支払い免除、補助金、コロナ支援制度…年末年始に確認しておきたいお金の申請リスト16選
新型コロナウイルスで影響を受けた人向けの支援制度のほか、支払いの免除やもらえる補助金など、申請しておくべきお金の制度をピックアップ。年末年始にチェックし、使える制度は早めに申し込みをしておきたい。ファイナンシャルプランナーの大堀貴子さんが解説する。
目次
コロナ関連の支援制度
・生活困窮者自立支援制度
地域の市区町村や自立相談支援相談窓口に相談することで、1人ひとりに合わせた支援プランを作成。就労支援、貸付、家賃や税金などの滞納防止支援、家賃費用給付などが受けられる。
申し込み:自立相談支援機関窓口一覧
https://www.mhlw.go.jp/content/000614516.pdf
・緊急小口資金
休業などで一時的な資金が必要な場合。
新型コロナウイルス感染症の影響により、休業または収入減少した場合に、一時的な生活維持のための貸付。学校等の休業、個人事業主等の特例の場合は上限20万円、その他の場合上限20万円。据置期間1年、返済期限2年、無利子、保証人不要。
・総合支援資金
失業等で生活再建のための資金が必要な場合。
新型コロナウイルス感染症の影響を受けて収入減少や失業し生活困窮した場合に、2人世帯は月20万円以内、1人世帯は月15万円以内で3か月間の貸付、さらに自立相談支援機関による支援を受けると3か月延長され最大6か月間貸付。据置期間1年、返済期限10年、無利子、保証人不要。
まず、緊急小口資金で貸付を受け、さらに収入減少が続く場合に総合支援資金の貸付を受けるといいだろう。
なお、上記の制度は、住民税非課税世帯で返済時に収入減少が続いている場合には、返済が免除される。
期限:2020年3月末
申し込み:住んでいる市区町村の社会福祉協議会
問い合わせ:個人向け緊急小口資金・総合支援資金相談コールセンター 0120-46-1999
※参考/厚生労働省 新型コロナウイルス感染症の影響で収入が減少し生活に困窮する方へ
https://corona-support.mhlw.go.jp/
※参考/厚生労働省 緊急小口資金等の特例貸付の受付期間等についてhttps://www.mhlw.go.jp/content/000703257.pdf
・住居確保給付金(家賃)
新型コロナウイルス感染症の影響により、離職、収入減少した場合に、原則3か月分の家賃を給付。求職活動を誠実に行っている場合にはさらに最長9か月まで延長可能。
問い合わせ:住居確保給付金相談コールセンター 0120-23-5572
・健康保険料・介護保険料等
新型コロナウイルス感染症の影響により収入が下がった場合に、国民健康保険料、後期高齢者医療制度及び介護保険の保険料の減免、徴収猶予が認められる。
・国民年金保険料
2020年2月以降に新型コロナウイルス感染症の影響により収入が下がった場合に、国民年金保険料の全部または一部の免除または猶予を受けられる。
対象期間は2020年2月~2021年6月までの支払保険料。遡って申請も可能だが支払済保険料は還付されない。ただし、前納、口座振替などで申請後の期間分に支払済になった保険料は希望すれば還付を受けることができる。
申請期限は特にないが、未納のまま万が一のことがあると年金を受け取れないことがあるため、早めの申請が必要だ。なお、免除を受けた場合に受け取れる年金額は保険料を全額支払っている場合と較べて減ってしまうため、10年以内なら免除期間の分を追納することも可能だ。
申し込み:住んでいる市区町村役場、国民健康保険組合
・厚生年金保険料等の標準報酬月額の特例改定(会社員)
新型コロナウイルス感染症の影響により休業し給与が大きく下がった場合に、会社が届け出てもらうことにより、健康保険料や年金保険料の算定に使われる標準報酬月額を翌月から改定してもらうことができる。報酬月額が下がれば、保険料も下がる。
・税金の猶予
新型コロナウイルス感染症の影響により税金の納付が困難となった場合に、税金納付の猶予が認められる。原則1年間の猶予。
申し込み:国税は管轄の税務署、住民税は都道府県、市区町村。
・電気、ガス、電話料金、NHK受診料の支払猶予
新型コロナウイルス感染症の影響のより、上記支払いが困難な場合に、事業者に相談すれば支払猶予を受けられる。
申し込み:各事業者
・生活保護制度
必要最低限の生活が送れないほど困窮している場合には、生活保護制度にて不足する生活費の給付を受けることができる。
【要件】
1.不動産、自動車、預貯金等がない(例外的に不動産、自動車の保有が認められる場合がある)
2.就労できない、就労していても生活費に充てられない
3.年金等の社会保障の手当を受けても生活費に充てられない
申し込み:住んでいる市区町村の福祉事務所
※参考/厚生労働省 生活を支えるための支援のご案内
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000622924.pdf
介護に関する給付・慰労金
・介護休業給付
介護により会社を休んだ場合に、休業前の月額67%の給付が受けられる。介護する家族1人につき3回まで通算93日まで休業期間中に受給可能。
また、会社の社会保険に加入していれば、パートでも受給可能。
なお、新型コロナウイルス感染症で介護施設が休業となり、介護休業をとらないといけなくなった場合も該当する。
申し込み:ハローワーク
→介護給付とは?介護給付で利用できるサービスって?【介護の基礎知識】公的制度<6>
・家族介護慰労金
要介護4または5以上であること、1年以上介護保険サービスを利用していない、通算90日以上入院していない、住民税非課税世帯などの用件を満たし、介護保険を利用せずに自分で介護をしているなど要件に該当すれば、10万円程度受け取れる。
申し込み:市区町村の役所
贈与関連
・教育資金一括贈与
父母または祖父母から子どもや孫への贈与で、1500万円までの教育資金の贈与にかかる贈与税が非課税になる制度。信託銀行等で教育資金にかかる信託口座をつくり、その口座から子や孫が教育資金を引き出す。
申し込み:信託銀行等
期限:2021年3月31日まで
・結婚・子育て資金の一括贈与
父母または祖父母から20~50歳までの子や孫の贈与で、1000万円までの結婚資金等にかかる贈与にかかる贈与税が非課税になる制度。資金は、結婚資金(上限300万円)、妊娠・出産費用、未就学の子どもの子育て費用に限られる。信託銀行等で信託口座をつくり、その口座から資金を引き出す。
申し込み:信託銀行等
期限:2021年3月31日まで
※上記2つの贈与税非課税制度は、2021年4月の税制改正で2年延長され2023年3月までとなる予定。
→相続、贈与の違いは?認知症の親から生前贈与は可能?贈与税の対策と注意点を解説
その他の税金・補助金
・ふるさと納税
応援したい自治体に寄付すると、寄付金が翌年の所得税・住民税の控除対象となる制度。実質2000円で特産品などの返礼品が受け取れる。寄付の期限は年内となっている。
申し込み:ふるさと納税の運営サイトなど
期限:毎年12月31日23:59:59までに寄付
→「見守り」「家事代行」等 親孝行できる【ふるさと納税】の返礼品が続々
・サポカー補助金
2020年度中に満65歳以上になるドライバーが、安全運転サポートを購入した場合、普通車新車なら最大10万円、軽自動車最大7万円、中古車最大4万円、後付けペダル踏み間違い急発進抑制装置を取り付けた場合には最大4万円の補助が受けられる。
サポカー補助金を申請するには、補助対象車両の登録後、次世代自動車振興センターに書類郵送。後付けの場合は、補助金が控除された金額を支払うため申請不要。
申し込み:次世代自動車振興センター
http://www.cev-pc.or.jp/support-car/support-car.html#hojosoufusaki
期限:2021年2月頃まで。予算を超過すれば早めに終了する場合も。
→サポカー補助金対象の『セレナ』福祉車両で家族一緒にお出かけ!
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コロナによる打撃で経済も低迷。冬のボーナスが減額となった企業も多い。さらに、来年は介護保険の自己負担額が増えることが予想される。お金にまつわる現行の制度を確認し、いざという時に備えたい。
文/大堀貴子さん
ファイナンシャルプランナー おおほりFP事務所代表。夫の海外赴任を機に大手証券会社を退職し、タイで2児を出産。帰国後3人目を出産し、現在ファイナンシャルプランナーとして活動。子育てや暮らし、介護などお金の悩みをテーマに多くのメディアで執筆している。
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