猫が母になつきません 第235話「せんりょうされる」
寒い冬、猫と一緒に寝るのはなにものにも代えがたい至福のとき。以前は猫に腕枕をして寝ることが多かったのですが、去年肩を痛めてしまったのでこの冬はあまり腕枕はせずに枕を使うよう言い聞かせてきました。最初はちょっと不満そうでしたが、だんだん人間と違って動かない枕の方がよくなってきたようで、最近は自分からさっさと枕に頭をあずけています。それはそれでちょっとさみしい。私は長年の枕難民で、なかなかしっくりくる枕が見つからず、店頭で試したり、通販を物色したりして枕をとっかえひっかえ。今使っている枕は首を支える部分が高くなっていて頭がはまる部分は低いタイプで、そんなに高低差があるわけではありませんが中心が少し凹んでいるつくり。そうなると当然真ん中に頭がくるのが具合良いわけで、猫はそれを見逃しません。最近は朝起きると私は枕から完全にはずれており、枕を完璧に使いこなす術を覚えた猫だけが真ん中に顔をうずめて気持ちよさそうに寝ています。枕難民はまた新たな理想の枕を探すことに。今度はもっと大きくて、猫も人も頭のくぼみを確保できる枕を…あるんだろうか、そんな枕。
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作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母とくらすため地元に帰る。典型的な介護離職。モノが堆積していた家を片付けたら居心地がよくなったせいかノラが縁の下で子どもを産んで置いていってしまい、猫二匹(わび♀、さび♀)も家族に。