新体操コーチ・山さき浩子さんが提案!「4スタンス理論」でしなやかに体を動かすメソッド
最近、「つまずきやすくなった」「体力の衰えを感じる」と感じていませんか。そんなあなたには、新体操日本代表を世界選手権で5大会連続メダル獲得に導いた名将・新体操コーチの山さき浩子さん(63才)がたどり着いた「4スタンス理論」をおすすめします。人間の体には、動かし方のタイプが4つあるという。具体的にはどう分けられるのか?山さきさんが実践する4スタンス理論のもと、4つのタイプの特徴を見ていこう。
自分の「軸」のタイプを確認!
山さきさんによると、人間の体には5つの重要な軸ポイント(首の付け根、みぞおち、股関節、両ひざ、両足の土踏まず)があり、この中の3つの軸を地面に対して垂直にすることで体の軸が安定し、リラックスして体が動くという。
「立つ、歩く、走るという動作も体の軸が関係しています。軸がしっかりしていないと動きが不安定になったり、変に力みが出て体が硬くなったり、不調につながりやすくなります」(山さきさん・以下同)
最近、何もないところでつまずくことが増えたが、これも軸を無視した動き方のせいだろうか。
「その可能性はありますね。4スタンス理論では、まず体を安定させるための5つの軸のポイントを知り、その上でさらに大きな可動域が得られるような動きを身につけます。そうすれば筋トレをしなくても、無理なく体を動かせ、可動域も広がります」
なるほど! では軸はどうやって作ればいいの?
「Aタイプは、みぞおちとひざ、土踏まずを垂直にそろえると軸が整います。そうすると体がやや前傾します。一方、Bタイプは、首の付け根、股関節、土踏まずを垂直にそろえると、体が安定します」
3つの軸をカチッと一直線上に安定させたら、今度は残りの2つの軸を積極的に動かす。
「残りの2つの軸のあたりを“可動ライン”と呼んでいるのですが、この部分を積極的に動かすことによって、安定しながら大きなパワーを出すことができます。Aタイプでは首の付け根と股関節が、Bタイプはみぞおちとひざが動かしやすい可動ラインです」
次に、内側と外側の重心について見ていこう。
「土踏まずの内側に重心がある人を1タイプ、外側に重心がある人を2タイプとします。1タイプは、上腕や太ももを閉じた方が力は出やすく、2タイプは、上腕や太ももを開いた方が力を出しやすい。また、体のバランスをとるとき、1タイプは人差し指を、2タイプは薬指を意識すると安定感が得られます」
4タイプがわかったら、自分がどのタイプかチェックしてみよう。
前重心で内側重心ならA1、前重心で外側重心ならA2、後ろ重心で内側重心ならB1、後ろ重心で外側重心ならB2となる。ちなみに記者はA1だった。確かに重心を前寄りで内側にかけて立つと背筋がシャンと伸びた気がする。
「勘違いしないでほしいのは、このタイプだったからといって、正しい体の使い方に無理やり矯正しなくてはいけないわけではありません。正しく体を使うためには頑張りすぎないこと。軸さえしっかりと意識していれば自然と体は正しく使えるようになります」
→新体操コーチ・山さき浩子さんに学ぶ「疲れない体づくりには大切なのは筋トレより軸トレ」