50代からの痛くないSEX 8つの秘策を専門家が解説|シニアの性生活【実体験】
痛みは、潤滑ゼリーや手術などで解消できそうだが、それだけでは単に挿入できるというだけで、快楽までは得られない。そもそも、セックスで快楽を感じたことがない女性があまりにも多いと、女性向け性感マッサージサロン「月の光」を主宰する性セラピストの髙森由香さんは言う。
「私は、20~70代の女性1000人以上に、快楽・性欲を満たし、オーガズムに導く施術をしてきました。その経験から思うのは、年齢にかかわらず、セックスが気持ちいいと感じている女性が圧倒的に少ないということです」(髙森さん)
日本の男性は、アダルトコンテンツでセックスのやり方を学んでいるケースが多いため、女性の性感帯の知識が少なく、速いピストン運動をすれば、女性は「イク」と勘違いしている人が多いという。
パートナーとの信頼関係が土台
「腟は産道。赤ちゃんが出てくるときに痛まぬよう、鈍感です。ですから、男性器が挿入されただけでオーガズムへ達することはありません。パートナーとの信頼関係を土台に、クリトリスや乳首といった性感帯を刺激し、オーガズムを得られるようにすることが大切です」(髙森さん)
シニア女性のSEXは快楽を重視
50代以降のセックスは、生殖とは関係のない行為だ。だからこそ、1にも2にも気持ちよくあるべきなのだ。
「年を重ねると、自分にはもう一生、気持ちいいセックスなんてできないと思い込む女性が多いのですが、そんなことはありません。閉経したって濡れにくくなったって、何才からでも、やり方次第で、性の快楽は得られるのです」(髙森さん)
そのためには、女性側もパートナーに要望を伝え、お互いが快感を得るための“共同作業”という気持ちで行うのが理想的だという。
ラブグッズで自分の性感帯を知る
とはいえ、自分が何をされたら感じるかを、わかっていない女性が多いという。
「日本人は性へのタブー意識が強く、私の経験では、マスターベーションをしたことがない女性の方が多い。でも、自分の快楽のツボを知らないと、男性にどうしてほしいかを伝えられず、気持ちのいいセックスができません」(髙森さん)
自分の体を知るために、ラブグッズを活用した自慰行為がおすすめだと、ラブグッズ愛好家・桃子さんは言う。
「初心者におすすめは、“ローター”。まずはこれでクリトリスや乳首などの性感帯をやさしく刺激してみましょう。どう感じるかは人それぞれ。自分の体について知ることが大切です」(桃子さん)
最近のラブグッズは、おしゃれなデザインが多いが、選ぶ際は肌触りを重視すること。これらは通販サイトなどで購入でき、家族にわからないよう、商品名を変えて送ってくれる店が多い。また、パートナーと相談するなら、体位についても話し合う必要があるという。
「腟口の位置と男性器の角度や大きさを探り、バックスタイルや、女性が上に乗る騎乗位など、お互いの体に負担がかからない体位を探しましょう」(髙森さん)
セックスもファッションやメイクと同様、年齢に応じた楽しみ方がある。大切な人とのコミュニケーションの一環として、快楽を追求してみてはいかがだろうか。