介護給付とは?介護給付で利用できるサービスって?【介護の基礎知識】公的制度<6>
いざ、介護が始まるというときに、介護制度がわからず戸惑ってしまうことも多いことだろう。わかりにくい公的介護保険制度について解説する。
介護給付とは?
介護給付とは、介護保険により受けられるサービスのうち、要介護1~5の人が受けられるサービス。サービスの利用料は保険料や税金から支給される(保険給付)。
介護保険では、原則として利用料の9割が支給され、残りの1割が自己負担となる(65歳以上で一定以上の収入がある人は8割支給、2割自己負担もしくは7割支給、3割負担)。
利用料を金銭で支給するのではなく、医療や施設利用、サービスの提供などといった「現物給付」という形で支給される。
ただし、居宅介護のための住宅改修や特定福祉用具販売については費用の一部を支給する「償還払い」となる。
介護給付で利用できるサービスの種類
居宅介護支援、自宅訪問型サービス、通所サービス、施設サービス。福祉用品のレンタルなど、介護に適した生活環境を整えるためのサービスもある。
介護給付で利用できるのは、以下の通り
・介護サービスの利用にかかる相談、ケアプランの作成
・自宅で受けられる家事援助等のサービス
・施設などに出かけて日帰りで行うサービス
・施設などで生活(宿泊)しながら、長期間又は短期間受けられるサービス
・訪問・通い・宿泊を組み合わせて受けられるサービス
・福祉用具の利用にかかるサービス
介護給付で利用できるサービス
●主なサービス
・居宅介護支援
└ケアプランの作成
・自宅訪問型サービス
└訪問介護(ホームヘルプ)、訪問看護、訪問入浴介護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導
・通所サービス
└通所介護(デイサービス)、短期入所療養介護(ショートステイ)通所リハビリテーション(デイケア)、認知症対応型通所介護
・施設サービス
└介護老人福祉施設、介護療養型医療施設、介護老人保険施設(老健)
・生活環境整備サービス
└福祉用具賃与、住宅改修、特定福祉用品販売
居宅サービスの利用限度額と自己負担額
訪問介護や訪問看護、訪問入浴などの居宅サービスでは、要介護度に応じた利用限度額(給付費)の範囲内で受けられるようなケアプラン(サービス計画書)を作成して、サービス内容を組み立てる。この範囲内であれば、利用料の1割(または2割、3割)が自己負担となる。
※限度額を超えて利用した場合は全額自己負担になってしまう。
居宅サービスの1か月あたり利用限度額と自己負担額のめやす
●要介護度別・1か月あたりの利用限度額・自己負担分:1割負担の場合
要支援1
└支給限度額:50,320円
└自己負担額:5,032円
要支援2
└支給限度額:105,310円
└自己負担額:10,531円
要介護1
└支給限度額:167.650円
└自己負担額:16,765円
要介護2
└支給限度額:197,050円
└自己負担額:19,705円
要介護3
└支給限度額:270,480円
└自己負担額:27,048円
要介護4
└支給限度額:309,380円
└自己負担額:30,938円
要介護5
└支給限度額:362,170円
└自己負担額:36,217円
自宅訪問型サービスの利用料は、1回あたり、または利用時間により設定されているが、通所サービスなどは要介護度によって自己負担額(支給限度基準額)が異なる。
●デイサービス利用の自己負担額
3時間以上5時間未満利用の場合(1割の負担額)
※通常規模の事業所(1か月あたりの利用人員が301~750人)の場合
要介護1:645円
要介護2:761円
要介護3:883円
要介護4:1003円
要介護5:1124円
※通所介護(デイサービス)は事業所の規模や所要時間によって費用が設定されている。
※送迎に係る費用も含まる。
※日常生活費(食費・おむつ代など)などは、別途負担する必要がある。
【参考資料】
公表されている介護サービスについて(厚生労働省)
https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/
構成/介護ポストセブン編集部