猫が母になつきません 第236話「いえない」
朝起きたら…というか起きれなかったんです。めまいで立ち上がるどころか座るのもむつかしく、上半身を起こせません。こんなことはもちろん初めてで、まさか…と最悪の事態が頭をよぎり、くらくらしながらもスマホでコロナの症状を検索。熱や咳はなく、ただただ激しいめまいと吐き気…わからない、とにかく病院に行くしかない、とまた救急車のお世話に。乗りすぎです、ほんとに。我ながらあきれます。この連載がはじまって3度目の救急車です。母ならまだしも、私が…。このご時世でなかなか受け入れ先が見つかりませんでしたが、脳卒中だといけないからと脳外科のあるところを探してくださって、なんとか病院が見つかりました。検査をして、点滴を4〜5時間して、やっと動けるように。幸い脳に異常はありませんでした。先生は耳が原因かもしれないけど、白血球が多すぎるのが説明つかないと。「最近何かはげしいストレスとかありましたか?」と聞かれ、私がもごもごしていると先生は「すごーく疲れたとか?」「何かにすごーく集中したとか?」といろんな表現をしてくださったのですが、すぐ後ろには私以上に身を乗り出して話を聞いている母が…(苦)。安静にするように言われ、暗くなって帰宅すると猫がお腹をすかせて待っていました。気持ちでなんとかしようと思っていても体がギブアップ、まさにその典型なのだと思います。みなさんもお気をつけください。次の日の朝…「たいへんよ!通帳とカードが全部ない!」と大騒ぎする母にたたき起こされるのでした(泣)。
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作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母とくらすため地元に帰る。典型的な介護離職。モノが堆積していた家を片付けたら居心地がよくなったせいかノラが縁の下で子どもを産んで置いていってしまい、猫二匹(わび♀、さび♀)も家族に。