介護業界に新風を!若い力を活かした運営が魅力のサ高住
ケアリッツレジデンス三郷
介護業界が抱える悩みには様々なものがあるが、介護職員の離職、人手不足は特に深刻だ。公益財団法人「介護労働安定センター」が発表した2017年度の「介護労働実態調査」の結果によると、離職した人の勤続年数は、「1年未満」(38.8%)、「3年以上」(34.9%)、「1年以上3年未満」(26.4%)となっており、就職して3年未満で離職する人が65.2%になるという計算だ。また、施設における従業員の過不足状況は、「大いに不足」(9.6%)、「不足」(24.4%)、「やや不足」(32.6%)との回答で、合わせると不足を感じている事業所は66.6%にもなる。さらに、人手不足感は2013年以降、4年連続で増加傾向にある。
このような状況に対処するため、昨年11月、厚生労働省は外国人の技能実習生の対象業種に介護を追加するなどしているが、こういった課題を若い力を活用し解決にチャレンジする企業がある。
今回訪れた「ケアリッツレジデンス三郷」の運営会社である株式会社ケアリッツ・アンド・パートナーズは2008年創業。IT技術を活用することで、介護業界のNo.1を目指して、訪問介護事業を主力として成長してきた。
代表取締役社長の宮本剛宏さんは、新卒を積極的に正社員として採用し正社員比率を高めることにこだわり、介護業界の人手不足にも立ち向かおうとしている。他にも、宮本さんは社長自らが介護現場で実際のサービス提供に携わり、現場の声を聞くことを重視しているという。
やる気に満ちた若手がサービス提供をしている
若手が活躍する社風が入居者にもたらすプラスの影響について、訪問介護の現場で経験を積み同社が運営する「ケアリッツレジデンス三郷」と「ケアリッツレジデンス妙典」の責任者で、介護事業本部施設事業部長の井置紳也さんはこう話す。
「社として新卒採用に力を入れていて、正社員スタッフの割合も高いです。働きやすい環境を整え、研修を行うことで、スタッフは長く働けるようになります。こういった施策を行うことが、結果、入居者へのサービス向上につながると考えています」
訪問介護サービスを提供する「ケアリッツ三郷中央」で管理者として活躍する長嶋芳郁さんは、新卒で入社し、今年で5年目の若手。同社の介護事業本部管理責任者・サービス提供責任者だ。彼は、学生時代に福祉施設で手伝いをしたことがきっかけで介護の道を志したのだという。
訪問介護事業では、請求などに関わる事務作業等をITで自動化し、ヘルパーが利用者の対応に集中できるようにしているそうだ。
「会社の人材に対する方針はここにしかない考え方だと共感して、入社しました」(長嶋さん)
長嶋さんが共感した”ケアリッツの考え方”とは、「私たちは、介護職をボランティアだとは考えていません。社員一人ひとりが介護のプロフェッショナルとしてサービスを提供し、それに対して正当な対価をお客様から頂戴する『サービス業』であるべきだと考えています」というものだ。
若手が担っているサービスの内容をご紹介
「ケアリッツレジデンス三郷」には、1階にデイサービスが併設されている。入居者もこのデイサービスを利用し、認知症予防のための運動など行っている。季節感を大切にした行事や食事を企画・提供しており、地域の高齢者も様々なレクリエーションや機能訓練に参加している。
また、外部の人でも安心して楽しめる入浴サービスや自宅への送迎も行なわれている。
「ご本人様やご家族様は『施設に入ると運動する機会がなくなって体が弱ってしまう』というイメージが強いようですので、しっかりと体を動かすようなことをやってほしいという要望の声は多いです」(井置さん)
入居時にかかる費用と必要なサービスを見極める
高齢者向けの施設を選ぶ際、現実的には支払える費用を第一条件になる場合も多いだろう。
しかし、まず、考えるべきは、「何のために高齢者向けの施設に住むのか」そして「そのために必要な機能は何か」という点だ。
健康上の理由で夜間にも手厚い職員配置がされていないと不安な高齢者がいる一方、万が一の不安よりも自由な生活や日中の介護や日常生活の補助を必要としている高齢者もいる。
「ケアリッツレジデンス三郷」では、元々は夜勤の介護スタッフを置いていたが、今は夜間の常駐はいない。その代わり、警備会社のセコムと契約をし、入居者が転倒してしまったなど何かトラブルがあった際は、緊急装置のボタンでセコムとすぐにつながる。その後、責任者である井置さんにも連絡が入りかけつけることができる仕組みだ。入居時に夜間のリスクも説明しているため、夜間の連絡は今のところ少ないという。
「ケアリッツレジデンス三郷」は、サービス付き高齢者向け住宅。普通のマンションで生活するような、暮らしの自由度が高いのが特徴だ。
「気軽に介護のことが相談できるところが1階に付いている普通のマンションというイメージで運営していきたいです。お住まいになっている方々は、自由に気兼ねなく生活できる部分に魅力を感じてくださっています。自由だけれど、何かあったらすぐに相談できるので、ご自宅に住んで訪問介護を受けるのとは違った安心感があるようです」(井置さん)
費用をかけることができ、手厚いサービスを受けたい高齢者もいるだろう。しかし、自分が必要とするサービスが何かを見極めた結果、暮らしの自由さを求めて有料老人ホームからこちらに移ってくる人もいるという。
他には、病院から直接自宅に戻るのは難しい人が、自宅に戻る前のステップとして入居することもあるそうだ。
若手がサービスの中心を担っている「ケアリッツレジデンス三郷」。明確な運営のコンセプトは、高齢者の住まい選びのわかりやすい選択肢になるだろう。自分の求める生活スタイルと合えば、入居後に快適な生活が送れそうだ。
撮影/津野貴生
【データ】
施設名:ケアリッツレジデンス三郷
公式WEBサイト:https://www.careritz.co.jp/station/residence-misato/
所在地:埼玉県三郷市鷹野5-259-1
最寄駅: JR松戸駅・つくばエクスプレス・八潮駅から京成バスおよび東武バス「鎌倉」下車徒歩1分
類型:サービス付き高齢者向け住宅
運営主体:株式会社ケアリッツ・アンド・パートナーズ
敷地面積:916.34平方メートル
延床面積:1,307.41平方メートル
室数:30室
入居要件:
(1)単身高齢者世帯
(2)高齢者+同居者(配偶者/60歳以上の親族/要介護・要支援認定を受けている60歳未満の親族/特別な理由により同居させる必要があると知事等が認める者)
「高齢者」とは、60歳以上の者または要介護・要支援認定を受けている60歳未満の者をいう。
構造:SRC構造 3階建て
開設年月日: 2016年1月1日
料金: 初期費用(AプランかBプランを選択)+月額基本料13万2400円
初期費用:
Aプラン:敷金0円+保証委託料5万7000円+家賃・共益費・基本サービス料の各2ヶ月分
Bプラン:敷金48万円+家賃・共益費・基本サービス料の各2ヶ月分
月額基本料内訳:家賃8万円(18.63平方メートルの居室)、共益費2万円(共有スペースの維持管理費・水道光熱費)、基本サービス料3万2400円)
※施設のご選択の際には、できるだけ事前に施設を見学し、担当者から直接お話を聞くなどなさったうえ、あくまでご自身の判断でお選びください。
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