高齢者は要注意!水分補給のコツ「タイムマーカー付きのボトル」で飲み忘れを防ぐ【家事アドバイザー解説】
厚生労働省によると、「若い頃に比べて体内の水分量が減ってくる高齢者は、特に熱中症対策として水分補給に注意が必要」だと注意喚起している。また、介護が必要なかたの中には、排泄の心配から水分を積極的に取りたがらないというケースも。そこで、高齢者にしっかり「水分補給」をしてもらうための対策を、節約&家事アドバイザーの矢野きくのさんに教えてもらった。
この記事を執筆した専門家
家事・節約アドバイザー・矢野きくのさん
節約・家事アドバイザー。防災士の資格を持つ。家事の効率化、家庭の省エネを中心にテレビ・講演・連載などで活動。NHK『ごごナマ』準レギュラー他テレビ出演多数。新聞での連載のほか自動車メーカー、家電メーカーなどの企業サイトでコラムの執筆経験も。近年は中高年層の家事アドバイスや家庭でできるSDGsについての講演、SNSでの情報発信でも活動している。著書『シンプルライフの節約リスト』(講談社)、『「節電女子」の野菜レシピ!』(アスコム)、『50代からの自宅の片づけ 実家の片づけ』(扶桑社ムック) など。https://yanokikuno.jp/
大切なのに忘れがち!シニアのための「水分補給対策」
観測史上「最高に暑い夏」という地域が続出している今年の夏。予報では9月も10月も暑いなどと言っているところもあるほどです。
人が生きていくうえで水分は必要なものですが、とくに暑い日は熱中症対策に欠かせないのが水分補給です。
しかし、高齢のかたや介護が必要なかたは、暑さや喉の乾きを感じづらくなっていることもあります。そこで今回は、そんなシニア世代に向けて、水分補給を忘れずにしてもらうための方法をご紹介します。
タイムマーカー付きボトルを活用する
ここ数年、水分補給の重要性が注目されるようになってから、「飲む時間」を指定する目印となる“タイムマーカー”が刻まれているウオーターボトルが販売されるようになりました。
時間になったら「これだけ飲まなくてはならない」と分かるので、一定量をコンスタントに飲むことができるようになります。
タイムマーカー付きのウオーターボトルの価格は、1500円から2500円ほどのものが多いようです。
1日の水分補給量を考えると、2本用意しておき、起きている時間にこまめに水分を摂るとよいでしょう。
なお、厚生労働省の「高齢者のための熱中症対策」※では、のどが乾いてなくてもこまめに水分補給をすること、1日に1.2リットル、1時間ごとにコップ1一杯の水分補給が推奨されています。
※厚生労働省「高齢者のための熱中症対策」
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iriu/nettyuu_taisaku/pdf/heatillness_leaflet_senior_2021.pdf
タイムマーカー付きボトルを自作する
市販のタイムマーカー付きボトルを購入するのも良いですが、節約したいという場合には自作してみるのはいかがでしょうか。
多くの100円ショップで透明のウオーターボトルを110円や220円ほどで購入することができます。そこにタイムマーカーを付ける方法があります。
筆者は、ラベルライターのテープを使ってみましたが、油性のペンでタイムマーカーを書いてしまうのも一つの手です。
もしも常に飲料はペットボトルで飲んでいるというかたは、買ってきたペットボトルに日付とタイムマーカーを油性ペンで書き込むのもよいでしょう。時間や、指定時間ごとに飲む量はシニアのかたの状況に合わせて調整してください。
「飲むこと」自体を忘れてしまう場合はアラートを鳴らす
ウオーターボトルやペットボトルにタイムマーカーをつけていても、慣れてしまうとそれが視界に入ってこなくなるというかたもいるかもしれません。その場合は、決められた時間にアラートを鳴らすようにすると良いでしょう。
一般的な目覚まし時計だと1日に複数回の時刻を設定することができません。1日に複数回のアラートを設定しやすいのは、スマートフォンです。
ご自身がスマートフォンを使っていればそれに設定すればよいですが、使っていないシニア層もまだいらっしゃるかもしれません。
その場合、時計代わりとして中古ショップなどで手頃な価格の旧型スマートフォンを入手すると便利です。あくまでアラートを鳴らすためだけに購入するので通信回線の契約などは必要ありません。
ペットボトルの蓋を開けやすくするアイテムも
高齢になると、ペットボトルの蓋を開けるのに力が入らず一苦労と言うかたもいらっしゃいます。このひと手間の苦労が、水分を摂ることへのハードルになってしまうのはもったいないですよね。
そこでおすすめなのが、ワンタッチで簡単に開くペットボトル用のキャップ。
100円ショップで売っているので、こうしたアイテムを利用して少しでも水分補給のハードルを下げるようにしたいところです。
冒頭でも述べましたが、水分補給はシニアのかたにとってはとくに重要です。さまざまな工夫をすることで水分を摂るという習慣も身につきますので、ぜひお試しください。
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