関節痛や腰痛をやわらげる【生活習慣】Best10発表「1位は運動ではありません」【9名の専門家の意見を集計】
食事とともに気をつけたいのが日々の習慣。「誰にでも実践できる」と最も多くの票を集めたのが、「入浴」だ。
「体が冷えると血行不良になり、筋肉が硬くなって腰痛や関節痛が起こりやすくなる。慢性的な痛みは、お風呂につかって体を温め、血流を促すことで緩和されます」(望月さん)
温熱効果に加え、お風呂の水圧が「全身の血液循環を促進してくれる」(小原さん)のも大きなメリットだという。ただし、汗をかきすぎるのはNG。
「汗を大量にかくと、かえって体を冷やし痛みを促進する場合があるので注意が必要です」(伊達さん)
運動習慣が大切なのは言うまでもないが、どんな運動が適しているかは、痛む場所や痛みの度合い、年齢、環境などで違ってくる。
「突然の運動や体の状態に合わない運動は、かえって関節痛をひどくしてしまう可能性があるので要注意。個々に合った軽度の運動やストレッチ、腹筋やインナーマッスルを鍛えて姿勢を正しく保つなど、自分に合った運動習慣を取り入れてください」(金丸さん)
ひざに悩む人には「スクワット」「ひざの曲げのばし」
専門家がひざの痛みに悩む人に推奨するのは、3位「スクワット」と4位「ひざをのばす・動かす」だ。
「ひざの関節痛を防ぐには、太ももの大腿四頭筋(だいたいしとうきん)を鍛えること。それにはスクワットが最適ですが、すでにひざが痛い人にとっては諸刃の剣。部屋の隅に背中をつけながら行う『コーナースクワット』なら、ひざに大きな負荷をかけずに行えます」(戸田さん・以下同)
誰にでも簡単に実践できる方法として、戸田さんは「ひざのばし体操」をすすめる。
「いすに座り、片方の脚を持ち上げてひざをのばし、10秒間静止。それから2秒間かけて脚を下ろすだけ。“ながら”でもいいので、無理なく続けましょう」
高林さんがすすめるのは、ひざの皿を動かすエクササイズだ。
「階段を下りるとき、ひざには体重の6~7倍の負荷がかかっているといわれています。それでもひざが壊れないのは、お皿が滑車の作用をしているから。お皿を親指と人差し指でつかんで上下左右斜めに動かし、こりをとってあげましょう。1日1回、意識して行えば充分です」(高林さん)
血行を良くするウオーキング
ずっと同じ姿勢を取り続けることも、血流を滞らせ、関節を痛める原因になる。さかいクリニックグループ代表の酒井慎太郎さんが言う。
「1日20分でもいいので、ウオーキングしましょう。腰やひざが痛いからといって安静にしているのは逆効果。歩くことで血行がよくなって痛み改善につながり、脳や内臓の働きもアップする。歩くのはスポーツよりもローリスクかつハイリターンです」
腰に悩みを抱えている人は、高林さんが教える「後ろ歩き」を試してみよう。
「椅子に座っているとお尻の筋肉と大腿四頭筋が衰えます。後ろ歩きは両方の筋肉を鍛えることができ、腰への負担軽減につながります。目安は1日100m。後ろ歩きが怖い場合は、ベッドにうつ伏せになってひざを軽く曲げ、太ももをお尻側に15度以上上げ下げすると同じ効果が生まれます。毎日10~30回、寝る前に行って」(高林さん)
食事を見直して体を整える
太っているとひざや腰に大きな負荷がかかるため、5位の「ダイエット・減量」は“基本のき”だ。
「適正体重を超えている人は、現在の食事内容を見直し、間食や飲酒などを調整しましょう。急激なダイエットではなく、1か月5%以内を目安に減量してください」(金丸さん)
加齢とともに代謝が落ちることに加え、女性は特に更年期以降は体重が増えやすい傾向にあるから心したい。体の“経年劣化”が如実に現れるひざや関節。バッグや洋服、住まいを大切にするように、「究極の習慣」でしっかりメンテナンスして、いつまでも痛みなく歩ける体をキープしよう。
※女性セブン2024年2月1日号
https://josei7.com/
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