「母、緊急手術!声だけの応援団結成」NO老いるLIFE~母と娘のほんわか口福日誌~ 第14回
山口県で母とふたりで暮らす漫画家で栄養士の資格をもつうえだのぶさん。母の抱える慢性膵炎の原因が判明し、急遽転院して手術をすることに。絶食やめまぐるしい検査を経て、いよいよ手術の日がやってきて――。
「声だけで」
「慢性膵炎の原因がわかった!すぐに手術してもらえる!よかった!」と喜んだのも束の間――。
さっき入院したばかりで明日もう「手術」? しかもコロナ禍で面会も付き添いもできない。どうしたらいいの?どうなるの??
もう25年以上前になりますが、父がガンで入院した時は薬や治療法について担当の先生からその都度対面で詳しい説明がありました。病室に付き添っていたので常に状況を見守ることができました。
でも母の手術はコロナの真っただ中。面会はおろか最初の診察以降は先生に会うこともできず、手術の説明も全て電話。
全身麻酔をかけ、口から内視鏡を入れて直径1~2mmの細い膵管の中にある石をアームで砕くとのこと。
「膵管の**を○○して××に●●します」と声だけで手術の内容を伝えられてもなかなか理解できません。
その上、「万一腸に傷が入って出血した時のために専門の先生も待機しています」などと恐ろしいことをサラッと言われ…。
リスクの説明は必ずあるとわかっていても、これをたったひとり病室で聞かされた母は、「今どんなに怯えているだろう」と想像するだけで泣けてきます。
それは母のお友達も一緒だったようで、転院した夜に「どうだった?」と何人も電話をかけてきてくれました。話を伝えた友人たちが翌朝、「お母さんを応援しよう!」と我が家に集まってくれたんです。
この時はコロナ禍中の特例だったのかもしれませんが、母は病室のベッドで携帯電話(ガラケー)が使えました。
何も知らない母に電話をして、私のスマホをスピーカーホンにして、みんなに声をかけてもらいました。
スマホやタブレットだったら顔も見られてもっとよかったのかもしれません。
でもこの時は「声だけ」で十分でした。だって母の泣き顔を見たらかえって辛くなっていたかもしれないから…。
手術は午後から。詳しい時間はわかりません。母のお友達もそれぞれ帰宅し、後は病院から電話がくるまでひとりじっと待つだけとなりました。
「無事終わりました」と言われることを願いながら――。
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突然の再入院、そして6日間の絶食からの手術…。のぶさん&母のNO老いるな日々はどう展開するのか!? 次回は2024年1月31日公開予定です。
絵と文
漫画家・うえだのぶ
イラストレーター・漫画家。57才。山口県で81才の母とふたり暮らし。40代で地元の短大に入学し、栄養士の資格を取得。地元山口県を拠点に、漫画を利用した食育や時短調理などの栄養講座の講師なども務めている。
ホームページ:uenobu.com アメブロ:https://ameblo.jp/abareinupoti/ インスタ: https://www.instagram.com/nobuueda/?hl=ja
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