世界から注目!94才インスタアイドル『グッチ』とコラボも
さをり織りとは、細かい決まりのない自由な編み物で、切れ端や分厚い生地等なんでも編み込めるのが特徴だ。森さんが作るカラフルで個性的なさをり織り作品と、それをキュートに着こなす恵美子さんが多くの人を惹きつけ、フォロワー数は3万6000人超え、ハイブランド『グッチ』とのコラボレーションも果たした世界が注目する超人気インスタグラマーとなった。
「モデルを続けるうちに、おばあちゃんの笑顔もどんどん自然になってきました(笑い)。私以外の孫たちから電話がきたり、病院でも声をかけられたりして、うれしそうです」(森さん)
恵美子さんも「今がいちばん幸せ」と話す。
「最初は“こんな年寄りがおかしい”って話したんです。でもやってるうちに楽しくなってきたわね。あはは」
そんな恵美子さんの笑顔の裏には、想像を絶するような苦労がある。太平洋戦争が始まったのが19才の時。出稼ぎ先の和歌山でなんとか生き延び、終戦後は沖縄へ戻った。結婚後4人の娘に恵まれたものの、35才の時、夫が破傷風で急死。その後、お腹の中に5人目の娘がいることがわかった。出産後は、早朝から夕方まで男に交じって畑を耕し、家に戻ってから内職。女手一つで5人の娘を育て上げた。空を見上げる余裕も、ファッションや、音楽を楽しむ時間もなかったという。
「唯一救われたのは、子供たちが健康だったことです。風邪をひいても、薬を買うお金がなかったからね。それはやっぱり神様に守られているって感謝しましたよ。でもね、くよくよしたって始まらないから。自分はこういう運命だったんだって諦めて、明るく生きてきた。そういう時代があったから、今は本当に幸せ。ただ、おいしいものをいただく時には、主人のことを思い出しますね。ごちそうとか何もない時代に亡くなったから、今まで生きていたらねって思う時がありますよ」(恵美子さん)
口元は微笑んでいるものの、目には涙を浮かべる恵美子さん。だが、すぐに笑顔を見せてくれた。
「インスタで新しいことに挑戦する楽しさを知ったから、他にも何か始めてみようかねって話になって、去年の12月からデイサービスに行き始めたんです。皆とトランプするのがすごく楽しいんですよ」(恵美子さん)
唯一残念なのは、元気すぎて要介護度が低く、週に1回程度しか通えない点だとか。94才のインスタアイドル、今後の活躍からますます目が離せません!
※女性セブン2017年8月17日号
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