新体操コーチ・山さき浩子さんが提案!「4スタンス理論」でしなやかに体を動かすメソッド
次は自分に合った体の使い方を見てみよう。自然と自分のタイプに合った動きができていればOK。無理して合わせようとせず、軸ポイントをイメージするだけで体の使い方は変わる。
前、後ろ、内側、外側に重心をかける以外に、4スタンス理論には「クロスタイプ」と「パラレルタイプ」という分け方がある。
「クロスタイプは体を斜めに使い、パラレルタイプは体を真っ直ぐに使います。クロスタイプは体の意識がお腹側にあり、自然と前面を使って体を動かすのに対し、パラレルタイプは体の意識は背中側にあり、背面を使って体を使うのが特徴です。4つのタイプではA1とB2はクロス、A2とB1はパラレルタイプに分類されます」
走るときや、ウオーキングのように速く歩こうとするときには、次のように意識するとうまくいく。
「クロスタイプは左右の腕を斜めに振るようにするとスムーズに進みます。一方、パラレルタイプは両腕を真っ直ぐに振るといいでしょう」
無理はせずやってみよう。
■A1タイプ【重心位置は前寄りで内側の人】
<正しい体の使い方>
●みぞおち、ひざ、土踏まずの軸を垂直になるようにそろえる
●踏み出すときは前脚に重心を置く
●意識する面はお腹側
●あごを少し引く
●立つ姿勢はみぞおちの前側をひざの前側に乗せるイメージ
●歩くときはみぞおちの前側をひざの前側の上に乗せて前側から引っ張られるようなイメージ
●走る、速く歩くときは腕を斜めに動かす
■A2タイプ【重心位置は前寄りで外側の人】
<正しい体の使い方>
●みぞおち、ひざ、土踏まずの軸を垂直になるようにそろえる
●踏み出すときは前脚に重心を置く
●意識する面は背中側
●あごを少し上げる
●立つ姿勢はみぞおちの後ろ側をひざの後ろ側に乗せるイメージ
●歩くときはみぞおちの後ろ側をひざの後ろ側の上に乗せて背中から押されるようなイメージ
●走る、速く歩くとき、腕は真っ直ぐ動かす
■B1タイプ【重心位置は後ろ寄りで内側の人】
<正しい体の使い方>
●首の付け根、股関節、土踏まずの軸を垂直になるようにそろえる
●踏み出すときは後ろの脚に重心を置く
●意識する面は背中側
●あごを少し上げる
●立つ姿勢は首の付け根の後ろ側を股関節の後ろ側に乗せるイメージ
●歩くときは首の付け根の後ろ側を股関節の後ろ側の上に乗せて背中側から押されるイメージ
●走る、速く歩くとき、腕は真っ直ぐ動かす
■B2タイプ【重心位置は後ろ寄り、外側の人】
<正しい体の使い方>
●首の付け根、股関節、土踏まずの軸を垂直になるようにそろえる
●踏み出すときは後ろの脚に重心を置く
●意識する面はお腹側
●あごを少し引く
●立つ姿勢は首の付け根の前側を股関節の前側に乗せるイメージ
●歩くときは首の付け根の前側を股関節の前側の上に乗せて前側から引っ張られるイメージ
●走る、速く歩くとき、腕は斜めに動かす
◆走るときの腕の振り方
●パラレルタイプ
A2タイプ
B1タイプ
体幹は真っ直ぐ体は正面にし、腕は真っ直ぐ、前後に振る。
●クロスタイプ
A1タイプ
B2タイプ
体幹や腕を斜めに振ると楽に走ることができる。
◆体の安定を感じられるあごの位置
●パラレルタイプ
A2タイプ
B1タイプ
あごを少し上げると体が安定する。
●クロスタイプ
A1タイプ
B2タイプ
少しあごを引くと体が安定する。
教えてくれた人
新体操コーチ 山さき浩子さん
1960年生まれ、鹿児島県出身。1984年にロサンゼルス五輪に出場して8位入賞。2004年に日本体操協会の新体操強化本部長に就任。2015年以降は世界選手権で5大会連続メダル(団体競技)に導いた。軸トレについて著書の『筋トレより軸トレ!運動のトリセツ』(監修・廣戸聡一/日経BP)で詳しく解説している。YouTubeチャンネル「【ジクスタ】Hiroko’s JIKU studio」でも体の動かし方などを配信中。
取材・文/廉屋友美乃 イラスト/鈴木みゆき 出典/『筋トレより軸トレ!運動のトリセツ』著者・山さき浩子 監修・廣戸聡一(日経BP)
※女性セブン2023年6月8日号
https://josei7.com/
●新体操コーチ・山さき浩子さんに学ぶ「疲れない体づくりには大切なのは筋トレより軸トレ」