その腸活、逆効果かも?腸年齢を老化させないために知っておきたい「やってはいけない腸活習慣」【専門家解説】
食べすぎや運動不足、生活リズムの乱れが続くと、腸内環境は知らないうちに悪化しやすい。腸の状態が乱れることで、体調不良を招くだけでなく、全身の健康や寿命に影響を及ぼす可能性もある。体調を整えたい、これから「腸活」に取り組みたいと考えている人に向けて、健康を保つための正しい腸活のポイントを専門家に教えてもらった。
教えてくれた人
石黒成治さん/消化器外科医、岩崎真宏さん/医学博士、辨野(べんの)義己さん/腸内細菌学者
「乳酸菌入りサプリ」「カロリーゼロ食品」は逆効果?
近年、腸活の重要性は一般化したが、よかれと思ってやっていた行動が逆に腸を老けさせてしまう、「やってはいけない腸活」もある。腸に有用とされる乳酸菌が入った飲料やサプリメントについて、消化器外科医の石黒成治さんがこう警鐘を鳴らす。
「単一の菌だけを摂取すると腸内の多様性が下がるというデータがあります。体にいいと思って乳酸菌入りの飲料やサプリを摂りすぎることで腸内環境のバランスが崩れて、自己免疫疾患になったり糖尿病になってしまうこともあるのです」
健康にいいイメージのあるサラダを食べる際にも、注意が必要だという。
「ドレッシングには炎症反応を起こす添加物が多く含まれています。食物繊維を摂れたとしても、結果的に腸内環境にとってはマイナスの行為になってしまう。塩こしょう、オリーブオイルやレモン、しょうゆ麹(こうじ)や塩麹などで味付けをするといいです」(石黒さん)
ダイエットに有用だと宣伝される「カロリーゼロ」、「糖質オフ」をうたう食品や飲料も避けるべきと言うのは医学博士の岩崎真宏さんだ。
「カロリーゼロ食品に含まれるサッカリンやアスパルテームなどの人工甘味料は、腸内細菌のバランスを崩し、カロリーがなくても血糖値のコントロール機能を悪化させるリスクが報告されています。カロリーを減らすために選んだものが、逆に代謝機能に悪影響を与える可能性があるんです」
ストレスが腸内環境を悪化させる
便秘を改善することは大切だが、トイレに長居するのはNG。
「スマホなどを持ち込んでまで長居してはいけません。いきまないと便が出ない時点で、すでに腸内環境は悪い証拠。私自身も73才までストンと出たのに、それ以降に便秘を初体験しました。老化の兆候だと思い、より一層生活習慣に気を配っています」(腸内細菌学者の辨野義己さん)
ここまで見てきた食や睡眠、運動や排便を含む生活習慣をどれだけ改善しても、精神的なストレスがあるとすべてが台無しになってしまうと、石黒さんが語る。
「ストレス状態になるとストレスホルモンのコルチゾールの数値が高くなり、腸内のビフィズス菌が減少したり、体内に入ってはいけない細菌や毒素が血液中に漏れ出すリーキーガット(腸漏れ)を引き起こします。仕事や生活上のストレスケアを大事にしてほしいです」
ストレスからくる便秘も要注意だ。
「ストレス性の過敏性腸症候群になると便がなかなか出づらく、出たとしてもウサギのようなコロコロの便になってしまう。こうなった場合はストレスを抱えている証拠なので、気をつけてください」(辨野さん)
食生活の制限を含め、腸活そのものがストレスにならない程度に腸年齢が老化しない対策をしてみよう。
辨野さんは、何才からでも腸年齢を若返らせ、若々しく保てるという。
「いくつになっても腸内環境を変えることはできるので、ぜひチャレンジしてみてください」
実は腸を老けさせる!「やってはいけない腸活4選」
【1】過度な運動
「アスリートはパフォーマンス後に腸内の有用菌が減るというデータもあるなど、過度な運動は体に負担をかける。自分の体に合った適度な運動を心がけましょう」(辨野さん)
【2】ヨーグルトや乳酸菌飲料の摂りすぎ
「近年、いくつかの乳酸菌が体重増加に影響を及ぼすと報告されている。スーパーなどではほとんど万能薬と思い込むような形で販売されていますが、リスクと効果を考慮して判断してください」(石黒さん)
【3】レタスがメインのサラダを食べる
「コンビニなどではレタスが多く入ったサラダが売っていますが、レタスはほとんど水分で腸内細菌のえさになりづらい。玉ねぎや大根、キャベツ、オクラなど食物繊維が多い野菜を食べた方がいいです」(石黒さん)
【4】動物性たんぱく質の摂りすぎ
「筋トレをしないのにプロテインを飲む人は少なくありませんが、疫学研究では動物性たんぱく質の摂取は腎臓機能を落とし、死亡リスク上昇に関連することが明らかになっています。特に高齢で腎機能が落ちているのにたんぱく質を摂りすぎると、腸内で発酵して有害物質になることもあります」(石黒さん)
写真/PIXTA
※女性セブン2026年1月22日号
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