エリザベス女王、アガサクリスティ等の長寿の秘密を探る 共通するのは「規則正しい生活と仕事への情熱」
とはいえ、ルーティンを守るために自分を律するのは努力や自制心が必要だ。彼女たちを駆り立てたのは「仕事への情熱」だった。
「ココ・シャネルさんはスイスに亡命していた際、湖のほとりでのんびりと暮らしましたが体調を崩しました。ところが70才を過ぎてパリに戻り、仕事に復帰すると元気になったとか。彼女にとって、亡くなるまでの5年間は苦境を経て、何よりも好きな仕事に全力投球できる喜びに満ちた得がたい時間だったのではないでしょうか」(日置さん)
最期まで仕事に邁進したシャネルさんは、亡くなる前日まで自分の店で生地の選定やボタンの点検をしていた。
<私の人生を常に奉仕に捧げる>と宣言し、25才で一国の女王として君臨し、一心に公務を続けたエリザベス女王も同様だ。
「亡くなる前の5年間も、女王はコロナ対策や新首相の任命など、重要な仕事を滞りなくスピーディーにこなし、王室にSNSを取り入れるなど、全力で国民と向き合っていたことを印象深く覚えています。
イギリスには女王のほかにも長生きして“生涯現役”を貫いた女性が多く、ミステリー作家のアガサ・クリスティさんやピーターラビットの生みの親であるビアトリクス・ポターさんらがそれにあたります。アガサさんは次々に斬新なトリックを思いつき、ビアトリクスは湖水地方の自然に魅せられ、いまで言うSDGsのような形で創作活動の傍ら自然保護活動にも邁進しました。
やるべき仕事に向き合い、常に新しいことを取り入れていたのが、彼女たちの共通点といえるでしょう」(多賀さん)
女性偉人の「生涯現役」を作った運動と生活習慣6選
※習慣/内容
【1】乗馬
エリザベス女王は晩年まで乗馬を続けていた。運動としての効果に加え、動物と触れ合うことで普段使わない感性が刺激される。
【2】テニス
緒方貞子さんはテニスで培った粘り強さと体力によって世界中を飛び回れる体力を手に入れた。対人スポーツである点もポイント。
【3】朝風呂
エリザベス女王の“モーニングルーティン”の1つ。血流がよくなり、交感神経が刺激されてしっかり目が覚める。
【4】毎日同じ時間に起きる
体内時計が正常に働き、健康長寿が体現される。起床してすぐ、日光をきちんと浴びることも重要。
【5】ナイフとフォークを使う
食事は内容に加え、どうとるかも重要なファクター。心を満たすために食材と向き合い、味わって食べることが大切。
【6】たくさん歩く
平安時代の宮仕えの女性たちは重量のある十二単を着て広い宮廷を歩き回っていたため、足腰が鍛えられ、生涯現役で働くことができていた。
文/池田道大 取材/小山内麗香、桜田容子、田村菜津季、祓川学、平田淳 写真/写真AC、時事通信社、アフロ
※女性セブン2023年10月26日号
https://josei7.com/
●評論家・樋口恵子さん(90才)健康長寿の秘訣「月2回のパーソナルトレーニングと甘い物」