70才以上の3割も!まぶたが重い「眼瞼下垂」とは?症状や保険適用治療のビフォー・アフター【医師解説】
「50代の頃から目の開きづらさが気になっていた」とAさん(76才、下記写真)は言う。
「60才になる少し前に美容外科の看板に『眼瞼下垂』とあるのを見かけて相談に行ってみたら、『20万円以上かかる』と言われ、そのときは諦めました」(Aさん・以下同)
その後25年近く、二重にするアイテープをまぶたに貼ってごまかしていたが、目の開きづらさが解消されることはなかった。そんなAさんに転機が訪れたのは2022年4月のこと。
「数年前から白内障とドライアイの治療のために眼科に通っていたのですが、ある日、受付の女性(40代)がくっきり二重のパッチリ目に変身しているのを発見! 聞いてみたら、『眼瞼下垂の手術をした』と言うんです。
『こんな若い子でも手術するのか』と驚いていたら、『Aさんのまぶたも下がっていますね。一度受診してみますか?』と眼瞼下垂手術の専門医を紹介してくれました。それで1か月後に受診し、その場で手術の予約をしました」
いつも通っている眼科に月に一度非常勤で来る、眼瞼下垂の専門医が親身に話を聞いてくれ、説明もとてもわかりやすくて信頼できると確信したという。
★中等下垂で保険適用手術をしたAさん(76)の場合
手術前~手術から約1年後
二重の線のところを切開し、伸びた腱膜を縮める術式で、約1週間は外出を控えた。現在、術後1年以上経ったが、「(視野を含めて)目が3倍大きくなった!」と実感している。
眼瞼下垂手術の費用と術後の経過「約5万円でお釣りが!」
「日帰り手術という手軽さも魅力でしたね。保険適用だから、手術代だけな5万円でお釣りがきました。
まぶたを切ったみたいだけど、麻酔が効いていたからよくわからない。当日は痛み止めをのみましたが、切ったという違和感と腫れがある程度で痛みなどもありませんでした。ただ、術後にガーゼを当てた状態で帰るのは想定しておらず、タクシーを呼んでもらって帰りましたが、遠方の病院で手術を受ける場合は、付き添いがいた方がいいかもしれませんね。
1週間くらいは腫れがあり、外出は控えました。2週間後には眼鏡をかけて友人とランチに出かけましたが、全然気づかれませんでしたよ(笑い)」
手術前の問診で、どのような二重にしたいかを聞かれたので、「できるだけ自然に」とリクエストしたという。
術後1年が過ぎたいまも「若い頃の目元がよみがえった」とAさんは術後の仕上がりに大満足している。
「とにかく視野が広がったのがいちばん。肩こり、頭痛などの症状もなくなりましたから、もっと早く手術を決断すればよかったと思っています。視界が開けて世の中が明るくなり、気分もパーッと晴れました」
Aさんが言うように、眼瞼下垂は目以外の場所にも不調が表れ、目の機能を取り戻すとともにそれらの症状も改善される。気になる人は、前述のチェックリストで、眼瞼下垂に起因する症状があるかどうかを、ぜひ確認してほしい。
より美しくなりたい!自費手術がおすすめのケースも
「当クリニックでは、保険の手術か自費の手術かを選択していただいています」
と言うのは、形成外科・美容外科の診療科がある「よしき銀座クリニック」院長の皮膚科医・吉木伸子さんだが、吉木さんはこう語る。
「保険でできるのは機能改善が主目的になります。ただ、『せっかく手術するなら、より美しい目元になりたい』というかたには、自費での手術をおすすめします。自費で手術をする場合には、まぶたのたるみや目尻のしわを同時に取ったり、美しい二重に仕上げたりすることが可能になります。さまざまな術式の中から、好きに選んで希望を叶えるのが自費の手術のメリットです。
まず保険で手術をしてみて、やはり二重の幅が気になるということであれば、後から自費の手術で修正をする、というかたもいらっしゃいます」