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92歳の現役料理家・小林まさるさんが年を重ねても老いない理由「料理が脳トレになっている」と脳トレの権威が解説 

 小林まさるさんは、息子の妻(小林まさみさん)のアシスタントとして料理の世界に飛び込み、92歳の今も現役の料理研究家として活躍。老い知らずの理由は、まさるさんにとって「料理が脳トレになっている」からだという。話題の最新著『92歳、小林まさるの脳トレスープ かんたんスープを「作って」→「食べる」が脳に効く!』(Gakken)から、脳トレの権威で同書の監修を務めた川島隆太さんとの対談の一部を紹介する。 

【脳トレ対談1】料理の仕事は70歳から。いくつからでも人生は変えられる 

 本当に料理は脳トレになっているのか!? 脳機能開発研究の第 一 人者が、90歳を過ぎても料理研究家として活躍するまさるさんの脳トレ生活を検証します。 

川島:お会いするのを楽しみにしていました。僕の研究の対象となるのかどうか、どんな生活をされているのかなども聞いてみたいですね。 

まさる:よろしくお願いします。 

川島:なんでも料理を仕事としたのはだいぶ遅くからと聞きましたが。 

まさる:70歳からなんです。60歳までは料理とはまったく関係のない仕事をしていて、定年後は悠々自適な暮らしをしようと思っていたんだけどね。 

川島:70歳から新しいことを始めるきっかけは? 

まさる:息子が結婚して同居することになって3人で暮らしていたんだけど、お嫁さん(小林まさみ)が料理研究家を目指していて、ついに自分の料理本を出すことになった。でも撮影のアシスタントがいないという。 「そんなの俺が手伝うよ!」と。 

川島:どうして自ら手伝おうと思ったのですか? 

まさる:俺はお母ちゃん(妻)を早くに亡くして、1人で娘と息子の子ども2人を育ててきたので、毎日のごはんはもちろん、弁当作りもやっていた。同居してからは息子も嫁も忙しいから俺も家事を手伝っているよ。 

【脳トレ対談2】料理を面倒と思うこともあるけどやるよって!気持ちに持っていく 

川島:年を取ると料理をするのが億劫だという人が多いですが、まさるさんはどうですか。 

まさる:俺だって面倒くさいな〜という思いは常にあるよ。だけど、やるか、やらないかじゃないかな。面倒だけど、でもやる!!って気持ちに持っていかなくちゃ。 

川島:ものごとを面倒に感じるようになるのは、実は脳の機能が落ちてくるからなんです。 

まさる:俺が面倒と思うのは年相応なんだね。 

川島:料理っていうのはすごく脳を使う作業です。だから脳トレになるのですが……。脳を使う作業って、やっぱりある意味苦痛というか、面倒なんですよ。頭を使って疲れるから、そこを避けたいと思ってしまう。体力があって、動けるうちはなんとかできますが、何もしないうちに脳の働きは衰えます。 

まさる:家庭の料理なら、熟練した特別な技とかは必要ない。作業そのものはほとんど誰もができること。手早くできるか、時間がかかるかは人によって違うけどね。作業は簡単なんだけど、確かに常に頭を使っているね。材料はやわらかくなったか、火を止めるタイミングは今でいいかとか考えながらやっている。 

川島:人間が生きるためには食事は必要ですから、何らかの手段を講じて、食事はしないといけない。それを家で作るか、わざわざ買いに出かけるか、どちらにするかということです。生きるために必要な料理。自分で作れば、脳にも体にもメリットがあるんですから、多少手を抜いてもいいから続けてほしい習慣なんです。高齢の方が料理から離れていくと、どんどん脳の機能も体の機能も低下していく事例をたくさん見てきました。 

まさる:料理は生きるために必要だよね。 

川島:そうなんです、料理は、生きることです。年とともに面倒になるのは、脳の機能と直接関係しています。脳の機能を低下させないようにトレーニングをすることが大切です。まさるさんも面倒と思いながらも、90歳を過ぎた今でも料理を続けていることが脳トレになっています。これは尊敬に値します! 

【脳トレ対談3】バランス良く食べる、それにはいろいろなものを入れたスープがいい 

川島:まさるさんは好き、嫌いはありますか? 

まさる:基本的にはなんでも食べる。でも、好きなものは変化したね。若いころはやはり肉。とこ60歳くらいからたくさんは食べられなくなって今は肉よりも魚が好きだね。 

それから、以前は毎晩晩酌していたし、外に飲みにも行っていたけど、あまり飲まなくなった。そしたら、それまでは年に1回アメ玉を食えばいいほうだったのに最近は、よくなめている。差し入れにアメをもらうようになったよ(笑)。 

川島:味覚嗅覚はやっぱり年とともに鈍くはなるのですが、それで食べものの趣向が変わるかというと、あまり大きく変わらないかと思います。一番は消化吸収力が関係しています。油っぽいものが苦手になっていくのは、どうしても中年期以降に起こります。若いころはカルビを食べていた人が赤身になっていくのはよくあることです。脂たっぷりの肉から赤身の肉になり、それでも脂がきついとなって魚になっていくのが多いようです。  

まさる:やはり肉は食べたほうがいいのかな。 

川島:まさるさんと同じく、僕も60歳半ばを過ぎて肉が食べられなくなってきています。日本人の場合は、痩せてしまうと免疫も下がって弱ってしまう。だからどちらかというと少し太めくらいのほうが長生きするんです。 

ただ、年を取ってきたらたんぱく質を意識して摂らないといけないと言われています。とはいえ、たんぱく質が摂れるのは肉だけじゃない、魚からでも大豆製品からでもいいです。基本はバランスよく食べること。それをどう食べるかですよね。そのひとつとしてスープは理想的です。いろいろなものを入れて作るから、1品でバランス良く食べることができます。 

まさる:肉はあんまり食べなくなったけど、夏バテだ!と思ったら豚バラ肉に塩、こしょうをふって焼いて、それで白めしを食べる。年に4~5回だけど、これをやると元気になるよ。 

川島:豚肉にはビタミンBがたくさん含まれていて、夏バテにすごくいいんです。まさるさんの「バテたら豚肉!」と言っている。まさるさんの行動そのものが脳にも体にもいいことをやっているんですね。 

*** 

 本書の対談は第5弾まで続き、まさるさんの趣味や考え方について展開。脳トレに繋がる生活を自然と続けてきたまさるさんの元気の秘訣が「スープ」にあることが明かされていく。まさるさんの食生活を参考に脳の元気をキープしたい。 

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