旬の<新じゃが>おいしく食べる方法を生産者が伝授「採れたてを蒸して食べるのが一番のおすすめ」
春先から順に産地を北上しながら、店先をにぎわす新じゃが。主な栄養素が炭水化物のため、昨今は何かと敬遠されがちだが、皮まで食べられる新じゃがは栄養価が高い。埼玉県の新井農園のみなさんに生産者だけが知っている新じゃがをおいしく食べる“ワザ”と“レシピ”を聞きました。
※レシピの材料は特記以外、すべて2人分。新じゃがは1個100gを目安に換算。電子レンジは600Wを使用。
教えてくれた人
新井農園 新井啓佑さん(42)、千佳さん(39)
納豆菌などの微生物菌や魚紛などを肥料とし、限りなく無農薬で栽培している新井農園の野菜は、味が濃いと評判。
【埼玉・新井農園】生産者に学ぶ新じゃがをおいしく食べる“ワザ”
新じゃがの味を最大限に引き出すには、保存法や洗い方、調理法に、生産者だからこそ知っているコツがありました。
東京から電車で約1時間。埼玉県北本市で18代続く『新井農園』。県内10か所の畑で栽培する四季折々の野菜は20種・50品種以上にのぼり、新じゃがはいままさに収穫最盛期を迎えようとしていた。
「土から掘り起こした採れたてが一番おいしい。店頭で買う際はゴツゴツしたものより、表面がなめらかでふっくら丸いものを選んで。きれいな形は栄養が行き渡っている証拠です」(新井啓佑さん)。
意外と知らない新じゃがQ&A
産地によって多種多様化しているじゃがいもの品種のほか、下処理と保存法について新井さんに教えてもらった。
■品種は?
新じゃがといえばニシユタカやデジマが有名だが、新井農園をはじめ関東地方ではホクホクした男爵やアンデスレッド、栗やさつまいものような味わいのインカのめざめのほか、しっとりメークイン系のこがね丸や十勝こがねなどが育てられている。
■保存は?
空箱や段ボール箱、紙袋に新聞紙や雑誌などを敷き、新じゃがを並べる。日光に当たると毒素のソラニンを生成してしまうので、蓋をして完全に光を遮断。風通しの良い冷暗所に置く。
■上手な洗い方は?
多めの水を入れたボウルに新じゃがを10分浸け置く。
汚れがふやけたらアクリルのスポンジで薄皮がむけないよう、優しく汚れを落とす。
採れたての小いもを蒸して食べるのが一番のおすすめ。蒸し器(径18cm)に小いも15個程度を入れ、水1/2カップをそそいで電子レンジで12分加熱するだけ(硬ければ追加加熱を)。
「塩を振るだけでもおいしいですが、マヨネーズに中濃ソースやケチャップを合わせたものとも合います」(千佳さん)。
トマトとえびのコロッケ(12個分)
トマト、えび、チーズの旨みがたっぷりな新井家の定番
<作り方>
【1】新じゃが3個は皮をむいて4等分に切り、耐熱容器に並べてラップをかけ、電子レンジで12分ほど加熱してつぶす(硬ければ追加加熱を)。
【2】フライパンにサラダ油適量を熱し、玉ねぎのみじん切り1個分を入れて中火で炒める。玉ねぎがしんなりしてきたら1cm長さに切ったむきえび100g分を加える。色が変わってきたら縦半分に切ったミニトマト5個分を入れ、しんなりしてきたら火を止める。
【3】ボウルに【1】、【2】、ピザ用チーズ50g、塩・こしょう各適量を入れ、よく混ぜる(トマトはつぶしてもOK)。12等分にして丸める。小麦粉適量、溶き卵1~2個分、パン粉適量の順につける。
【4】別のフライパンにサラダ油適量を熱し、【3】を入れ170℃できつね色になるまで揚げる。
「新じゃがで作ると普通のじゃがいもよりしっとりしていて息子も大好物。大人はスイートチリをかけてエスニック風にしても◎」(千佳さん)
新じゃがフライ
ころもで旨みを閉じ込めた“シンプル・イズ・ベスト”
<作り方>
【1】皮つき新じゃが3個は縦半分に切り、細めのくし形に切って、小麦粉適量を薄くまぶす。
【2】フライパンにサラダ油適量を熱し、【1】を入れて170℃できつね色になるまで揚げる。器に盛り、塩・粉末梅昆布茶各適量で味を調える。
「収穫時に出るひと口大の新じゃがなら丸ごと素揚げして食べます。カレーやコンソメなどお好みの味で楽しんで」(啓佑さん)
新じゃがのいも餅(5~6個分)
もちっとした食感が楽しめる
<作り方>
【1】ボウルに皮をむきすりおろした新じゃが2個分、溶かしバター10g、小麦粉大さじ2、顆粒コンソメ小さじ1、塩少量を入れて混ぜる。水分が少し残るくらいがベスト。多い場合は小麦粉を少量ずつたす。
【2】フライパンにサラダ油適量を熱して中火にし、【1】を大さじ1杯分入れて形を整えながら焼く。生地がなくなるまで繰り返す。
【3】【2】に焼き色がついて少し透き通ってきたら裏返して反対も同様に焼く。器に盛り、好みでしょうゆや中濃ソースをつけて食べる。
「子供の頃は母がよくおやつに作ってくれました。普通のじゃがいもで作ると変色しやすいので、ぜひ新じゃがで作ってみて」(千佳さん)
撮影/玉井幹郎、市瀬真以
※女性セブン2024年6月6日号
https://josei7.com/
●今が旬!新じゃがを”丸ごと”味わうレシピ12選|丸ごとチンして明太バター、グラタン、カレーにも!