そのサービスには様々な種類があるため、利用してみたいと考える人は自分や家族に合うタイプのサービスを探してみてはいかがだろうか。
【データ】
マイボイスコム
https://www.myvoice.co.jp/
【調査概要】
調査対象:MyVoiceのアンケートモニター
調査方法:インターネット調査
調査期間:2025年5月1日~5月7日
回答者数:11,833名
※マイボイスコムの発表したプレスリリース(2025年6月16日)を元に記事を作成。
図表/マイボイスコム提供 構成・文/秋山莉菜