すぐ融資ってホント?緊急小口資金を記者が申込んでみたら
新型コロナウイルス感染症の拡大により、フリーランスのライターとして生計を立てている筆者の生活も大きな打撃を受けている。しかも、非常事態宣言がいつ解除されるか、解除されたところですぐに仕事の依頼が入るかわからない。
今後の資金的な見通しがまったく立たないのだ。そこで、とりあえずの生活資金を確保するため、先輩ライターに教えてもらった「緊急小口資金」の融資を申込んでみようと決意した。
緊急小口資金とは?
緊急小口資金とはもともと、「生活福祉資金制度」による低所得世帯のための少額の貸付の一種で、市区町村の社会福祉協議会、通称「社協」が窓口になっている。
新型コロナウイルス感染症の影響によって、休業や失業に追い込まれ、生活資金のやりくりに悩む人が増えたため、政府はこれまでの貸付条件を緩和し(これが特例貸付)、より多くの世帯が利用しやすくした。
●特例貸付の主なポイント
特例貸付の主なポイントは次の通り。
●対象:新型コロナウイルス感染症の影響で休業等による収入減少があり、緊急かつ一時的な生計維持のための貸付が必要な世帯(同感染症の影響で減収していれば、休業状態でなくても対象となる)
●貸付上限:20万円以内(従来は10万円以内)
●据置期間(返済が始まるまでの期間):1年以内(従来は2ヶ月以内)
●償還期限(返済期間):2年以内(従来は12ヶ月以内)
●無利子・無担保、保証人不要。月々の返済は8500円未満×24回
●申込先:市区町村社会福祉協議会または居住地域の都道府県の労働金庫(4月30日より労働金庫での受付が始まった)
<参考>
・新型コロナウイルス感染症を踏まえた生活福祉資金制度による緊急小口貸付等の特例貸付が行われます
https://www.shakyo.or.jp/coronavirus/shikin20200324.pdf
・新型コロナウイルス感染症を踏まえた生活福祉資金制度による緊急小口貸付等の特例貸付について(Q&A)
https://www.shakyo.or.jp/coronavirus/shikinQA.pdf
緊急小口資金を申込むことに決めた理由
緊急小口資金とはいえ、借金である。ライターという仕事には大した設備投資も必要なく、プライベートでも融資制度やローンは利用したことがない。しかも、今すぐに生活資金が不足するわけでもない。それだけに感染症の影響があるからといって借金をするべきかどうか悩んだ。
熟慮の結果、緊急小口資金の特例貸付を申し込むことにした理由は、以下の通りだ。
【1】前述の通り、いつになったら経済が平常に戻るのが見通せない。
【2】お金に困ってからでは遅い。いざというときのために現金を確保したい。
【3】貸付の窓口は混み合っているという情報をキャッチ。早めの準備がベター。
【4】無利子・無担保なので、手間がかかる以外のデメリットはない。しかも、今は時間の余裕がかなりある。
【5】個人事業主などに最大100万円給付される「持続化給付金」以外に、フリーランスがリスクなく利用できそうな制度は「緊急小口資金(特例貸付)」だけ。
無利子なのだから、借りたお金を使わなければそのまま返せばいい。フリーランスのライターにとってはこれもよい勉強になるに違いない。こう考えて、居住地域の社会福祉協議会(通称・社協)に電話してみた。
※筆者注:生活福祉資金には、緊急小口資金のほかに失業者向けの「総合支援資金」がある。こちらは完全休業状態で売上げの見込みが立たない場合に借りられるお金。緊急小口資金を借りた後でも生活再建のめどが立たない場合に利用できる。ただし、先に「総合支援資金」を借りると「緊急小口資金」は利用できないようなので、借りる前にまず社協に相談しよう。