パスワードが覚えられないシニア世代必読!「使い回しは空き巣に鍵を渡すようなもの」安全に管理する方法を解説
「あれ?パスワード、何だったっけ…」と困った経験があるシニア世代のかたは多いのではないだろうか。シニア世代のスマホの使用比率は、60代94%、70代84%、80代前半68%(※)と上昇し、それにともない「パスワード」に苦戦するシーンも増えているのではないだろうか。本記事では、節約・家事アドバイザーの矢野きくのさんに、今すぐ実践したい「パスワード管理術」を聞いた。
(※)NTTドコモ モバイル社会研究所(2025年8月28日)。
増え続ける「パスワード」に苦戦していませんか?
インターネットショッピングや動画配信、行政サービスなど、私たちの生活にデジタルは欠かせないものになりました。それと同時に増え続けるのが「パスワード」です。
「覚えきれないから、どこにでも同じものを使っている」「付箋に書いてパソコンの横に貼っている」というかたもいるかもしれません。しかし、その管理方法には大きなリスクが潜んでいます。
毎日の安心と「もしも」の備えを両立させる、賢いパスワード管理のポイントを解説します。
パスワード管理の問題点と「3つのリスク」
まず、私たちがパスワード管理において直面する問題は、大きく分けて3つあります。
【1】第三者に情報を盗まれる
悪意のある他人にパスワードが漏れれば、クレジットカードを不正利用されたり、個人情報を悪用されたりする恐れがあります。
【2】使いたいときに本人が分からなくなる
いざログインしようとしたときに「どのパスワードだったかな?」と混乱し、何度も間違えてロックがかかってしまう…。精神的にも大きなストレスになります。
【3】自分に「もしも」があったとき、家族が困る
これはシニア世代にとって非常に重要な視点です。病気や怪我、あるいは相続の際、スマートフォンのロックが解除できなかったり、銀行のネット口座にアクセスできなかったりすることで、残された家族が途方に暮れるケースが急増しています。
そもそも、そのパスワードは安全?
「覚えやすく、かつ他人に推測されない」パスワードを作るには、自分だけの変換ルールを持つことが有効です。
使い回しは「空き巣に全室の鍵を渡す」のと同じ
すべてのサイトで同じパスワードを使うのは、家の玄関、金庫、車の鍵をすべて同じにしているようなものです。一つ漏洩すれば、すべてが突破されてしまいます。必ずサイトごとに異なるパスワードを設定しましょう。
推測されにくい数字の選び方
自分の誕生日、住所の番地、電話番号の下4桁などは、個人情報から簡単に推測されてしまいます。おすすめは、「自分とは直接結びつきにくい兄弟姉妹などの記念日や電話番号」をベースにすることです。これなら本人にとっては覚えやすく、他人にはたどり着きにくい情報になります。
メモする場合の「暗号化テクニック」
パスワードをノートや付箋などにメモしておく場合、万が一、誰かに見られても、そのままでは使えないように工夫しておくと安全・安心です。
「自分ルール」の例:数字を「あ・い・う・え」と五十音に置き換えてメモする。
例:「1・2・3・4」の場合→「あ・い・う・え」と書く。
これは分かりやすい例なので、自分なりにアレンジしてくださいね。
パスワードは「用途別」に整理する
ネットショッピング、旅行予約、SNS、動画配信…。これらをバラバラに記録すると、後で見返したときに混乱します。管理帳を作る際は、以下のカテゴリー別に整理するのがコツです。
【買い物】 Amazon、楽天、スーパーのネットスーパーなど
【旅行】 航空会社、ホテル予約サイト、鉄道予約など
【生活・娯楽】 YouTube、Netflix、公共料金のマイページなど
【金融】 ネット銀行、証券会社、クレジットカードなど(※特に重要)
実践!「パスワード管理ノート」の書き方
パスワードを管理・保管するためのノートの作り方を紹介します。ノートを開いたとき、「どのサイト」の「どの情報」かがパッと見て分かることが大切です。
【書き方の図解イメージ】
賢く管理するための2つのテクニック
1.「自分ルール」で書く
パスワード欄には、前述の「暗号化テクニック」でお伝えした通り、変換後の文字列を記載します。これなら、ノートを紛失しても他人はログインできません。
2.余白を作る
パスワード変更に備え、古い情報を二重線で消して下に新しく書けるよう、数行の空きを作っておきましょう。
また、表計算ソフトを使う場合は、パスワードを一番右側の列に入力しておき、パスワードを変更したら新たな列を追加していくなど、工夫が必要です。作成した表は印刷して保管しておきます。
「どこに保管したか」を家族と共有する
せっかく完璧に管理していても、あなたに何かあったときに家族がその場所にたどり着けなければ意味がありません。
アナログ管理(ノート)の場合
「パスワードはこのノートにまとめてある」と家族に伝えておきましょう。保管場所の「鍵」にも注意が必要です。「金庫に入れてある」と言い残しても、金庫の開け方が分からなければ家族は困り果ててしまいます。
デジタル管理(スマホ・PC)の場合
パスワードを管理するための専用アプリもあります。複数のアカウント・IDを管理でき、暗号化もされるので安心です。
ただし、こうした管理アプリを使っている場合は、そのアプリ名と「マスターパスワード」を家族と共有しておく必要があります。
また、盲点になりがちなのが「スマートフォンやパソコン本体の起動パスワード」です。これらが分からないと、中の情報に一切触れることができません。事前にこれらも知らせておきましょう。
パスワード管理術のポイント【まとめ】
パスワード管理は、面倒な作業に思えるかもしれません。しかし、一度整理してしまえば、日々のログイン作業は驚くほどスムーズになり、セキュリティへの不安も解消されます。
1.情報を一箇所に集約する。
2.自分ルールで「暗号化」してメモする。
3.家族に「保管場所」と「大元のパスワード」を共有する。
大切な情報を守ることは、自分自身だけでなく、大切な家族を守ることにもつながるのです。今日から少しずつ、ノート作りを始めてみませんか?
