《親が突然の入院…どうする?》いざという時に慌てないために 親が元気なうちから確認しておきたい持ち物リストや治療方針
ある日突然起こり得る親の入院。特にシニア世代は、急な持病の悪化や転倒などのちょっとしたけがや事故で入院が必要になることも多い。いざというとき慌てないために、親が入院するときに備えて準備しておきたいことを節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんに教えてもらった。
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教えてくれた人
丸山晴美さん/節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー
22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。
入院時に持ってきてほしいものリストを作っておくのがおすすめ
事前の備えとしてやっておきたいことのひとつが、「入院時に持ってきてほしいものリスト」を作ること。いざというときは焦って忘れ物をしやすいですし、いつも使っている洗面用具や歯ブラシ、タオルなどの入浴セット、下着類など、本人でないとどこにあるかわからないものもあります。
また、家族からは重要と思えないものでも、本人にとって必需品である場合もあるため、入院する時には何を持ってきてほしいのか、どこにしまってあるのかなど、きちんと親と話して確認し、リスト化しておくと慌てずに済みます。
自分の分も作っておくといざというとき困らない
親の「入院時に持ってきてほしいものリスト」を作るのとあわせて、自分の分も作っておくと、さらに備えとしては万全です。親や他の家族の分を作ることができていない場合も、自分のリストを参考にすれば、忘れ物をしづらくなります。
「入院時に持ってきてほしいものリスト」の例
入院時に持ってきてほしいものは人によってさまざまですが、例えば次のようなものは必要になることが多いため、こちらのリストをベースに自分たちに合ったリストを作ってみてください。病院や病棟によっては持ち込みできないものもあるため、最終的には入院することになった場合に確認しましょう。
【衛生用品】
・洗面用具…歯磨きセット・うがい用コップ
・入浴セット…バスタオル・フェイスタオル、ボディソープ、シャンプー、リンス、洗面器
・ゴミ袋(袋)
・下着類
・ティッシュペーパー・ウエットティッシュ
・マスク
・耳かき
・デンタルフロス
・目薬
・爪切り
・リップクリーム・ハンドクリーム
【雑貨・その他】
・手持ちのハンドルがついたプラスチック製のかご
・ポーチ
・飲料用カップ・ペットボトル用ストロー
・筆記用具
・スマホ・充電器
・延長コード
・眼鏡・コンタクトレンズ・老眼鏡
・ゴミ袋(大きめ・小さめ)
・S字フック
・A4クリアファイル
・手鏡
・耳栓・イヤホン・ヘッドホン
・のど飴など
・必要に応じて…紙おむつ、生理用品、補聴器、義歯(保管容器含む)
・おくすり手帳、外来で処方されている薬および常備薬、保険証、診察券、印鑑
ペットを飼っている場合など、入院時にお願いしたいこともリスト化
このほか、入院時にお願いしたいこともリスト化しておくといいでしょう。ペットを飼っていたり、植物を育てていたりする場合に急な入院が発生すると、家族が困ってしまいます。
特にペットの場合は、性格や嗜好を含め、食事の量やお世話の際に気を付けるべきことなどなどがわからないと、ペットの体調不良やトラブルなどにつながる恐れがあります。できる限り細かく、リストやメモにまとめておくのが安心です。
どんな医療を受けたいのかも聞いておくのがおすすめ
リスト作りをきっかけに、医療に関する希望についても事前に話し合っておくといいでしょう。
事故での大けがや急病によって入院し、本人の意識が戻らないまま重要な判断をしなければならないケースも起こりえます。治療方針など、本人の希望をきちんと聞いておくことで、いざというとき判断に迷いにくくなります。
医療の希望は定期的に見直す
ただし、注意しておきたいのが、受けたい医療などの希望は時間の経過で変わる可能性があるということです。一度書いたからと更新せず放置していると、書いてある治療方針の希望と、今の治療方針の希望が異なってしまう可能性があります。
もちろん、いざというときに急に本人の気持ちが変わってしまう可能性もありますが、平時から話をしておいたり、定期的に見直すよう本人にお願いしたりすることで、本人の希望に沿った治療を選択しやすくなるでしょう。
費用に関しても事前に確認を
治療費などに関しても、事前に確認しておくのがおすすめです。本人の預貯金や保険から支払ってほしいのか、家族に支払ってほしいのか、家族や親族に判断をゆだねるのか、何かそれ以外に希望があるかなど、きちんと確認しておくことが金銭トラブルを避けることにつながります。